半導体不足も収束しつつあるというのに、いまだ、納期があまりにも長いクルマが存在する! 趣味車ならともかく、実用車を買うのに1年も2年も待ってられるか! それ以上ならもっと納期の短い、ほかのクルマを選んでみては?
※本稿は2023年10月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年11月26日号
ランクルの代役はレンジローバー!? 未だ続く納期長期化……納期の早い魅力的な代役車たち
■昔は長納期なんて滅多に無かった!!
日産 フェアレディZは長納期を通り過ぎ、受注を一時停止している状態だ
昔は納期が長い国産車なんてなかった。限定モデルじゃないかぎり、メーカーは多数の受注が入れば即座に増産で対応し、お客様をあまりお待たせしなかった。
納期が1年以上なんてのは異常な世界で、フェラーリやポルシェなど、ごく一部の高価で特殊なクルマに限られていた。
ところが現在、その「異常」が普通になっている。納期が一番長いのは国産車! 1年待ちはアタリマエ。欲しくても買えないクルマすら、たくさんある。
なかには待てば待つほど納車のヨロコビが大きいと感じる、気の長い人もいるだろう。でも、せっかちさんには、1年待ちなんて耐えられない!
ましてや5年待ちなんて、待ってる間に死んじゃうかもしれない! そんなクルマのことは忘れて、納期優先でクルマを選ぼうぜ!
世の中には星の数ほど女がいると誰かが言ったが、クルマの種類だって星の数ほどある! フラれたら即座に諦めて次行こう! 善は急げ!
■ランクル300&レクサスLXの代役は!?
事前予約で5年分が売り切れて受注停止中。国内販売分を増やしたことやキャンセルの増加で、状況はやや好転しているが
納期の長い国産車のチャンピオンが、レクサスLX600&ランクル300の兄弟だ。納車待ちどころか受注は止まったまま。再開の見通しは立っていない。市況の緩みで中古車相場はかなり下落したが、それでも新車価格を上回っている。
まっとうな代役は、ディフェンダーかレンジローバーだ。どっちも猛烈にカッコいいし、走りもいい。
究極のオフロード性能では負けるかもしれないが、国内では関係ない。レンジローバーの新車は少々お高いが、先代の中古なら500万円前後から手に入る。
国産唯一にして最後のV12エンジン搭載モデル。電気モーターのような回転フィールは「謙譲のV12」として世界的に名高い
でも、意外性の選択で、中古の先代センチュリーに行ってみるのはどうか? プレゼンス性はLXやランクルにも絶対負けない。なにしろ5LのV12を積んだ帝王だ。それが500万円くらいのお手頃価格で手に入る。ワクワクするじゃないか!
■アルファード&ヴェルファイアの代役は!?
人気大爆発で事前予約していてたのに納車待ち1年というケースも。今から注文したって、いつ手に入るか見当もつかないぜ!
写真を見た瞬間、先代以上に人気爆発の予感がしたが、フタを開ければもっと上。7月末の段階で受注は10万台に達した。
対応はディーラーによって異なるが、契約できたとしても、納車まで最低1年、最長2年待たねばならない(KINTOを除く)。冗談じゃないぜ!
しかし、アル/ヴェルは圧倒的なミニバンの帝王。代役が難しい。
まず思い浮かぶのはエルグランドだが、ステータス性は現在、天と地の差。アル/ヴェルが買えないからエルグランドを買いましょうと言って、何人が「はい」と答えるだろう。
唯一の救いは、エルグランドには3.5L・V6エンジンが用意されていることか。
それよりメルセデスVクラスのほうが、アル/ヴェルに対抗できる。お値段は最安で1000万円レベルだが、納期は半年ほど。中古車なら現行モデルでも500万円から手に入る。
2023年中に発表されると予想されている、マツダのフラッグシップSUV。5m超えの全長でアル/ヴェルを圧倒する!
意外性の選択は、間もなく発表されるマツダCX-80しかあるまい。なにしろ直6搭載のロングノーズで3列シート、全長は5100mm程度と予想されているのだからスゲエ。
国産車で5メートル超えはスペシャルな存在。この全長だけでも、アル/ヴェルに対抗できそうだ。
3列シートなので、ミニバン的な使い方も充分可能。大陸的なディーゼルの走りも楽しみだぜ!
■プリウスの代役は!?
開き直って超流線形にしたことで人気爆発。まさかの大復活を果たしたため、納車待ちが長くなってしまっている
スーパーカールックにリボーンしたプリウスも大人気で、納車は最低1年待ち。「どうしてもプリウス!」と言うんじゃなければ、まっとうな代役にはアクアかシビックe:HEVが最適だ。どっちもいいクルマだぜ。
順調に廃車が進んでおり希少になりつつあるが、たまに見るとハッとする。2ケタ万円でも充分買える
意表を突くならば、元祖ペッタンコな4ドアクーペ、初代CLSをおすすめする。2005年の発表当時、このデザインは猛烈にセンセーショナル。大人気だった。ボディの四隅がぜんぜん見えないところはプリウスそっくり!
20年近く経っているだけに、いま見ると新鮮そのもの。プリウスよりワルな感覚でモテそうだ。
■クラウンクロスオーバーの代役は!?
変身ぶりは見事だが、実際乗るとクラウンとしての熟成が足りないのではと感じる。もっと魅力的なクルマはいろいろある!
クラウンクロスオーバーも頻繁に見かけるようになり、それほど斬新には感じなくなってきた。これを7~8カ月も待つよりも、シトロエンC5Xでアバンギャルドを気取ったり、スカイライン400Rで昭和風ちょいワルを演じようぜ!
伝統のクラウンがなくなってみると、急に惜しくなる。先々代マジェスタは、古きよきクラウンのお手本だった
あるいは、あえてクラウン本来の姿に回帰して、先々代マジェスタの中古を買うのもシブい。
ふんわりした乗り味と3.5L、V6ハイブリッドのトロッとしたフィールは相性抜群! その甘美な乗り味に感動するに違いない。
オートスイングルーバーもついている。「これだよこれ! これが本物のクラウンだよ!」と、きっと叫びたくなるはずだ。
■ハリアーの代役は!?
RAV4の兄弟だが、デザインは都会的に洗練されていてカッコいい。走りも充分。それにしても納車待ちが長すぎる
発表からすでに3年以上経つハリアーの納車待ちが10カ月とは驚愕! 確かにハリアーは都会的でオシャレさん。人気が持続しているのだ。
まっとうな代役はマツダのSUV勢だろう。マツダ車はおしなべて納車待ちが短く、中身やデザインは折り紙付き。
ド定番のCX-5や、ロングノーズFRベースのCX-60なら、周囲からのウケの面でも充分ハリアーに対抗できる。
あえて先代の中古としたのは、お買い得だから! 現行新車だと600万円だけど、先代中古は200万円。中古だけに即納だ!
意外性の選択としては、中古の先代CLAシューティングブレークを推す。お値段は200万円前後だが、メルセデスのシューティングブレークというだけで、都会的でオシャレさん。レアだし特権階級的でもある。ハリアーに差を付けられるぜ!
■ジムニーの代役は!?
発表から5年で納車待ち1年。マジ!?
ジムニーの納車待ちが長いのは、もう慣れっこだし理解もしている。むしろその硬骨漢ぶりに「エライ!」と言いたくなる。
だが、それでもやっぱり1年待ちと言われると、他の選択肢を探したくなる。
まっとうな代役はタフトだが、物足りないと言えば物足りない。ならば中古の先代ラングラーしかあるまい。タフさは同レベル。モノによっては200万円台だ。
初代N-BOXもだいぶ数を減らしてしまったが、だからこそ、そのシンプルさが光って見える!
意外性の選択は、中古の初代N-BOXでどうだ! 超シンプルな箱型は、ジムニー同様、機能に徹したすがすがしさがある。ぜんぜん違うようでいて、雰囲気には近いものがあるんじゃないか?
オフロードで使うならムリだけど、「ジムニーの雰囲気が好き」というだけなら、初代N-BOXは悟りの選択だぜ!
■ほぼ買えないスポーツカーたちの代役は!?
2024年モデルは、最高100倍の競争率だったとか。買えるわけがない。あきらめよう
多くの国産スポーツカーは、狂ったような人気を集め、軒並み「ほぼ購入不可能」。どれだけ粘っても望みは薄い。納期優先ではなく、幻を追うのをやめて実物に目を向けるべきだ。
まずGT-R。新車はほぼムリ。新しめの中古は新車価格よりかなり高い。でも初期モデルなら600万円台。これはひとつの狙い目だ。
意外性の選択としては、AMGの先代C63Sはどうだ! 最高出力510馬力。GT-Rの初期モデルよりパワフルだ。ドライの直線ならいい勝負だろう。それでいてFR。雨の日は死と隣り合わせの快楽が味わえる。カッコいいぜ!
IS500も、新車を買うのはかなり困難だ。なにしろ抽選に当たらないとダメ。宝くじを買うようなものだ。ならば現実的かつまっとうな選択として、WRX S4がいいぜ!
CVTしかないってことで人気薄につき、納期は2~3カ月とごく短い。IS500の5L、V8の快楽はないけれど、水平対向2.4Lターボのぶっといトルクは魅力的。CVTの疑似ステップ変速も最高に気持ちイイ!
バックミラーに映る姿は完全に「Z?」。サイドから見ても「Z?」。これこそ「買えるZ」だ!
フェアレディZの代役は、中古のジャガーFタイプ(初期型)で決まりだ。フォルムは見事なロングノーズショートデッキ。Zとうりふたつだ。
遠くからだと真剣に見間違える。エンジンは2Lから5Lまで、よりどりみどり。5LのV8でも500万円で手が届く。もちろん中古車だけに即納だ!
シビックタイプRもほぼ買えない。なら、最大のライバルであるメガーヌR.S.に走るのがまっとうだ。現行モデルもいいが、シビックRとニュル最速の座をかけてマジに戦った先代を選びたい。200万円ほどで手に入る。
■短納期でもいいクルマあります!!
マツダ CX-60の納期は0.5~1カ月! うおおおお! 0.5カ月ってのは「在庫車ですか?」というレベル。うれぴー! それだけで欲しくなるネ!
クルマを含めあらゆる商品は、欲しくなった時が買い時。納期が長いのはダイレクトにマイナスだ。つまり、最初から納期の短いモデルのなかから選択すべきなのかもしれない。
ギャラリー内では、納期が半年以内のモデルのなかから、カーマニア的な見地で「いいクルマ」と認められるクルマを選んだ。ここから愛車を選べば、まず間違いないっ!
いずれにせよ、納期が異常に長いのはほとんどがトヨタ車。トヨタ車さえ外せば、どのクルマでもほぼ大丈夫。トヨタ抜きのクルマ選びを推進すればそれでヨシ。今はそれが難しいんだけど……。
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