レッドブルのチーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイは、現在F1に残る「計画はない」と明言し、「ちょっとした休憩」を必要としていることを認めた。
5月1日、レッドブルはニューウェイが2025年初頭にチームを去ることを発表した。伝説的なデザイナーであるニューウェイは、チームに19年間所属するなかで、117回の勝利と6回のF1コンストラクターズタイトル獲得を含む実績に多大な貢献をしてきた。ニューウェイはチームを離れるまでレッドブルのハイパーカー『RB17』のプロジェクトに関わり続けるが、F1マシン開発における直接の役割からは離れることになる。
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これにより、ニューウェイが来年の早い時期から別のチームに加わる可能性が開かれ、2026年シーズンに施行される大幅なレギュレーション変更に対応できる見込みがある。フェラーリからの強い関心とアストンマーティンからの巨額のオファーがあるものの、ニューウェイはF1の厳しい要求から離れて休暇を取るのにふさわしい時が来たと感じており、ライバルチームに加わるという具体的な計画は今のところないと強調した。
「F1はすべてを犠牲にするもので、私は長年その仕事に携わってきた」と65歳のエンジニアは『Sky Sports F1』に語った。
「2021年はとても忙しい年になった。チャンピオンシップを通してメルセデスと接戦を繰り広げると同時に、この世代のマシンの父となるRB18に研究開発のすべてを注ぎ込んだためだ」
「なんというか、フォレスト・ガンプが言ったように、『少し疲れた』と感じる時が来た」
ニューウェイは、しばらくの間このスポーツから去ることを考えていたことを認めた。
「冬の間は少しだけだったと思うが、今年になっていろいろな出来事が起きるにつれて、こう思った……。私は生活のために働かなくてもいい、非常に幸運な立場にいる、とね。私が仕事をしているのは楽しんでいるからだ。今は一歩下がって少し休憩し、人生を振り返るよいタイミングだと感じた。妻のマンディ、そして犬たちと、たぶん旅行に行くだろう。キャンピングカーか何かを手に入れ、フランスまで旅をして人生を楽しむだろう」
「そうしてから、いつになるかは分からないが、立ってシャワーを浴びているときに、そうだ、これは次の冒険になる、と言うかもしれない。今のところは、何も予定はない」
ニューウェイの「今年になっていろいろな出来事が起きた」というコメントは、ここ数カ月間にレッドブル・レーシングを揺るがしてきた政治的混乱をほのめかしている。これは、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーに不適切行為の疑いがかかったことと、その後にホーナーとレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが、チーム内で権力闘争を繰り広げたことで生じた状況のことだ。
F1第6戦マイアミGPの金曜日、ホーナーは、ニューウェイがレッドブルを去る決心をしたことは、チーム内の最近の緊張とは“まったく”関係がないと主張したが、ニューウェイのコメントは明らかにその影響があったことをほのめかしている。
ルイス・ハミルトンは木曜日、2025年のフェラーリ移籍を見据えて、エイドリアン・ニューウェイとともに仕事をしたいと表明し、彼を欲しいものリストのトップに挙げた。
「正直なところ、そう言ってくれたルイスはとても親切だし、私は非常に光栄に思う」とニューウェイは反応した。
「しかし、今は少し休憩して、次に何が起こるか見てみる時だ」
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