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ブリヂストン 新商品レグノ「GR-X1」、「GRV II」 試乗レポート 全性能の進化を実感

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ブリヂストン 新商品レグノ「GR-X1」、「GRV II」 試乗レポート 全性能の進化を実感

ブリヂストンは2015年1月8日に新商品のレグノ・シリーズを発表し、セダン、コンパクトカーをカバーするGR-X1が2月20日から発売されている。ミニバン向けのGRV IIは4月1日からの発売だが、一足先にこれらの新商品の試乗会が行なわれた。

新商品のレグノ・シリーズの特長や採用技術はこちらの記事を参照。レグノはもともとは上級セダン用にターゲットを合わせたプレミアム・ラグジュアリーブランドで1981年に発売され、静粛性、快適な乗り心地を狙ったラグジュアリー系のタイヤというイメージが強い。

しかし、2006年にはミニバン用のGRVを追加設定するなど時代の潮流に適合させてきているが、今回発表、発売された12世代目となるGR-X1は、大型セダンからコンパクトカーまでをカバーするに至った。これは日本のクルマの市場動向がコンパクトカー中心にシフトしている状況に適合させたもので、レグノでは初めてコンパクトカーも開発車両として設定されている。

GR-X1はこれまでのレグノ特長である、静粛性や快適性をさらに向上させるとともに、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、燃費性能、耐磨耗性能など、全方位の性能を高め、より性能のバランスの取れたタイヤになっているという。

一方、ミニバン用のレグノGRV IIも大幅に性能を進化させた、より上質なミニバン専用プレミアムタイヤとして熟成を図っている。

なお、レグノはブリヂストンのプレミアム・ブランドであり、開発から製造まで特別な位置付けがされており、製造もBIRDと呼ばれる材料から成型、仕上げまで全自動工程を採用し、タイヤの真円度も他のタイヤ以上に高められているのだ。また使用されている材料もより高級なもので、プレミアム・タイヤならではのこだわりがこめられており、タイヤはどれも同じように見えやすいが、こういう点にも注目したい。

今回の試乗は、コントロールタイヤ(比較するタイヤ)との乗り比べと、新商品のレグノでの公道試乗という二段構えで行なわれた。

比較試乗での使用車両は、フィット・ハイブリッドとクラウン・ハイブリッド。フィットはレグノGR-X1とNEXTRYの比較で、サイズは185/60R15。クラウンは従来品のレグノGR-XTと新商品のGR-X1との比較となり、サイズは215/55R17。

テストコースは、路面の突起乗り越え、低速と中速のスラロームといったメニューが設定されていた。まず、フィットは比較対象がベーシックタイヤのNEXTRYということもあり、NEXTRYは明らかに突起の乗り越えでのショックの入力がダイレクトで、その一方でグリップ感も低めだ。これに対してGR-X1はショックの入力がマイルドで、スラローム走行時のステアリングの手応え、グリップ感は2ランク以上上回っており、特に中速スラロームでは舵角がより少なくてスムーズに旋回できると感じた。

クラウンの場合は新旧のレグノ同士の比較だったが、やはり突起の乗り越えではGT-X1の方が一枚上だ。またスラロームでのステアリングの手応え、グリップ感もやはり新型のほうがしっかりしており、確実にGR-X1は進化していることが感じられた。

公道での試乗は、西湘バイパス、厚木小田原道路の周回コースで行なわれた。試乗車は、クラウン・ハイブリッド、メルセデス・ベンツE300、アルファード・ハイブリッドの3台だった。クラウン・ハイブリッドとEクラスにはレグノGR-X1、アルファード・ハイブリッドにはミニバン用のGRV IIが装着されている。

試乗コースとなった西湘バイパスは、かつては路面の継ぎ目の入力の大きさは近郊で有数の存在だったが、現在は大幅に改修を実施。スムーズな路面になってはいるものの、それでも路面のジョイントはけっこうある。また厚木小田原道路は、舗装路面が古くなっており、部分補修が繰り返されてるので、舗装の違い、うねりなどが続く道路だ。

このコースでは、タイヤの静粛性、特に舗装の種類が変わる時のタイヤノイズの変化、突起乗り越し時のショックの伝わり方、そしてステアリングの落ち着きや直進安定感が試される。

クラウン・ハイブリッド、メルセデス・ベンツEクラスはもともと静粛性の高いクルマだが、特に荒い舗装路面で発生しやすいゴーッというノイズや、シャーッと言う高めのノイズ。この大きさとスムーズな路面とノイズの発生時の差が小さいことが静粛性の良さといえるが、もともと開発車であるクラウンやEクラスとのマッチングは最も優れており、直進安定感とステアリング切り始めの穏やかなフィーリングは上質さが感じられた。

アルファード・ハイブリッドはミニバン用のGRV IIを装着しており、こちらは静粛性や乗り心地の良さだけでなく、全高の高いミニバンのふらつきを抑えるようなタイヤ構造を採用している。そのため、実際に走ってみると、室内の静かさに加え、走行中のどっしりとした安定感、落ち着きが印象的だった。

新しいレグノは、コンパクトカーも開発ターゲットとし、ミニバンも含めた全カテゴリーに対象を拡大した。ブリヂストンにとってはスポーツ性をフォーカスしたポテンザと、ラグジュアリー性能を重視したレグノはプレミアムブランドの2本柱という位置付けだ。今回のニューモデルは、対象車種を拡大したこともあり、ラグジュアリー一本槍ではなく全方位での性能を高め、トータルバランスに優れたプレミアム・タイヤと進化したといってよいだろう。

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