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【ヴェルファイア プリウス デイズ】 まさかの下剋上をくらったクルマたちの言い分 10選

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【ヴェルファイア プリウス デイズ】 まさかの下剋上をくらったクルマたちの言い分 10選

 誰しも、ある程度の計算をしながら日々を過ごしている。「●●にはいくら入ってくる」とか「今月はこのぐらい出費しないといけないな」など。

 そしてそれはある意味でクルマも同じ。メーカーは「このくらいは売れてくれるはず」という計算のもと、開発を重ね、磨きをかけて新車を市場へと送り出す。

【アルファード/ヴェルファイアはベンツに勝てるのかッ!?】 国産vs世界 ガチンコ5番勝負 ミニバン編

 ところが、時には思わぬ相手によってその計算を狂わされることもある。いわゆる「下剋上」と呼ばれるのがそれだ。それは長年のライバルが相手だったりもするし、よりにもよって同じ親元(メーカー)からでてきた弟分や別車種だったりもする。

「アイツさえいなければオレはもっと」「アイツのせいで肩身が狭い、辛い、恥ずかしい…」なんて思いは、多くの人に刻まれているはずだろう。

 ということで、今回はそんな、身内やライバルカーからまさかの下剋上を食らってしまったクルマたちの言い分を聞いてみました。

※本稿は2019年5月のものです
構成・文:フォッケウルフ/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年6月10日号

■アルファードに下剋上を食らったトヨタ ヴェルファイアさんの言い分

●トヨタ ヴェルファイア

2015年のモデルチェンジ以降、立場が逆転。1~3月の販売台数では約7000台の差でアルファード勝利

「アル/ヴェル」と呼ばれるオレたち兄弟は、常に切磋琢磨してきた! そして先代モデルでは、後発だったオレが兄貴をリードした! 下克上ってヤツだ。俺は天下を取ったような気分だったぜ!

 ところが現行モデルでは、ド迫力の銀歯をもらった兄貴に、再逆転を食らった。オレもあんな銀歯が欲しいぞ! 銀歯がダメなら牙でもいい。新しい武器をくれ~~!


再逆転を果たしたアルファード。銀歯もどこか誇らしげ

■C-HRに下剋上を食らったトヨタ プリウスさんの言い分

●トヨタ プリウス

マイチェン後は盛り返したが、国内販売一位を争うN-BOXは、まだはるか彼方……

 TNGAを得て、走りのレベルがいままでとは段違いになった僕。なのに、顔が悪いとさんざん悪口を言われて、販売トップの座から転落しちゃった。

 原因は顔だけじゃない、目の上のタンコブのアイツ、C-HRが僕の客を奪ったんだ! それすら「プリウスの顔が悪いからC-HRが売れてる」なんて言われる始末。冗談じゃないヨ!

 ママ~(トヨタ)、僕はまだ顔が悪い? こないだ整形してくれたよね!?


そんなプリウスを尻目に絶好調が続くトヨタ C-HR

■eKクロスに下剋上を食らってる日産 新型デイズさんの言い分

●日産 デイズ

先代型のデイズ&eKシリーズは三菱主導で開発されたが、今年モデルチェンジした新型は日産が開発した

 今回の開発は日産が担当した。つまりオレがご主人様で、三菱のeKはオマケだ。顔を見てもeKクロスは見事なゴリマッチョ顔。どう考えても主役はオレのはずだった。

 ところがどうだ。あのゴリマッチョが話題をひっさらい、オレを押しのけて断然目立ってやがる! ゴリラのほうがチヤホヤされるのは間違ってないか? 端正なオレのほうをもっと振り向けっての!

三菱のeKクロス。CMに出た俳優の顔面偏差値が貢献したのか

■N-BOXに下剋上を食らったホンダ N-ONEさんの言い分

2代目モデルとなったN-BOXの今年3月の販売台数は2万5633台! 対するN-ONEはわずか1641台……

 ホンダNシリーズの正統な後継者は、N360直系デザインを纏うオレだろ!?

 モーターショーでも、そりゃ~注目されたもんさ。ところが、フタを開けたら売れゆきはパッとしなかった。そして、N360とは似ても似つかないN-BOXの野郎に、まるで歯が立たない。

 ヤツは日本一、オレはその10分の1以下。まるでお荷物だ。そのうちS660にも抜かれるのか? そりゃ耐えられない! どうすりゃいいんだ、クソー!

ブチギレのN-ONE尻目にぶっちぎりの首位をひた走るN-BOX

■ノートe-POWERに下剋上を食らったトヨタ アクアさんの言い分

同時期に登場したアクアと現行ノートだが、e-POWERまさに恐るべし!

 正直、まったく眼中になかったんですよ。怖いのはフィットだけ。ノートなんてその他大勢でしかないと思ってました。

 ハイブリッド同士比べても、燃費はこっちが上。大トヨタは販売力も段違いです。負けるはずのない戦いでした。いや、戦いにすらならないはずでした。

 それがまさか……。まさかあんな地味なロートルに負けるなんて! そういう僕も、かなりロートルですけど。

と、ノートe-POWERについて語るアクアさん

「e-POWERなんてただの言葉遊びだろ」という声もあるが、実際にその魅力を販売に結びつけた手腕はお見事

■シエンタに下剋上を食らったポルテ&スペイドさんの言い分

プチバンブームにいまだに乗れないポルテ/スペイド姉妹。今じゃタンクルーミーも登場して尻に火がついている

 ワタクシ、ポルテはトヨタのプチバンの元祖ですの。双子のスペイドとともに、右側はヒンジドア2枚、左側は巨大なスライドドア1枚という、斬新さが自慢ですわ。

 ところが、シエンタさんがフルモデルチェンジを受けると、とんでもないことが起きました。私たち双子が合計で月に1000台も売れないのに、彼はひとりでヘタすりゃ1万台超えですの。

 立つ瀬がありませんわ。シクシク。


ひとりでヘタすりゃ1万台超えのトヨタ シエンタ

■クロスビーに下剋上を食らったスズキ イグニスさんの言い分

イグニスは2016年の登場だが、価格もパワーもクロスビーを下回っている

 オレ、イグニス! 目付きを見ればわかるように、ちょっときかん気のヨーロピアン・コンパクトハッチさ。デザインも走りも、同クラスのヤツらとはレベルが違うっていう自信がある。

 ところが、オレの価値がわかる日本人が少なすぎる! 今年1~3月の販売台数は、たったの1202台ぽっちだ。泣けてくるぜ。

 しかも、オレとプラットフォームを共用する弟分のクロスビーが登場してからは、弟にコテンパンにやられっぱなしだ。ヤツは3月までに兄貴分であるオレの6倍以上、7549台も売れやがった!

 スタイリッシュなオレに対して、アイツはズングリムックリのブサメンだ。弟分だけどあまりにも似てないんで、弟とは思えない気持ちもある。ヤツはオレの弟っていうより、ハスラーの兄貴だもんな! ケッ! オレのエンジンが1.2L NAベースのHVなのに対して、弟は1.0Lターボベースで、馬力でちょっと負けてるのもムカつくぜ!

 オレの人生最大の目の上のたんこぶは、弟のクロスビーだ。一生弟に頭が上がらないかと思うと、グレたくなってくるぜ! ウォー。

ハスラーの成功を受けて2017年末に発売されたスズキ クロスビー

■プリウスに下剋上を食らったホンダ インサイトさんの言い分

常にプリウスの後塵を拝し続けてきたインサイト。新型も登場早々、販売台数が1ケタ違っている

 私はこれまで3代にわたって、まるで形を変えて、プリウスに挑んでまいりました。

 初代はオールアルミボディの2シーター燃費アタッカー、2代目はプリウスもどきのガチンコライバル。そして3代目は、ドーンとサイズも大きくなって、セダンらしいセダンになりました。

 でも、何をやってもプリウスにまるでかないません。もうプリウスとは比較しないでください。私を探さないで……。


プリウスはC-HR・N-BOXを追いかけ、そんなプリウスをインサイトが追いかける。全員片想い(違う)

■エクリプスクロスに下剋上を食らった三菱 RVRさんの言い分

現行型は登場から9年が経過し、今年1~3月の販売台数はわずか300台ほどに……

 三菱のクロスオーバーSUV一番の古株が私、RVRです。

 この世界、新しいほうがなにかとチヤホヤされるのは仕方ないですが、後から出たアウトランダーに抜かれ、そしてエクリプスクロスにも抜かれ……。どっちも私の10倍くらい売れてます。

 ダイナミックシールドを付けても、テコ入れになってません。母さん(三菱自動車)はマイチェンを繰り返して、愛をかけてくれますけれど……グスン。

2018年3月に日本での販売が開始された三菱 エクリプスクロス

■レクサスESに下剋上を食らったレクサスISさんの言い分

レクサスISの国内販売の不振は目を覆うばかり

 レクサスの主力モデルといえば私、ISのはず。メルセデスならCクラス、BMWなら3シリーズの対抗馬ですから。そんな私が月に200台くらいしか売れないのは、やっぱり高級車だからです!

 という言い訳が通じなくなってきました。なぜって、同門のレクサスESが、月1500台も売れてるんです。私より大きくて高いのに! 私の何が悪いんですか? 私こんなにカッコいいのに! 世の中、間違ってますよ!

GSも売れてなかったが、ESは出足好調だ

【番外コラム】 輸入車ブランドの最新下剋上事情

●アルピーヌに下剋上されている? DS

 同じフランスの新興ブランドとして、日本での正規ディーラー数を争っている2社。アルピーヌはわずか14店舗。扱うのがピュアスポーツカーで数がそんなに出ないとはいえ少ない。ところがDSはそれより少なく、たったの9店舗!

1車種しかないアルピーヌに負けてるのは正直イタい

●ランボルギーニに肉薄されているフェラーリ

 ランボルギーニの躍進が止まらない。かつてはフェラーリの5分の1くらいだったが、その差はどんどん詰まり、昨年は5750台を販売。今やフェラーリ(9251台)の半数超え。特に日本ではランボ人気が高く、僅差に迫っている(ランボ543台対フェラーリ767台)。

ウルスの生産が本格的に軌道に乗れば逆転もありえる!?

●ボルボがに下剋上を食らいそうなアウディ

 アウディと言えばドイツ御三家の一角。ブランド力はとても高い……はずだ。ところが近年は販売が伸び悩んでいる。日本ではボルボに迫られ、抜かれる月もあるほどだ。日本カー・オブ・ザ・イヤーも2年連続でボルボに取られた。


もはやボルボは、アウディにとって完全に目の上のたんこぶになりつつある!

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