メルセデスベンツは9月23日、条件付き自動運転システム「DRIVE PILOT」の最新バージョンをドイツで導入すると発表した。この進化したシステムは、高速道路で最大95km/hまでの速度で前方車両に追従できるようになる。
ドイツ連邦自動車局による再認証は2024年末までに取得される見込みで、2025年初頭から販売が開始される予定だ。DRIVE PILOTの価格は現行と同じで、車両本体プラス5950ユーロ(約96万円、税込)からとなる。既にDRIVE PILOTを搭載している顧客車両は、無償でアップグレードが可能だ。モデルによっては、無線によるOTA(Over-The-Air)アップデートまたはワークショップでの作業で対応できる。車両コンポーネントの変更は不要だ。
この高速化により、DRIVE PILOTは量産車におけるレベル3自動運転システムとして世界最速となる見通し。システムの使用可能範囲が広がることで、顧客にとってより多くのユースケースが提供される。
例えば、高速道路の右車線で、一定の条件下で前方車両に追従しながら使用できるようになる。また、これまで可能だった適切な高速道路での渋滞時や混雑時の使用オプションも引き続き利用可能だ。
条件付き自動運転中は、システムに運転タスクを委ねることができ、顧客は時間をより効率的に使用できる。仕事や、インターネットサーフィン、テレビ視聴、などのサービスを通じて映画のストリーミングなど、特定の活動に従事することができる。
メルセデスベンツは、DRIVE PILOTの冗長システムアーキテクチャを採用している。これにより、ステアリング、ブレーキ、車載電気システムなどの重要なシステムが機能的に冗長化され、万が一これらのシステムの1つが故障した場合でも操縦性が確保される。
開発は急速に進んでおり、将来的にはさらに高速での走行や、より長時間のハンドオーバーが可能になることを目指している。ドイツでは現在、条件付き自動運転の許容最高速度は130km/hだ。メルセデスベンツは、安全性を重視した段階的なアプローチにより、今後10年の終わりまでにこのマイルストーンに到達することを目指している。
研究開発活動では、社会的・倫理的側面も考慮されている。例えば、条件付き自動運転用の特別なターコイズ色のマーカーライトを開発し、DRIVE PILOTの作動状態を示すことができるようになった。ネバダ州とカリフォルニア州ではすでにこの技術が例外的に認められており、テストが進行中だ。
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