5月中に、南ア、南米も
先日、中国におけるビジネスの再開が報じられたフォルクスワーゲン・グループ。来週からヨーロッパでも工場が動き出す。
【画像】新型VWゴルフ 2019年末の稼働ラインの様子【8代目】 全31枚
まず、独フォルクスワーゲンの乗用車部門が、4月20日の週からドイツ・ツヴィッカウ、さらにスロバキア・ブラチスラバでの生産を再開する。
続いて4月27日以降、ドイツ、ポルトガル、スペイン、ロシア、南アフリカ、北米の工場が再び始動。
さらに5月中には、南アフリカ、南米(アルゼンチン、ブラジル、メキシコ)において、VWブランドの工場が再稼働するという。
生産を再開するにあたって同社は、多くの健康保護対策が実施された中国工場での生産立ち上げで得た教訓が参考になったとしている。
中国の33工場のうち32工場はすでに生産を再開しているが、その従業員たちの間で、新型コロナウイルス感染の症例が報告されていないのだ。
「疑問や戸惑いも発生するでしょう」
ヨーロッパの工場再開に向けて、VWブランドのアンドレアス・トストマン生産・物流担当取締役は、次のように従業員の健康が第一であると強調している。
「従業員の健康は最優先事項です。安全な職場と最高レベルの健康保護を、100項目からなる計画で提供しています。私たちの責任を真摯に認識しながら、経済が勢いを取り戻し、再び自動車が工場を離れ、ディーラーや顧客に届くようにしていきます」
生産は、現時点での部品調達の状況、ドイツ/ヨーロッパ各国の政府による要請、各市場の状況に合わせた工場の稼働体制によって再開されていく流れだ。
従業員たちの協議会の代表者、ベルントオスターロー会長は、自分たちの動きが業界の基準になると述べている。
「パンデミックを受けて、私たちはこれまでのプロセスを調整する必要があります。1つは、健康保護に関する新しい合意です。約100項目からなる対策により、フォルクスワーゲンでの感染のリスクを、可能な限り低く抑えています。これは業界の新たな基準にもなるでしょう」
「しかし、私たちは現実的である必要があります。最初は、新しく導入された手順などにより、従業員の間で、疑問や戸惑いも発生するでしょう。これまで、このような条件下で車両を開発、生産、販売したことはありません。そのため、マネージャーには、従業員が新しい手順を完全に理解するよう求めています」
「現在は、質問に答えることに時間をかけるほうが、日々の生産台数よりも重要なのです」
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