量産モデルに近いデザインを確認
BMWの次期「3シリーズ」と思われるプロトタイプが欧州で初めて目撃された。テスラ・モデル3や次期メルセデス・ベンツCLAに対抗する革新的なEVで、2026年に発売される見込みだ。
【画像】シルエットはほぼそのまま継承か!【BMWビジョン・ノイエクラッセ・コンセプトを写真で見る】 全11枚
次期3シリーズは、新開発のモジュラー・プラットフォーム「ノイエクラッセ」を採用し、休眠状態にあった「i3」の名称が与えられると予想されている。
このプラットフォームは昨年、ビジョン・ノイエクラッセ・コンセプト(画像)によって予告されたものだ。コンセプトでは、現行ラインナップの外観から大きく進化しながらも、BMWの歴史的モデルを彷彿とさせる新しいデザイン言語を導入している。
今回目撃されたプロトタイプのデザインは、明らかに市販化に向けて若干トーンダウンしているが、特徴的な新しいキドニーグリルは維持されている。このグリルの内部には、次世代の先進運転支援システム(ADAS)に必要なレーダーとカメラを格納している。
非常にスリムだったヘッドライトはオーソドックスな形状のLEDに変更され、フルワイドのロアバンパーの導入により、フロントエンド全体の印象はややソフトになった。
リアのデザインも大きく変化しているようで、分厚いロアスプリッターはより従来型のバンパーとなり、ブレーキライトクラスターもコンセプトと異なる。ただし、この車両はテスト走行用のプロトタイプのため、こうしたデザインは一時的なものである可能性がある。
カモフラージュが施されているため、これ以上の詳細を知ることはできないが、BMWのトレードマークであるホフマイスター・キンクがCピラーの前方にわずかに確認できる。コンセプトの大型パノラミックルーフも継承されているようだ。
今回はキャビンを確認することができなかったが、コンセプトではミニマルでありながらハイテクを駆使したインテリアが採用されている。不規則な形状の中央タッチスクリーン、ステアリングホイールのハプティック(触覚)コントロール、フルワイドのヘッドアップ・ディスプレイが特徴だった。
EVとエンジン搭載車を同時に販売
技術的な仕様もまだ明らかではないが、ノイエクラッセ・プラットフォームには800Vの電気ハードウェアが搭載され、急速充電に対応している。バッテリーのエネルギー密度は現在のものと比べて20%向上するという。
また、エアロダイナミクスをより重視し、効率的なモーターと新しいソフトウェア・スタックを組み合わせることで、航続距離は最大30%向上するとBMWは述べている。
4シリーズ(i4)や5シリーズ(i5)と同様に、次期3シリーズもEVとエンジン搭載車の両方が販売される予定である。
BMWは、エンジン車の販売終了時期を決めていない数少ない主要自動車メーカーの1つだが、現在の計画では2035年以降、英国および欧州ではEVのみを販売しなければならない。
今後の排ガス規制に適合させるべくエンジンの改良にも取り組んでいるが、次期3シリーズがどのような仕様になるかはまだ確定していない。
ノイエクラッセ・コンセプトと今回のプロトタイプはセダンタイプだったが、人気のステーション(ツーリング)も用意されると予想されている。今後登場するEVのメルセデス・ベンツCLAシューティングブレークやアウディA4 eトロン・アバントのライバルになるだろう。
また、高性能モデルのM3も登場する見込みだ。M3のEVモデルでは、4基のモーターへの出力供給をミリ秒単位で調整することができる高度なトルクベクタリング機能を導入し、「クレイジー」でダイナミックな挙動を実現すると言われている。
BMWはまだ次期3シリーズの発表時期を明らかにしていないが、先に投入される新型iX3が2025年の発表予定であることから、その後1年以内と考えられる。
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