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BMWグループの次世代に向けた企業戦略「THE NEXT 100 YEARS」とは何だ?

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BMWグループの次世代に向けた企業戦略「THE NEXT 100 YEARS」とは何だ?

2016年7月8日、BMWは東京・お台場の「BMWグループ東京ベイ」のオープン・イベントと同時に、BMW本社のセールス&マーケティング兼BMWグループ・セールスネットワーク担当取締役上級副社長のイアン・ロバートソン氏が、BMW グループは100周年を祝うにあたり、過去を振り返るだけでなく、モビリティ・サービスのプレミアム・プロバイダーとして、将来に対するコミットメント、将来に向けての経営・デザイン戦略のプレゼンテーションを行なった。

■THE NEXT 100 YEARSとは
BMWグループは、2016年3月7日に企業設立100周年を迎えている。そのため、1年間をかけて「THE NEXT 100 YEARS」をテーマに掲げ、様々なイベントを展開している。「THE NEXT 100 YEARS - 胸躍る未来へ、加速する」というテーマは、未来をフォーカスすることが100周年記念活動の中心テーマであることを意味している。

そして未来へのコミットメントと進歩を象徴する新しいコーポレート・アイデンティティのエンブレムは、三角形に連なる3つの矢印をあしらっている。このデザインには、BMWグループの「責任」、「信頼」、「パイオニア精神」、「成功」の4つの精神が表現され、同時にBMWにおけるブランドと働く人々の多様性も意味しているという。

ドイツ本国では、3月7日から記念イベントが始動し、ミュンヘンのオリンピック・ホールでは、ディーラー、サプライヤー、従業員、世界中のメディアなど約2000人のゲストを迎え、壮大な式典を行なっている。マルチメディアを駆使したこのイベントではBMWグループの現在と未来が多彩な演出で紹介され、ミュンヘンのサッカー・スタジアム「アリアンツ・アレーナ」でもライブ中継され、3万人の従業員がそのライブを見守った。

そして「THE NEXT 100 YEARS」とコンセプトカー「VISION NEXT 100」は、ロンドン、ロサンゼルス、北京を巡るワールドツアーに出発している。ロンドンでは、MINIとロールス・ロイスのビジョン・コンセプトモデルが正式にベールを脱ぐ。さらに10月にロサンゼルスではBMWモトラッド(バイク)のビジョン・コンセプトモデルが発表される。

さらに9月9日~11日は「THE NEXT 100 YEARS フェスティバル」がクライマックス・イベントとして、ミュンヘンのオリンピア・パーク内の各施設、BMWミュージアム、BMW本社ビルを使用して盛大に開催される予定だ。著名人を招いたスピーチ、国際的に有名な音楽界のスターが登場し、人気のDJがフェスティバルの雰囲気を盛り上げる巨大イベントで、一般の観客も参加できる。

■次の100年に向けての企業戦略
イアン・ロバートソン氏は、BMWが考える未来戦略として4点を挙げた。1番目は排出ガスゼロを目指す電動化の技術戦略であり、2番目は自動運転化、3番目はインターネット常時接続などデジタル化、そして4番目がカーシェアリングだという。

自動運転に関しては現在、多くの自動車メーカーが取り組みを始めているが、BMWはドイツ政府・経済産業省が主導する自動運転コンソーシアム「Ko-HAF」に参加しているのはもちろん、独自の取り組みも積極的に推進している。



イアン・ロバートソン氏は、7月1日にBMWはインテル社、モービルアイ社とのコラボレーション契約を締結したと発表した。インテルはマイコンチップとソフトウエア、中でも特に人工知能を担当する。モービルアイはイスラエルに開発センター(登記上の本社はオランダ)を置く、単眼カメラによる画像認識技術のトップメーカーで、専用の制御マイコン「EyeQ」もラインアップしている。

モービルアイ社は、単眼カメラを採用する各自動車メーカーの運転支援システムのほぼすべてに技術を供給している。

BMWは、このモービルアイ社とインテルとコラボレーションすることで、自動運転のための人工知能(AI)を開発する方向に舵を切ったのだ。

インターネット常時接続によるコネクテッドカー技術はBMWが早くから取り組んでいるが、今後は自動運転のために外部のクラウドとの接続が焦点となる。

カーシェアリングに関してもBMWは重視しており、すでにカナダなどで実際に展開している。イアン・ロバートソン氏は、「自家用車は、通勤に使用しているクルマでも勤務中はずっと駐車している。また休日にドライブに使用する一方で平日は駐車しているクルマが多く、効率的な使い方とはいえない。1台のクルマを共有するカーシェアにより、クルマの効率を格段に高めることができるというわけだ。

■コンセプトカー BMW VISION NEXT 100
コンセプトカーのBMW VISION NEXT 100については、本社デザイン部のクリエイティブディレクターでエクステリア担当の永島譲二氏が、プレゼンテーションを行なった。BMW VISION NEXT 100は、超未来的な自動運転EVで、ボディサイズは5シリーズと同等だという。

未来的なフォルムにも拘らずBMW VISION NEXT 100は、4個のヘッドライト、キドニーグリル、そしてリヤ・サイドウインドウ後端のホフマイスターキンク、L字形テールランプなどBMWのデザインDNAはきちんと継承されている。

また、全体のフォルムはクリーンで、シンプルで、空力性能は空気抵抗係数0.2を切っているという。空力性能を大幅に高めるために4輪はフルカバーされ、前輪はステアリング操作に合わせカバーを含むフロントフェンダーが繊維のメッシュのように伸縮し、この部分は3Dプリンター技術を利用しているという。

インテリアは格納式ステアリングを採用し、自動運転時は格納できる。室内スペースは広く、ラウンジのようにリラックスできるデザインとしている。またメーター類がなく、必要な情報すべてはフロントガラスに投影されるというシステムだ。

BMWブランドとしてはこのBMW VISION NEXT 100がコンセプトを示しているが、他のブランドではどうか? ロールスロイスは「NEXT 100」が発表され、MINIブランドは「MINI VISION NEXT 100 すべてのMINIが私のMINI」を発表している。MINIビジョン・ネクスト100は、未来のアーバン・モビリティというテーマに対する一つの回答と位置付けられている。

「すべてのMINIが、私のMINI」のキャッチフレーズが示すように、カーシェアリングというコンセプトを体現。個人のニーズにぴったり合ったMINIを、いつでもどこからでも呼び出せるようになる24時間365日無休のサービスを前提としており、未来のMINIが利用者の指定する場所まで100%自動で迎えに行き、さらに個人の趣味や興味、嗜好にも適応する。そのためのこのMINIコンセプトは完全接続のデジタル知能を持つ。

将来的には、実際にクルマを所有しなくてもそのメリットが楽しめるようになるのだ。そのため、すべてのMINIが私のMINIになるをテーマに、MINIはドライバーとデジタル知能を接続し、小さく、賢く、キビキビした走りはアーバン・ゴーカートと呼ぶにふさわしいという。クルマとドライバーが人工知能を介して接続されるため、地味なシルバーのエクステリアで、無色である。ドライバーに合わせて、ルーフのカラーも、インテリアの照明も、情報システムも、走りも変えることができるようになっている。

このようにBMWグループは100周年という節目の年に、それぞれのブランドでの将来像をコンセプトカーとして具現化しながらグローバルに存在感を示そうとしている。


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