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LPGスタンド減少でタクシー業者が注目する「e-POWER」! 日産「アルメーラ」にかかる期待とは

掲載 更新 39
LPGスタンド減少でタクシー業者が注目する「e-POWER」! 日産「アルメーラ」にかかる期待とは

 高額なJPNタクシーを導入できない事業者も多い

 タクシー向け専用車両といえば、トヨタJPNタクシーと日産NV200タクシーがある。ただ、未確認ながらNV200タクシーが生産を終了するというウワサがある。そうなると、事実上タクシー専用車はJPNタクシーのみとなる。ただ、クラウンコンフォートに対して価格がかなりアップしたことなどで、“アンチJPNタクシー”派ともいえる事業者も目立つ。

ガソリンや軽油よりも安いのになぜ? タクシーに採用されるLPガス車が乗用車に広まらないワケ

「もともと地方の事業者のなかには、JPNタクシー以外でも、新車のタクシーは車両価格が高いので、新車での車両入れ替えができずに、中古車で入れ替えする事業者も多いのが実状なので、JPNタクシーの導入がなかなか進まない地域が目立ちます」とは業界事情通。

 ただ、デビュー当初に導入したJPNタクシーが代替えの時期を迎えようとしているので、今後は中古車としてJPNタクシーが地方部でも普及していくのではないかともされている。しかし、一般的なミニバンでもある程度乗っていると、電動スライドドアの調子が悪くなり、結構な頻度でユニット交換するケースがあると聞く。開閉頻度がハンパではないJPNタクシーを中古で購入したあと、すぐに電動スライドドアの不調が発生し、購入した事業者がユニット交換を余儀なくされるのではないかと懸念する声もある。

 2020年春からの新型コロナウイルス感染拡大以降、タクシーもその影響を受けており、ある東京隣接県のターミナル駅で聞くと、「前年比で走行距離が1万kmほど少なくなっている」との話も聞き、代替え時期を延ばす事業者も多い。それだけならまだしも、保有するタクシーの一部を休車(ナンバープレートをはずす)する動きも目立っており、スンナリJPNタクシーが全国的な普及を進めていくことができるかは不透明となっている。

 タクシー車両の規格緩和が行われて以降、さまざまな車両がタクシーとして活躍している。この動きもJPNタクシーの普及がいまひとつとなっていることを助長している。地方部ではLPガススタンドの廃業が相次ぎ、東京都内でもその傾向が目立ってきている。そのなかでタクシー車両の燃料として、あえてLPガスにはこだわらない傾向も目立ってきている。

 ガソリンハイブリッド車がその一例。地方部では年季の入った2代目プリウスタクシーなども現役で活躍している。そのようななかで注目されているのが、日産の“e-POWER”ユニットを搭載した車両。メインは先代ノートとなるが、セレナも結構な頻度で見かけるようになった。ステアリングを握るドライバーには「マイカーを運転しているみたい」とおおむね好評であり、利用客も「ひとりで乗るなら十分」となっているようだ。

 e-POWER搭載のセダンが登場すれば状況は変わるか

 ただハッチバックスタイルというのがいまひとつという意見もある。クラウンコンフォートが生産終了してからも、セダン型タクシーを求める声は結構ある。カムリがここのところ増えているが、ボディサイズはかなり大きい。プレミオ&アリオンも目立っているが、いよいよ生産終了になる。

 そのなかで筆者が注目しているのが、タイでは“アルメーラ”、北米では“ヴァーサ”と呼ばれている日産のコンパクトセダン。先代ノートと同じVプラットフォームを採用したセダンであり、拡大解釈すれば先代ノートの“セダン版”と言っていいモデルだ。

 北米ではノートそのものが“ヴァーサ”としてラインアップしていたのを受け継いでいる。タイでは1リッターターボ、北米では1.6リッターエンジンを搭載。ボディサイズは全長4495×全幅1740×全高1460mm、ホイールベースは2620mmとなっている。日本仕様のカローラセダンと比べると、全長と全幅は同じで全高が25mm高く、ホイールベースは20mm短くなっている。

 シルフィの後継モデルとして日本でもこのコンパクトセダンを新型ノート同様にe-POWERユニットのみにして市場投入し、その際には新型ノートのようなフリート販売向けグレードを設け、それだけにしてタクシー専用車両として販売してみることを、筆者は提案したいのである。車名はズバリ“セドリック”。現時点では、このモデルにe-POWER搭載仕様がないことや、タクシー専用車両にすればニーズが限られるので割高な価格になるのではといったこともあり、およそ日本での販売は現実味がないといえる。だが、タクシーだけでなくレンタカーやカーシェアリング、法人営業車などのフリート販売専門モデルとして販売してみると、少しは現実味を帯びそうな気もする。

 タイミングよく、菅政権は2050年までに“脱炭素社会”の実現を表明しており、報道では2030年代前半までに純粋なガソリンエンジン車の事実上の販売禁止を進めようとしている様子。ただ、リーフを販売する日産の販売現場ですら、「いきなりノートをBEV(純電気自動車)専用にするのは、敷居が高すぎる」という話も聞く。そのなかで、全国で廃業が加速しているLPガススタンドの動きを見れば、発電用にガソリンエンジンを搭載している、e-POWERを搭載するモデルをタクシー車両として積極導入し、その先にロンドンタクシーのように、外部からの充電も可能にするというのも、けっして夢物語ではないはず。

 LPガススタンドよりは、総数は多いもののガソリンスタンドの廃業も目立っており、山間部などでは町内にガソリンスタンドが1軒もないというところも出ている。日本では最終的にガソリンスタンドの利用が困難になった地域であっても、電気はしっかり通っているので、BEV化は山間部などから進んでいくのではないかとも言われている。そのようななかで山間部や都市部を問わずBEVタクシーへのつなぎとして、e-POWER搭載タクシーの普及は業界でもニーズの高いセダン型にすれば、十分期待できると考えるが、そうはいってもタクシー車両自体のマーケットが小さいので、なかなかメーカーに重い腰をあげてもらえないのも、また事実なのである。

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みんなのコメント

39件
  • ノートと同じプラットフォームを使う車の車名が「セドリック」?馬鹿なことを言うものじゃないと思います。かつての名車をいったい何だと思っているのか。
  • シエンタで十分よ、JPNより100万位安くなるんじゃない?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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