広い室内空間と、都会的で上質な内外装デザイン、レジャーから街乗りまで幅広く対応する、トヨタ「カローラクロス」。いまこのカローラクロスが大人気だという。
ただ、一昨年から続くコロナ禍等による影響で、現時点(1月初旬)では新規受付停止という状況であり、いまは、欲しくても注文すらできない状況。「手に入らない」となると、どうしても欲しくなるのか、すぐに手に入るカローラクロスの中古車を求める方が増えており、この影響で、走行距離の少ないカローラクロスの中古車の相場が、同車の新車価格を上回るという異様な人気ぶりとなっている。カローラクロスの何がこれほど惹きつけるのだろうか。
いま最も品薄のSUV!! カローラクロスの何がそんなに人を惹きつけるのか?
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、SUBARU、DAIHATSU、SUZUKI
カローラ登録台数の半数以上がカローラクロス
カローラシリーズの直近4年の年間登録台数は、2019年が第4位(104,406台)、2020年は第3位(118,274台)、2021年は第2位(110,865台)。2022年も第2位(120,346台)←※1/10に確定 という状況。この登録台数は、ご承知のように、カローラ(セダン)、カローラスポーツ(ハッチバック)、カローラツーリング(ワゴン)、カローラクロス(SUV)の4車種に加え、継続販売されているカローラアクシオ(セダン)、カローラフィールダー(ワゴン)という6車種の合算値だ。単独モデルで戦っている他車種から見ると、ある意味「ズルい」ともいえるが、コロナ禍が直撃した2020年以降もカローラは販売台数が大きく崩れることがなく、毎年10万台以上が売れ続けていることは、やはり凄いことだ。
カローラクロスデビュー当時のトヨタの月間販売計画では、カローラ(セダン)が1700台、カローラツーリングが5400台、カローラスポーツが2300台、カローラクロスは4,400台という割合であったが、直近のディーラー情報だと、カローラの登録台数の約半数がカローラクロスだそうで、カローラクロスのなかでも、ハイブリッド(しかも最上級Zグレードの2WD仕様)が8割以上だという。「カローラクロスは価格の安さが魅力」と常々主張してきた筆者としては、安いガソリン車や、お買い得なミドルグレードのほうが好まれると予想していたが、意外な結果であった。
トヨタの自動車流通に詳しい某ディーラー担当者によると、カローラクロスハイブリッドの最上級「Zグレード」の2WDが一番人気だという
ハイブリッドかつ、ひと通りのオプション装備がついて299万円
サイズ的にはC-HRとRAV4のちょうど間に位置する、カローラクロス。カローラツーリングと、全長とホイールベースが一緒で、全幅が80mm広く、背は160mm高い。ちなみに、最小回転半径は5.2mと、コンパクトなはずのヤリスクロス(5.3m)よりも小回りが効く。
インパネデザインは、ほぼカローラツーリングと同じだ。ダッシュボード全体が水平基調で構成されており、(ディスプレイオーディオの出っ張りを除けば)高さも低く、Aピラーもスリム化されていることで、前方視界が非常に良い。またボディサイドのガラス面積がとても広く、車室内は非常に明るい。電動ロールシェードが備わる大開口パノラマルーフも、室内の明るさに貢献している(このパノラマルーフはメーカーオプションだが、下取り査定で高評価となるアイテムの一つなので購入される方は必ずつけることをお薦めする)。
パワートレインは、1.8L 直4エンジン+モーターのハイブリッド(リダクション機構付きTHS II)と、1.8L直4ダイナミックフォースエンジンの2本立てだ。燃費は、ハイブリッドで26.2km/L(WLTCモード、ミドルクラスSUVの中でトップベンチ)、このハイブリッドの価格は、259万円(HYBRID G 2WD)~299万円(HYBRID Z 2WD)だ。
最上級グレードのHYBRID Zであれば、18インチアルミホイールやBi Beam LEDヘッドランプ、LEDテールランプ、電動パワー式の本革ファブリックのコンビシート、シートヒーター、ハンズフリーパワーゲートなど、ひと通りのオプションアイテムが標準搭載。もちろん、諸費用を加味したり、9インチディスプレイオーディオ(+28,600円)をつけたり、ボディカラーを人気色のパール系(+33,000円)にするとすぐに超えるが、多くの人にとって、購入時のひとつの目安であろう「総額300万円」のうちで収まってしまう(だから、このHYBRID Zが人気なのだろう)。
仮に、他メーカーのライバル車、例えば、日産のキックスやエクストレイル、ホンダのヴェゼルやZR-V、マツダCX-5、スバルフォレスターなどで、カローラクロスハイブリッドと同様のアイテムを装備すると、あっという間に300万円を超えてしまうのは間違いない。カローラクロスは走行性能も燃費も一級品であり、万人受けするデザインさえ気に入れば、もっともお薦めできるモデルなのだ。
一番人気の「HYBRID Z」の内装。電動パワー式の本革ファブリックのコンビシート、シートヒーター、ハンズフリーパワーゲートなどが標準搭載となる
今後、このカローラクロスの脅威となるのは「新型C-HR」か!??
カローラクロスが躍進するその陰で、影響を受けていたのが身内のC-HRだろう。C-HRの2022年登録台数は、毎月1000台を下回るところにまで下落している。C-HRは、2016年12月登場とすでに6年目に突入しており、見慣れたデザインとなってしまっている現行C-HRでは太刀打ちできないのだろう。
そんなC-HRだが、2022年12月5日に、欧州トヨタが、次期C-HRのコンセプトモデル「C-HRプロローグ」を公開している。2ドアクーペSUV風のボディデザインだが、現行C-HRと同様、後席ドアアウターハンドルをブラックアウトして隠すデザインを踏襲していると思われる。登場は2023年春頃と予測されており、当然、日本仕様も用意される見込みだ。
(新型C-HR、大いに期待したいし、2023年度中の発売が見込まれるが、一部販売店では「KINTO専用もしくは日本発売は見送られる可能性も…」という情報が流れている。マジですか。現在情報を精査中です)
カローラクロスと現行C-HRは、同世代のTNGA (GA-C)プラットフォームだ。走りに特化したC-HRと、使い勝手に特化したカローラクロス、キャラ分けは明確にできるが、購入層としては大いに迷うところであり、新型C-HRが登場することで、この2台のトヨタ車がミドルクラスSUV界隈を牛耳る可能性もある。はたして、他メーカーはこの最強ミドルクラスSUVたちから、どのようにして顧客を自社モデルへと振り向かせるか!?? 2023年もミドルクラスSUV市場からは目が離せない。
2022年12月5日に欧州トヨタが公開した、次期C-HRのコンセプトモデル「C-HRプロローグ」。登場は2023年春頃と予測される
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みんなのコメント
質感は価格なりとはいえ、ボディがデカい分だけヤリクロよりお買い得感がある。
安価だからでは