■なぜ中古車は季節によって需要が変化する?
中古車は季節や特定のシーズンの需要によって、売れ筋モデルが大きく変化します。
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たとえば、冬になるとSUVやワゴンの中古車の在庫が減る傾向があるようですが、これは「ウインタースポーツを楽しむならSUV」と考える人が増えて需要が高まることが理由だと考えられます。
季節によって売れ筋の中古車が変化する事情について、東京都内で中古車を中心に扱う販売店のオーナーN氏に聞いてみました。
N氏によると、「冬になるとSUVやワゴンが売れる」という話は本当のようです。しかし正確にはちょっと違う事情があるといいます。
「冬にSUVやワゴンに人気が集中する傾向は確かにあります。また4WD車も冬場には人気があります。しかし実際は、冬はセダンやスポーツカー、オープンカーの需要が冷え込むので、堅調な人気を誇るSUVやワゴンが相対的に売れているように見えるという部分もあるのです」
新車販売でも季節が関係する傾向があるようですが、なぜ中古車は季節によって需要が変化しやすいのでしょうか。
「1番の理由は、納車までの時間が短いため、乗りたいと思ったら早く入手できることでしょう。
新車の場合は、在庫がなければバックオーダーとなるため、納車まで時間がかかります。その点、中古車は目の前にある現車を購入することになるので、整備や登録までの時間を考えても、新車より早く乗り出すことができます」(中古車販売店オーナーN氏)
登録済みの中古車の場合、手続きが簡素化されるため新車より早く乗り出せるケースが多くなり、すぐに乗りたいという人のニーズに応えやすくなります。
そのため、SUVやワゴンといったウインタースポーツに適したクルマや、雪道でも高い走破性を備えた4WDグレードの人気が冬に高まるのも必然的だといえるでしょう。
また冬は、荷物をたくさん載せられる車内の広いクルマにも人気が集中する傾向があるそうです。
※ ※ ※
さすがに冬にオープンカーを買う人は少ないだろうと思われますが、売れ行きはそれほどではないものの、じつは狙い目ともいえるようです。
「冬に屋根を開けて走ろうという人は少ないのですが、その分需要が冷え込むため、在庫を抱えている中古車店はできるだけ早く売りたいと考えて価格を下げることがあります。オープンカーで狙っている車種があるなら、冬場こそ安く買える狙い目のタイミングでもあります。実際はほとんど売れないのですが」(中古車販売店オーナーN氏)
■春は自動車市場が活性化して中古車の流通量が増えるタイミング
これから春を迎えるにあたり、どのようなジャンルが売れるのでしょうか。
「春は中古車の流通量が増えます。また販売業者が売れ筋を見込んで仕入れるタイミングでもありますので、冬のあいだにあまり売れなかったセダンやスポーツカーなども市場に出回るようになります」(中古車販売店オーナーN氏)
ちなみに、「春だから」という理由で売れるクルマやジャンルはあまりないようです。それよりも冬に売れなかったジャンルも注文が入るようになるというのが実情のようです。
では、春に中古車市場が活発化するのはなぜなのでしょうか。
「やはり、3月が年度末ということが大きいでしょう。新車の販売店も決算期なので少しでも多く売りたいということでセールスにも力が入り、買い替え需要が増え、下取りのクルマが中古車市場に流れる結果、中古車のタマ数が増えるのです」(中古車販売店オーナーN氏)
以前ほどではないにせよ、やはり年度末の決算セールを見込んで新車を買い替える人は一定数いるそうです。また新規でクルマを購入する人が多いのも春の特徴のひとつだといいます。
「免許を取得したばかりや引っ越しなどで生活環境が変わった人が、クルマを購入するケースもあります。その場合はコンパクトカーや扱いやすいセダンなどを購入することが多いようです」(中古車販売店オーナーN氏)
中古車は市場での需要や人気によって価格が変動しやすい特徴がありますが、春は中古車市場が全体的に売れ行きも良くなります。
別の販売業者に聞いたところ、業務用のトラックやバン、軽トラなどの商用車も、春になるとかなり人気が高いジャンルだといいます。
新規の仕事を始めるにあたって車両を増やす企業が中古車を選ぶことも増えています。たとえばパワーリフト付きのトラックなどは市場にあまり出回らないため、少々値が張っても売れるようです。
さらに軽トラなどは、最近増えているデリバリーやテイクアウトに使用するクルマとして需要が増えています。
スポーツカーや高級車の中古車は、とくによく売れる時期などあるのでしょうか。
「スポーツカーはもともとの流通量が少ないので、季節による大きな変化はないと思います。それよりも、最近はBMWの『Mモデル』やアウディの『RSモデル』『メルセデスAMG』といった、メーカー純正ハイスペックモデルの問い合わせが増えています。
純粋な2ドアのスポーツカーより高い実用性とハイパワーを組み合わせたモデルは、高額な新車価格と比較して、中古車ならお得感もあって人気です。
また、高級セダンは、国産より輸入車のほうが売れています。新車では手が出せなかったので中古で購入されるケースです。
ただし中古車の場合、新車で買ったときよりも修理代が高くなりやすいため、そのあたりの予算も確保してから購入したほうがいいとお話しさせてもらっています」(中古車販売店オーナーN氏)
そしてやはりSUVは、新車市場と同じく中古車市場でも人気が高いようです。
「国産SUVはかなり出入りが激しいです。また最近は国産SUVからひと昔前のジープに乗り換える人もいらっしゃいますし、下取りしたSUVがそのまま売れてしまうケースもあります。その場合はクリーンディーゼル搭載車の人気が高いです」(中古車販売店オーナーN氏)
※ ※ ※
中古車を安く購入したいなら、そのクルマが活躍するハイシーズンを迎える前、またはシーズンが過ぎてしまったころをあえて狙う方法もあります。
また、人気車種を狙っている場合、少し値段が高くてもできるだけ高年式で状態の良い車両を選ぶと、後々のメンテ費用も安く済ませられる可能性があるようです。
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みんなのコメント
今の時期なら、新卒、就職や転勤など、他県で買う場合の名義やら保険やら登録、税金、名義変更、陸送、引っ越しなど
そういう情報を書いてくれればいいのに
全く気が利かない。