2021年12月に行なわれた選挙の結果、元ラリードライバーのモハメド・ベン・スレイエムがジャン・トッドの後継者としてFIA会長に選出。ベン・スレイエムは新会長として2022年を過ごした。
そしてベン・スレイエムは、”ルーキーイヤー”は就任直後から課題が山積みだったと振り返っている。
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タイトル争いの結果が物議を醸した2021年のアブダビGPから数日後に着任したベン・スレイエムは、着任早々、法廷係争に直面することとなった。
その裁判は、FIAによるハロ(HALO)の特許侵害の可能性を巡り、システムの発明者であるイェンス・H・S・ナイガードによってアメリカで起こされたモノ。最終的にこの問題は解決に至ったものの、ベン・スレイエムは裁判によって、就任からの数週間で多くの時間を割くこととなった。
「(2021年の)12月17日の夜にみんなでパーティーを行なった。それから18日に事務所に行って、朝10時に法務担当にあったら、ハロに関して大きな裁判があると言われたら、と想像してみてほしい」
そうベン・スレイエムは言う。
「多くは語れないが、良くないモノを感じた。詳しく見てみると、大きな問題だったが、1ヵ月前にはそれを解消できた。だから私はとても嬉しいよ」
「法的かつ経済的にも大きな影響があっただろうから、代表として私の肩には大きな重圧がのしかかっていた。今となってはもう過去のことだし、FIAにハロの特許の帰属が認められたのだから、それは良いことだ」
スレイエムはまた、FIAの慢性的な財政難を解決するために、ここ数ヵ月は厳しい状況にあったと明かした。
「我々の知り得ないところで、財政的な問題があったのだ」とベン・スレイエムは言う。
「コロナ禍以前から赤字があったのだが、それを解消できて良かった」
ベン・スレイエムが会長に就任してから、FIAは初めてCEOを設置。ボルボや日産、ダイムラー・クライスラーで幹部を務めたナタリー・ロビンが採用されることとなったが、この動きは財政赤字解消を目的にしたモノだった。
「118年間、(FIAには)CEOがいなかったんだ。今我々が行なっている課題に対処したいと思っても、私が行って細かいマネジメントを行なうことはできないのだ」
「CEOを置けば、FIAの方針やマネジメント構造、日々の運営、財務について話すことになる」
「知っての通り、そして正直に言うと、我々は財政問題を抱えていた。今年は2,000万ドル(約27億円)以上の赤字だった」
「それでも、ASNやクラブに対するFIAからの助成金や効率的なサポートを止めることなく、今も節約を行なえていることを嬉しく思っている。そして、我々はまだ節約を続けている」
そしてベン・スレイエムは、就任1年目で多くを学び、2年目以降も改善を続けていくと考えている。
「F1だけでなく、FIA全体で何が起こっているのかを学ぶ1年だった」とベン・スレイエムは続ける。
「知っての通り、我々は非常にユニークなスポーツをしている」
「サッカーを扱っている仲間と話す時、私は『あなた方がやっているのは、少し簡単だ』と言う。サッカーにはふたつの側面があるが、ひとつはゴールの大きさで、もうひとつはボールだ」
「しかしこちらでは、たったひとつの小さなカテゴリーが、多くの構成要素を持っていて、常に進化し、多くの要因によって常に変化している。つまり、経済的かつ社会的要素全てが変化している。だからこそのチャレンジなのだ」
「ひとつのレギュレーションだけに対処して、それをそのままにして、それで解決できたとは思えない。ドライバーから学び、チームから学び、我々自身から学ぶのだ。だから進化のプロセスは常にある」
「簡単なことではない。我々にはいくつかの問題があったが、責任のなすりつけ合いはない。適切な人材がいれば、スポーツを改善するプロセスを続けられると感じている」
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