最近、一度販売終了したクルマが再登場して、ヒットを飛ばしている例がたくさんある。
RAV4、ハリアー、ロッキーなど、軒並み大ヒットしているクルマばかりである。こうしたクルマたちはカムバック賞をあげたくなりませんか?
【トヨタ&ダイハツとしてもまさかの事態!?】ライズ売れ過ぎてオーダーストップ!? 納期は7月中旬!!?
そこで、なぜ、一度は販売終了したのに、再登場して大ヒットすることができたのか? モータージャーナリストの清水草一氏がその真相に迫る!
文/清水草一
写真/ベストカーWEB編集部
【画像ギャラリー】この生産終了車はカムバックするか?
松坂大輔選手のようにカムバックしたクルマ!?
2019年シーズン、松坂大輔投手が西武ライオンズに復帰した。ライオンズファンとしては、こそばゆくもうれしい。
松坂投手が今年活躍できるかどうかは未知数だが、度重なる故障で一度は終わったと思われた選手生命が、一昨年奇跡的に復活し、見事6勝を挙げて中年に勇気を与えたのは記憶に新しい。
松坂選手は大リーグから日本への復帰以来、ありとあらゆるリハビリ治療を受けてきたが、3シーズンも投げられない状態が続いた。
ところがこの年のシーズン前、本人によれば「ある施設で、先生が肩をはめてくれたんです」とのこと。それ以来、突然投球ができるようになったという。そういうことってあるんですね……。
自動車の世界でも、一度は生産中止または販売中止になったものの、復活して再度ヒットを飛ばしたクルマは非常に少ないが、確かに存在している。そんな松坂大輔な奇跡のクルマたちを紹介していこう。
初代シエンタ/2010年8月販売終了→2011年5月再販売
★わずか8カ月でカムバック
一度は販売終了したものの、販売店やユーザーからの反響の大きさから再販売することになった珍しいケース
シンプルなスタイルと丸いおメメがかわいらしい初代シエンタは、2003年の登場以来、3列シートを持つコンパクトサイズのミニバンとして、手堅いヒット車になった。
発売から5年後の2008年。後継モデルのパッソセッテ(ダイハツが開発を担当)が登場。しばらくはシエンタも併売されたが、2010年8月に販売が終了した。
ところが、パッソセッテ(ダイハツの姉妹車はブーンルミナス)の売れ行きは大コケ状態。このクルマ、走りも見た目も内装もすべてが安っぽかった。
車名の通りベースはパッソ。サイズはシエンタよりわずかに大きかったが、ファンカーゴ+カローラスパシオがベースのシエンタと比べると、明らかに格落ちだった。
シエンタの販売終了によって、売れ筋のコンパクトミニバンを失った格好となったディーラーからの突き上げもあり、トヨタは計画を変更。
販売終了からわずか9ヵ月後の2011年5月、安全装備などを新法規に合わせた上で生産・販売が再開され、そのまま2015年まで生き残って、2代目シエンタにバトンタッチ。DNAを残すことにも成功した。
初代シエンタが復活できたわけは、派手さはないもののパッケージングが非常にすぐれていたことがある。
3列目シートもけっこう使える広さがあり、なおかつその3列目は2列目シートの下に収納できた。これは全長4100mmクラスのミニバンとしては出色のパッケージングだった。
スタイルもあまり飽きの来ない癒し系。乗り味もふんわりと実に優しく、母の胎内にいるような安らぎを感じた。
初代シエンタは、ママみたいな存在だったがゆえに、古くなっても見捨てられず、変わらず愛されたのでしょう。
2011年5月に復活した際、角目のDICEを設定した(右)
ハリアー/2012年9月販売終了→2013年12月国内専売モデルとして復活
★約1年ぶりにカムバック
2013年12月に国内専売モデルとして復活した3代目ハリアー
2012年9月に販売が終了した2代目ハリアー
クロスオーバーSUVの草分けとして1997年12月に登場したハリアーは、2003年2月に2代目へのバトンタッチ後もグローバルで大いにヒットしていたが、2009年1月、ハリアーのレクサスブランド版である「RX」が登場。ハリアーはモデルチェンジしてもらえないまま、約3年間販売が継続された。
2012年9月にはいよいよ販売が終了したが、ユーザーや販売店からの強い要望により、約1年間の空白の後、4代目RAV4(日本未発売)をベースに、ゴージャス感を強調した国内専用SUVとして復活。3代目の登場となった。しかもこれがまたヒットとなったのだから実にしぶとい。
ハリアーが復活できたのは、やはり初代、2代目がヒットして、多くのファンを開拓していたことが大きい。彼らにとってはレクサスRXではなく、ハリアーでなくてはダメだった。
その背景には、ハリアーに比べてレクサスRXは価格が高すぎるということと、トヨタディーラーの顧客管理の強さがある。
ハリアーのファンは、従来通りのトヨタディーラーの担当者(異動はほとんどない)から、そこそこの価格でゴージャスかつ都会的なSUVを買いたかったのである。
RAV4/2016年8月販売終了→2019年4月発売
★約2年8ヵ月ぶりにカムバック
2019年4月にカムバックして大ヒットを続けている5代目RAV4
2016年8月に販売終了した3代目RAV4
1994年5月に登場した初代RAV4は、5ナンバーサイズの小型SUVで、愛らしいデザインがウケて日本でもヒットしたが、その後代を重ねるごとにボディサイズが大きくなり、国内販売台数は減り続けていた。
4代目にいたって、ついに事実上の姉妹車であるハリアーが発売されたこともあり、国内導入見送り。2016年8月にいったん消滅となった。
4代目の全幅は1845mmに達していたし、当時の日本はSUVブームと言えるほどではなく、販売が見込めないと判断されたのだ。
ところがその後、SUVブームが日本にも波及。海外ほどではないにせよ、かなりの台数が売れるようになった。
国産SUVの大型化も進み、ハリアーはもちろんのこと、全幅1820mmのエクストレイル、1840mmのCX-5が、特段の抵抗なく売れていた。
こういう状況になれば、RAV4も売れる可能性がある。そう判断したトヨタは、5代目の登場とともに国内でもRAV4を2019年4月に復活させた。
ただし月間販売目標台数は3000台/月と控え目。実際にはその約2倍も売れているから、復活は大成功だった。
RAV4が復活できたのは、日本でも徐々にSUVブームが盛り上がってきたことと、日本人の全幅に関するこだわりが薄れてきたこと。
そして新型のデザインが日本人が好む直線基調になり、顔つきもランクル的ないかついものに変わって、「これなら日本でも売れるかも」となったからだろう。
加えて日本では、ジムニーの大ヒットを見てもわかるように、本物志向の高まりもあった。RAV4は4WD機構がより本物志向になっていたので、その点でもアピールできると考えたのかもしれない。
スープラ/2002年8月販売終了→2019年5月発売
★約17年ぶりにカムバック
2019年5月に復活した現行スープラ。3L、直6ターボのRZの人気は凄まじく完売状態で現在は買うことができない
2002年8月に生産が終了したA80型スープラ。現在でも高値でなかなか手が出ない
スープラは1993年から2002年まで生産された4代目を最後に消滅していた。世界的なスポーツカー需要の縮小によって、ブランド力の弱い中途半端な存在だったスープラが生き残る余地はなくなりつつあったのだ。
末期になり、映画『ワイルドスピード』の大ヒットでスープラブームが起きたのは想定外だったが、それとて一部カルトマニアによる絶版車ブームに過ぎなかったとも言える。
そのスープラが17年ぶりに復活できたのは、第一に豊田章男社長のスポーツカーに対する情熱が挙げられる。文化としてスポーツカーを残さなくてはいけないという氏の哲学が、スープラ復活の第一の要因だ。
ビジネス的には、BMWと協業することでコストを圧縮、同時に従来モデルより上級移行させた。スポーツカー人気は中高年富裕層が中心であり、プレミアム感が重要なのだ。
生産台数を絞ったおかげで飢餓感が高まって、感覚的な人気を高めることにも成功した。これまたプレミアムスポーツカーの常套手段である。国内の月販目標台数は220台と非常に少ない。3Lターボを積むRZは相変わらず納車待ち1年に近い状況が続いていて、買いたくても買えない。
結局、昨年の国内販売台数は880台に終わった。今年に入ってようやく供給体制が整ったのか、1月は400台が登録されている。
ダイハツロッキー/1997年4月販売終了→2019年11月発売
※約22年ぶりにカムバック
2019年11月に復活したロッキー。5ナンバーサイズのクロスオーバーSUVのロッキー。トヨタへのOEM車ライズは、2020年1月の新車販売台数NO.1に輝いている
1997年4月に販売終了となった初代ロッキー
ロッキーが復活できたのは、たまたまに近い。初代ロッキーはラダーフレームを持つ本格派のクロカンSUVで、1990年6月に発売され、国内では1997年4月まで販売された。その後も海外では2002年まで売られたが、ほとんど忘れられた存在になっていた。
それが復活したのは、ダイハツによれば、「ロッキーという名称から想像される力強さが、新型にもマッチしたから」に過ぎず、初代ロッキーの後継モデルではないという。
まあ、せっかく商品名の権利を持っているので、それを活用しようということだったのでしょう。
ダイハツタフト/1984年4月販売終了(後継車種はラガー)→2020年夏頃復活予定
★約36年ぶりにカムバック予定
2020年夏頃に復活予定のタフト。スズキハスラーのような軽クロスオーバーになる
1984年4月に生産終了となった初代タフト。ラダーフレーム構造のボディに四輪リーフリジッドサスペンション、トランスミッションは副変速機付の4速MTという悪路走破性を重視した本格的なものだった
最後にもう1台、ダイハツタフトと聞いてもおそらく知っている人は少ないだろう。初代タフトが登場したのは1974年8月のこと。
当時の軽企画より若干小さい全長3320~3485×全幅1460×全高1855~1870mm、ホイールベースは2025mmというサイズに、ラダーフレームと4輪リーフジットアクスルのサスペンションを備えたクロカン四駆の本格派だった。
エンジンは当初1Lのガソリンエンジンだけだったが、後に2.5Lディーゼルが搭載され、トヨタとの業務提携後からはトヨタ製1.6Lガソリンエンジンを追加し、最終モデルにはディーゼルエンジンは2.8Lまで拡大された。
このタフトがロッキーに続いて、実に約34年ぶり、2020年夏頃にカムバックするのだから、おもしろい。
このタフトの場合は、初代が本格派のクロカン四駆で、復活するタフトはうって変わって、ハスラーのような軽クロスオーバーに形を変えている。いずれにしてもこの新型タフトがヒットするのは間違いないだろう。
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