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【スーパーカー年代記 034】ポルシェ 959は第2次スーパーカーブームの嚆矢となったハイテク4WDマシン

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【スーパーカー年代記 034】ポルシェ 959は第2次スーパーカーブームの嚆矢となったハイテク4WDマシン

クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第34回は「ポルシェ 959」だ。

ポルシェ 959(1986-1989年)
1982年、FIAはモータースポーツに参戦する競技用車両の規定を改定し、改造度の広いグループBの導入を発表した。そこでポルシェはグループB車両の開発にあたり、前規定のグループ4で当時のWRC(世界ラリー選手権)を席巻していたアウディ クワトロを凌駕するには4WDが必須であると考えた。

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そこで実績のあるタイプ930の911をベースに、トランスミッションからPSK電子制御クラッチを介して前車軸までプロペラシャフトを通し、運転状況に応じて前後のトルク配分を40:60から20:80まで自動調整する可変トルクスプリット式フルタイム4WDシステムを開発した。加えて、ドライバーが室内からソフト/ミディアム/ハードの3段階に調整できるダンパー設定や、119~180mmまでの最低地上高調整機構などを組み合わせて、路面を選ばぬ超絶のロードホールディングを実現した。

1983年のフランクフルト モーターショーでプロトタイプの「グルッペB(ドイツ語のグループB)」が発表され、1986年からポルシェの伝統で開発コードネームのまま「959」の車名で発売された。

911同様、リアオーバーハングに搭載されるエンジンは強制空冷の2.8L フラット6だが、ヘッドは4バルブDOHC化されている。レースなどでの連続高負荷運転に備え、左右の吸気カムシャフトで駆動するウオーターポンプでシリンダーヘッドのみを水冷する、グループCカーの962C譲りの冷却機構を追加したのが特徴だ。これに低速時はシングル、4600rpm以上でツインにシーケンシャル制御される2基のKKK製ターボチャージャーをドッキングして、最高出力450psを叩き出した。

特徴的なロングテール形状のスタイルは300km/hを超す高速度域での安定性を追及して空気抵抗を抑え込んだ結果もたらされたもので、Cd値は0.31を達成。さらにボディはアルミ合金を多用し、フロント部分はガラス繊維で強化したポリウレタンの一体成型。他のパネルにはケブラーやFRPを使うなど、徹底した軽量化が図られ、ベースとなった911と共用のボディパーツはほとんどない。

グループBのホモロゲーション取得のために開発された959は当初200台限定生産の予定だったが、反響が大きく、最終的に292台が生産された。価格は当時のレートで約3600万円だったが、当時バブル景気で盛り上がっていた日本では、1億円以上ものプライスで取り引きされたこともあった。

ポルシェ 959 主要諸元
●全長×全幅×全高:4260×1840×1280mm
●ホイールベース:2270mm
●重量:1450kg
●エンジン種類:水平対向6 DOHCツインターボ
●排気量:2850cc
●最高出力:450ps/6500rpm
●最大トルク:51.0kgm/5500rpm
●駆動方式:リア縦置き4WD
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:前235/45VR17、後255/40VR17

[ アルバム : ポルシェ 959 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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