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ラインナップ現役17年目の工業製品 日産GT-RプレミアムエディションTスペック 2024年モデル

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ラインナップ現役17年目の工業製品 日産GT-RプレミアムエディションTスペック 2024年モデル

すっきりとして静か、17年目のGT-R

今年でデビュー以来17年目。その間ずっと磨かれ続け、ステアリングを握るたびにワクワクさせられる。海外ではゴジラ、とか呼ばれているらしい日本が生んだ怪獣、GT-Rである。

【画像】日産GT-R プレミアムエディションTスペックとGT-Rの写真をみる 全25枚

少し前に車外騒音対策を解決できないので命脈が尽きる? という噂もあったがちゃんとMY2024が登場したのである。メデタシ。

MY2024は顔の作りですぐにそれとわかる。これまではヘッドランプと同じラインからバンパー下までが一つの大きなグリルのようになっていたが、今回はグリルが上下にちゃんと分割され、いくぶんインテリに見える。

もちろんリアバンパー形状も新しくなっており、こちらは角っこにビシッと縦のラインが入ってワイド感を増し、なおかつ空気の巻き込みを減少させる役割を担っている。リアスポイラーも新型で、存在感はあるが目立ち過ぎない、ちょうどいい塩梅に見える。

だがそんな形状変更以上にオジサンを熱くさせるのは、ミレニアムジェイドと呼ばれるスモーキーな緑の特別色だろう。R34GT-Rの最後に登場した伝説的な限定モデル「ニュル」がそのモチーフなのだろう。インテリアはさらに濃い緑色の革内装で、表革とスエード調のコンビが1896万700円という車両価格に説得力を与えている。

さっそく走りだすと、大きくてパワフルなゴジラというより、猛禽類の引き締まった鋭さを感じた。クルマ自体もすっきりとした印象だが、それ以上に静かに走るのである。

いい歳のとり方をしたアラフィフの立ち姿

実車を前にして肝心かなめの事実を忘れていたのだが、MY2024登場のキーとなったのは騒音規制をクリアできたからに他ならない。

新たに装着されたマフラーはエンジン回転の高まりをリニアに伝えてくれるが、ボリュームはかなり抑えられている。しかもシフトダウン時のバブリング音は明らかに電子的に仕組まれたものとわかる。

だがこれまでだって排気音がGT-Rの本懐だったことはない。国産車最強レベルの570psという最高出力、AWDのトラクションが生み出す万能感、そしてゴジラにも例えられる圧倒的な存在感こそがGT-Rを日本代表たらしめてきたのである。

今回の試乗は、日産の雪上試乗会のひとコマだった。ところが路上に雪はなく、しかしタイヤはスタッドレスという特殊な条件。開けたワインディングでスロットルを深く踏み込んでみると、瞬時にパワーが立ち上がり、それと同時にリアタイヤが捩れる感じがした。

ブレーキングでもブレンボ製の対向6ポッドキャリパーとカーボンセラミックローターのカッチリ感とは対照的に、制動距離だけが伸びてしまう。当たり前の話だが、サマータイヤと同じ振舞いはできない。コーナーではなるべく横Gをかけないドライブに徹した。

そんなスタッドレスの影響を差し引くと、今回試乗したGT-R Tスペックには、規則正しい生活とジム通いを欠かさないアラフィフのような、いい歳のとり方をしたクルマという印象を抱いた。乗り心地も、NVH(ノイズ/振動/ハーシュネス)関係にもさらなる進化が感じられたのである。

古い新しいを超越したスタンスに感服

R35のGT-Rは最初期のモデルからたびたび試乗してきている。だからということもあるが、ガッシャガッシャと駆動系がバックラッシュし続けるように走るあのGT-Rがよくぞここまで! と思わずにはいられない。

よくレーシングカーは遅くて壊れないクルマを速くするより、速くて壊れやすいクルマを壊れにくくするアプローチの方が勝利への近道と言われる。R35のGT-Rの歴史にもそれに似たアプローチを感じる。

時代に先んじてデュアルクラッチトランスミッションをトランスアクスル配置し、センタートンネル内にプロペラシャフトを2本通すという独創的なレイアウトを最初に完成させていたからこそ、基本構成を変えずリファインのみで生きながらえ、リーマンショックもコロナ禍も乗り越えられたのだろう。

そういう意味では、実は決定的で簡潔なモデルでもあるのだ。

様々なクルマに触れるジャーナリストとしての視点で見れば、MY2024でもなおGT-Rは褒められるところばかりではない。フロアまわりの振動やコクピット内の眺め等々、いたるところに古さが感じられるのである。それでいてオプションを含めた車両価格は2000万円にあと少しで手が届くほど。となれば色々と他の選択が思い浮かんでしまう。

だが実際のGT-Rは、日本のみならず世界中のマニアが飛びつくように指名買いするモデルとしてある。古いとか新しいを超越した価値観がそこにはあるのだ。GT-Rマニアではなかったとしても、その圧倒的な存在感に感服せずにはいられないはずだ。

試乗車のスペック

価格:1896万700円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4710×1895×1370mm
駆動方式:4WD
車両重量:1760kg
パワートレイン:V型6気筒DOHC 3799cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:570ps/6800rpm
最大トルク:65kg-m/3300~5800rpm
ギアボックス:6速オートマティック
タイヤサイズ:255/40ZRF20(フロント)285/35ZRF20(リア)

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みんなのコメント

2件
  • **********
    ミレニアムジェイドのカラーリングが美しいですなぁ。
  • kmq********
    排ガス規制とかも、社内でデータ改ざんすればいいんだもんね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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