クルーザーのインテリアを製作したベントレー
ベントレーがセーリングクルーザーの内装を手がけることとなった。これまでも顧客の要望でコンテストヨット社とコラボした「コンテスト59CS」の製作を行った経緯がある。今回の違いはオプションとして顧客にベントレーのデザインしたインテリアを提供できるようになったことだ。ベントレーのインテリアを見てみよう。
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ヨットとのコラボレーション
高級自動車メーカーがボートやヨットを製作したり、コラボレーションすることが多くなった。アストンマーティンは2016年にデイクルーザー、「アストンマーティンAM37」というパワーボートを発表している。レクサスも「LY65」というラグジュアリーヨットを2019年に発表したのは記憶に新しい。日本でもボートショーの会場に高級自動車が展示されているところをみると、高級車とヨット・ボートとの親和性が高いことがわかる。
今回ベントレーはオランダのヨットメーカー「コンテストヨット社」と組んでインテリアの製作を行った。 コンテストヨット社は1959年に創業。沿岸、オフショア、ブルーウォーターの探検が可能な、特注のセミカスタムラグジュアリーセーリングクルーザーを建造し、高い評価を得ているオランダのビルダーだ。
以前、顧客の要望で「コンテスト59CS」のインテリアをベントレーが手がけるといったコラボレーションも実施したことがある。今回はベントレーをフィーチャーした専用ラインナップをポートフォリオに追加したということで、前回よりも一歩進んだコラボレーションが実現したと言える。
ベントレーデザイン
新型コンテスト67CSのインテリアはベントレーデザインチームが担当した。普段は「コンチネンタルGT」や「ベンテイガ」のデザインを手がけているチームだ。
ベントレーはコンテストのデザインチームと密接に協力し、クラフツマンの創造性の限界を押し広げるエキサイティングな挑戦として、3Dプリンティングなどのプロトタイピング手法を活用。個々のコンポーネントの製造の可能性を高めるとともに、ソファを含むいくつかのアイテムの完全なモックアップを製作し、厳密な仕上げと厳しい品質基準を確実に満たすことができるようにした。
また、ベントレーのアイコンであるダイヤモンドキルティングの皮革は、ティッシュボックスやドリンクコースターなどのディテールを顧客の好みに合わせて一から作成し、船内のインテリアは全体にブックマッチングされている。ベントレーのステアリングホイールの製作に使用される手縫いのクロスステッチなどの特殊技術も随所に取り入れられている。
ベントレー車のジオメトリーへのオマージュであるマルバーン(Malvern)チェアをはじめ、ベントレーのホームファーニチャーとして発表されている商品もこのヨットのインテリアに採用されている。さらに、特注のバーや洗面台など、新型コンテストのために特別にデザインされたという。
ベントレーのクラフツマンシップが存分に発揮された
コンテストヨットのキャプテンチェアと「卵型(Egg)」テーブルも、ベントレーがワンオフで製作したもので、ベントレーのエンジニアリング施設で手作業で作られたソファは、ベントレー流の縫製技術で精密に仕上げられた。
ベントレーモーターズのエンジニアリング担当取締役であるDr.マティアス・ラーベ氏は、
「ヨットのインテリアは、自動車のインテリアと同様、細部に至るまで精密でなければなりません。私たちのデザインチームにとって、その技術をインテリアに適応させることは厳しい挑戦でしたが、私たちの自動車用インテリアを水上用に完全にオーダーメイドで提供することができました。この完成品は、チャレンジに立ち向かい、可能性の限界を押し広げたクラフツマンたちの素晴らしい才能とスキルの証です」
と述べている。
ベントレーのデザイン、クラフツマンの技術などの無形の財産が他の業界で受け入れられることは新たなビジネスの拡大につながるかもしれない。
AMWノミカタ ベントレーはこれまでも志を同じくするブランドとのコラボレーションを行ってきた。今回のコンテストとのコラボもラグジュアリーなパフォーマンスとライフスタイルにおいて共通の価値観と伝統を持ったブランドだからできた技だろう。このようなコラボレーションを通じてベントレーのクラフツマンシップが認識、評価されることはきっと富裕層の中でのブランド価値を上げる大きな役割を果たすのであろう。
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