基本はハイビーム。ロービームで照らせるのは40m先まで
ヘッドライトを点灯するとき、ほとんどのドライバーはロービームが基本で、ハイビームはめったに使わないと思っているかもしれませんが、実は、ヘッドライトの基本はハイビームです。
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たとえば、免許更新の講習で用いる交通教本には、ロービームの照射距離が約40mなのに対して、ハイビームは約100mと倍以上先まで照らせると書いてあります。つまり街灯や対向車などがなければ、ロービームでは40m先の状況までしか把握できないことになります。
ロービームで安全に走れるのは、夜は40km/hまで
一方で、一般的な乗用車における停止距離(空走距離と制動距離の合計)は20km/hで約9m、40km/hで約22m、60km/hでは約44mとされます。
これをロービームの照射距離(=約40m)に当てはめると、60km/hで走行中に危険などを察知して、その瞬間にフルブレーキをかけたとしても、44m進んでしまうわけですから衝突は避けられないということになります。60km/h以上で走行する場合にはハイビームが必須なのです。
逆にいえば、ロービームで安全に走れる速度は安全マージンを見て40km/h以下になるといえるのです。夜間、ロービームしか使っていないというのであれば、それ以上の速度を出すことは、衝突回避の点からすると非常に危険といえます。
60km/h前後で走る場合や雪や雨の時は積極的にハイビームに!
市街地で60km/h前後で走る場合、周囲にクルマがいないのであればハイビームにしておくべきなのです。実際、いつもならロービームで走行するような住宅街でも、ハイビームに切り替えてみると、ふだん見えていない範囲まで照らしていることに気が付くでしょう。もし障害物があったり、まして人が寝ていたりしたら…。ハイビームの積極活用は万が一の危機を避けることにつながります。
まして、上記の停止距離は舗装路での数値なので、雨が降っていたり、雪が積もっていたりするともっと伸びてしまいます。状況によっては、低速走行中でもハイビームにして前方の様子を把握しておきたいシチュエーションもあり得ます。
オートハイビームやアダプティブヘッドライトを使おう
とはいえ、速度や周囲の状況に応じてハイビームとロービームを適切に切り替えるというのはスキルも必要ですし、手間に感じるのも事実。そこでオススメしたいのがオートハイビームの活用です。
最近の新車であれば、軽商用車でも標準化が進んでいるオートハイビームは、必要に応じて車両側がハイビームとロービームを自動で切り替えてくれるというもの。
さらに進化したタイプとしてアダプティブヘッドライトと呼ばれるタイプは、照射範囲を分割して、対向車や歩行者を避けながら、可能な限り広い範囲を照らすようになっています。
いずれにしてもユーザーがオートハイビームをオンにしておかないと、せっかくの機能が活きてきません。自動でハイビームにするシチュエーションなんてほとんどないだろうと考えて、オートハイビームをオフにしているかもしれませんが、それでは本来ならハイビームにすべき時を見逃している可能性があります。
ドライバーは意外なほど“見えていない”。歩行者の自衛手段にも注目
そして、あらためてロービームで安全に止まれる速度は40km/hが目安ということも心に刻んで欲しいと思います。
ロービームが40m程度の照射距離しかないということは、歩行者からはクルマの存在がわかっても、ドライバーが歩行者を認識するのは40mより近づいてからと、かなり距離が迫ってからとなります。歩行者は交通弱者なので守られるべき立場とはいえ、明るい色の衣服を身に着けることは自衛手段として有効です。冬季はどうしても黒っぽい衣服を選ぶことが多いものですが、そのあたりも気を付けてコーディネートするといいでしょう。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
よけい見えないよ。
この件で怪我をしたら法律無視で何がなんでもハイビームを啓蒙した責任で山本様に請求すればいいですか?