■赤や黄色の丸印は重要?
新品のタイヤをみると、その側面には、よく赤や黄色の1.5センチほどの丸印がつけられています。
この印は、何のためにつけられているのでしょうか。
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赤色と黄色、どちらの印もタイヤをホイールと組み合わせるときの「目印」として使われるものです。
赤い印は、「ユニフォミティマーク」といい、タイヤを回転させたときに最も出っ張る部分や、あるいは、ゴムが最も硬い部分につけられます。ユニフォミティ(uniformity)とは均一性という意味です。
じつは、まん丸に見えるタイヤも、ゴムのほかさまざまな素材を混ぜ合わせて製造するため、できあがりは完全な真円ではありません。
そこで、検品に合格したタイヤのひとつ一つにユニフォミティマークをつけて、「いびつ」な部分を示しているのです。
ユニフォミティマークについて、横浜ゴムの広報部の担当者は「これらは製造工場にて真円性のテストを行い、基準をクリアしたものにマークをしています」と話します。
タイヤと同じようにホイールも真円ではありませんが、タイヤを組むときには、この最も出っ張っているユニフォミティマークの部分と、新品ホイールの最も凹んでいる部分を合致させることで全体を真円に近づけることができます。
これに対し、タイヤの最も軽い部分につけられるのが、「軽点マーク」という黄色の印です。黄色のほかに白い印がつけられることもあります。
タイヤを組む上では、走行時に振動を起こさないように、全体的に同じ重さにする必要もあります。
そこで、軽点マークの部分を、ホイールで最も重いエアバルブの位置に合わせることで重量のバランスをとることができます。
このように、ユニフォミティマークや軽点マークは個々のタイヤの特性を示しています。
しかし、一方で、全ての新品タイヤにつけられているものでもありません。
マークについて、前出の担当者は次のように語ります。
「マークの色や有無はあくまで当社における基準となりますので、全社共通のものではございません」
なかには、新品タイヤにユニフォミティマークや軽点マークをつけないメーカーもあるようです。
■マークは消えても大丈夫?
一方で、ユニフォミティマークも軽点マークも、走行しているうちに薄れていきます。
しかし、どちらも新品を組み込むときに使うものなので、なくなっても問題はありません。
たとえば、ホイールは、段差や路面の凹凸で衝撃を受けると変形し、最も凹んでいる位置が変わっていきます。
タイヤについては摩耗が進むので、軽点の位置が新品時から変わってきます。
次に組み替えるときにはタイヤの「いびつさ」が変化しているため、新品時の印はユーザーにとってはあまり役に立ちません。
また、こうした印が消える時期について、前出の担当者は次のように話します。
「使用状況によって変化いたしますが徐々に薄れていきます。
したがってどのくらいという具体的な期間などは、状況によって変化いたします」
タイヤの赤色や黄色の点はタイヤメーカー基準をクリアしたものの証として使用されますが、タイヤの側面には、ほかにもそのタイヤについてたくさんの情報が示されています。
例えば、4桁の数字が刻印されていますが、これはタイヤの製造時期を表します。
初めの2桁はその時の何週目に製造されたかを示し、残りの2桁は製造西暦の2桁です。
数字が「1324」であれば、2024年の第13週目に製造されたということがわかります。
製造時期は、タイヤの交換時期を見分けるときに役立ちます。中古車を買うときであれば、いつから装着されたタイヤかを判断できるかもしれません。
タイヤのマークには他にも、「☆」や「MO」といった記号が刻印されているタイヤもあります。
この記号は、自動車メーカーとタイヤメーカーが共同で開発し、自動車メーカー承認したタイヤであるという意味です。こうしたタイヤは主に外国車に装着されています。
具体的には、「☆」はBMWとMINIの承認マークであり、メルセデス・ベンツは「MO」を使用しています。
さらにたとえば、ポルシェは「N」、ボルボは「VOL」、ジャガーは「J」、フェラーリは「F」などです。
1社で複数の承認マークを持つケースもあり、アウディでは「AO」のほか、スポーツタイプ用に「RO」のマークも使っています。
そのほか、メーカー名やブランド名、タイヤサイズ、回転方向などもタイヤ側面に刻印されています。
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