現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > メルセデスF1”疑惑”のホイール、メキシコGPのスチュワードは合法と判断。さらなる論争に発展の可能性も?

ここから本文です

メルセデスF1”疑惑”のホイール、メキシコGPのスチュワードは合法と判断。さらなる論争に発展の可能性も?

掲載 更新
メルセデスF1”疑惑”のホイール、メキシコGPのスチュワードは合法と判断。さらなる論争に発展の可能性も?

 論争となっているメルセデスの新型リヤホイール。しかしメキシコGPのスチュワードは、このホイールを使うことについて、メルセデスに対してお墨付きを与えたようだ。

 メルセデスはこの新型のリヤホイールを、ベルギーGPに投入。その後圧倒的な強さを見せ始め、現在ではルイス・ハミルトンがタイトル獲得に王手をかけている。

ハミルトン、アメリカGPの敗因明かす。秘密兵器のホイールも影響

 しかしフェラーリはこのホイールについて疑問視。テクニカルレギュレーションの3条8項「空気力学的影響」に違反しているのではないかと指摘した。

 メルセデスの新型ホイールのスポークには穴と溝がつけられているが、これが「車両の完全な懸架部分に堅牢に固定して取り付けられていなければならない(堅牢に固定とは、 一切の遊びがない状態をいう)」という条文に違反した空力パーツなのではないかと考えられたのだ。

 先週末に行われたアメリカGPに先立ち、FIAはメルセデスのホイールは合法であると判断。しかし、フェラーリの疑問がまだ残っているとメルセデスに報告したため、メルセデスは抗議を受けないための予防措置として、ホイールに対策を施した。

 メルセデスのドライバー曰く、アメリカGPで失速した原因の一因は、このホイールに施した予防措置にあったと指摘している。

 しかしメルセデスはメキシコGPを前に、スチュワードに二つの依頼を提出した。ひとつは規則の解釈とパーツの合法性の確認。もうひとつは、FIAが明確化するために必要とされるすべての変更点の詳細である。

 これについてスチュワードは、テクニカルレギュレーションの”解釈”については拒否。さらに彼らの報告書には「FIAによるパーツの明確化と承認は、具体的にはメルセデスがFIAに提出した部分に限定されている。そして、代替のデザインオプションについては、別に考慮する必要がある」と記載された。

 しかし一方でスチュワードは、FIAの技術部門の判断を支持するも主張。FIAとメルセデス間で交わされた文書の中で説明されている部分については、合法だと見なすと指摘している。

 なおメルセデスはこの新型ホイールの内側にスペーサーを取り付けている。このスペーサーには穴が開けられており、ここを空気が通り抜けるようになっているのだ。これも、フェラーリがその効果を疑問視した部分である。気流が通り抜けるこのシムが回転すれば、空力パーツが”動いている”ということになり、レギュレーション違反なのではないかというのだ。

 しかしスチュワードは、FIAが明確化した通り、このスペーサーが回転するのは、パーツの機能の一部であり、ホイールのスポークが回転するのと同じことであるとみなした。これが、FIAがメルセデスのアプローチを”許容範囲”とした理由のひとつである。

 しかしスチュワードは、このスペーサーが本来の機能を超え、開口部が大きくなって空力効果を有するようになれば、この”許容範囲”とした視点を変更する可能性があると指摘している。

 まずは”合法”との判断が下ったメルセデスの新型ホイール。しかし、スチュワードの決定には抗議することが可能であり、場合によってはさらなる論争となる可能性がある。また、ブラジルやアブダビに向けて、再びこの問題を提起することも可能である。

関連タグ

こんな記事も読まれています

ハイブリッドでクラシックな「アメリカン」 ジープ・グランドチェロキー 4xeへ試乗 悪路性能は圧巻
ハイブリッドでクラシックな「アメリカン」 ジープ・グランドチェロキー 4xeへ試乗 悪路性能は圧巻
AUTOCAR JAPAN
人はなぜ「◯◯界のロールス・ロイス」を目指すのか? 最高であり文化の香り漂うのは「ベル・エポック」という豊かな時代に誕生したから!?
人はなぜ「◯◯界のロールス・ロイス」を目指すのか? 最高であり文化の香り漂うのは「ベル・エポック」という豊かな時代に誕生したから!?
Auto Messe Web
フォード・マスタング躍進。チャズ・モスタート&キャメロン・ウォーターズが今季初勝利/RSC第4戦
フォード・マスタング躍進。チャズ・モスタート&キャメロン・ウォーターズが今季初勝利/RSC第4戦
AUTOSPORT web
2024スーパーGT第3戦鈴鹿のGT300クラス公式予選Q1組分けが発表
2024スーパーGT第3戦鈴鹿のGT300クラス公式予選Q1組分けが発表
AUTOSPORT web
ふたつの心臓を持つ猛牛!ウルスにプラグインHVが登場【ランボルギーニ ウルスSE】
ふたつの心臓を持つ猛牛!ウルスにプラグインHVが登場【ランボルギーニ ウルスSE】
グーネット
5速MTのみ! オープントップの新型「スポーツモデル」発表! レトロデザインに「タテ型マフラー」採用した「小さな高級車」に反響あり
5速MTのみ! オープントップの新型「スポーツモデル」発表! レトロデザインに「タテ型マフラー」採用した「小さな高級車」に反響あり
くるまのニュース
フォード・マスタング 史上初「4ドア仕様」導入か 派生モデル展開を示唆、しかしEV化は否定
フォード・マスタング 史上初「4ドア仕様」導入か 派生モデル展開を示唆、しかしEV化は否定
AUTOCAR JAPAN
アンドレッティ、元FIAチーフテクニカルオフィサーのパット・シモンズを獲得。2026年に向け技術規則の知識が活きるか
アンドレッティ、元FIAチーフテクニカルオフィサーのパット・シモンズを獲得。2026年に向け技術規則の知識が活きるか
AUTOSPORT web
ブガッティの正規アイテムがネットで購入できる! アパレルからビリヤード台まで…実車は果たして購入可能!?
ブガッティの正規アイテムがネットで購入できる! アパレルからビリヤード台まで…実車は果たして購入可能!?
Auto Messe Web
ホンダ新世代燃料電池車「CR-V e:FCEV」間もなくデビュー!
ホンダ新世代燃料電池車「CR-V e:FCEV」間もなくデビュー!
グーネット
【検証】練馬区2歳女児死亡事故はなぜ起きた? ミニバンの窓スイッチ誤操作から子どもの命を守る、チャイルドシートの使用法
【検証】練馬区2歳女児死亡事故はなぜ起きた? ミニバンの窓スイッチ誤操作から子どもの命を守る、チャイルドシートの使用法
AUTOCAR JAPAN
新生『ディスカバリー』にも2025年モデル導入。装備見直しと350PSに向上のディーゼルMHEVへ統一
新生『ディスカバリー』にも2025年モデル導入。装備見直しと350PSに向上のディーゼルMHEVへ統一
AUTOSPORT web
スバル、“集大成”のBRZ CNF Conceptで富士24時間に参戦。各種最適化や新アイテム投入
スバル、“集大成”のBRZ CNF Conceptで富士24時間に参戦。各種最適化や新アイテム投入
AUTOSPORT web
ポルシェ911のレストアで“レストモッド” ブームを牽引する「シンガー」がコーンズと提携|Singer
ポルシェ911のレストアで“レストモッド” ブームを牽引する「シンガー」がコーンズと提携|Singer
OPENERS
新型「“R36”GT-R」まもなく登場か!?  4.1リッターV6搭載で1000馬力発揮!? 旧型デザイン採用の「和製スーパーカー」生産状況を公開
新型「“R36”GT-R」まもなく登場か!? 4.1リッターV6搭載で1000馬力発揮!? 旧型デザイン採用の「和製スーパーカー」生産状況を公開
くるまのニュース
TANABEのカスタムスプリング2製品にレクサス『IS500』用など3車種のラインナップが追加
TANABEのカスタムスプリング2製品にレクサス『IS500』用など3車種のラインナップが追加
レスポンス
新しいジープ アベンジャー4xeが出た!──GQ新着カー
新しいジープ アベンジャー4xeが出た!──GQ新着カー
GQ JAPAN
新型メルセデスAMGピュアスピードが鮮烈デビュー!──GQ新着カー
新型メルセデスAMGピュアスピードが鮮烈デビュー!──GQ新着カー
GQ JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村