ル・マン24時間レースがポルシェ963カスタマーのプロトン・コンペティションに対して「平等な競争条件」を提供することで、同チームにとっては今年のWEC世界耐久選手権で番狂わせを起こす最高のチャンスになると、ニール・ジャニは信じている。
プロトンは、シーズンの最初の2ラウンドでファクトリーのポルシェ・ペンスキー・モータースポーツや、同じ963のカスタマー陣営であるハーツ・チーム・JOTAのペースに近いことを証明、シーズン開幕のカタール1812kmでは9位という成績を収めている。
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ジャニがハリー・ティンクネル、ジュリアン・アンドラウアーとシェアする99号車ポルシェ963は、第2戦イモラではトラブルに見舞われ、最終的にはMGUの問題によりリタイアを喫した。
しかし、アンドラウアーはそれでも予選で99号車をトップ10に入れることができ、最終的にはJOTA12号車のすぐ後ろ、そして2台のワークスポルシェのうち遅いクルマからコンマ3秒以内というタイムを残している。
ジャニはイモラの週末を振り返り、ペンスキーやJOTAとは異なり、プロトンはレースに向けてイモラでテストをしなかったことを強調した。これは彼らがサルト・サーキットで直面する不利な点ではない。
「僕らはここでテストをしなかったし、FP3も(ほとんど)走れず、FP2も30分間走れなかったが、それでもなんとかこの位置で戦っている」とジャニ。
「どんな状況下であれ、僕はとてもハッピーだ。ペンスキーはカタールとイモラの間で何日間のテストを実施したんだ? 僕らは何もしていないのに、まだコンマ数秒以内にいるんだ。そういう意味ではかなり衝撃的だよ」
「ル・マンでは誰も事前テストができないので、とても楽しみにしている。それは今年僕らが訪れるなかで、もっとも平等な競争の場だ」
「その後は富士スピードウェイのように知っているトラックもいくつかあるから、ここ(イモラ)ほどではなくなるだろう」
「スパがどうなるかは様子を見ることになるが、常にトップ10を目標にしなければならないと思うし、ル・マンでは何かができることを心から願っているよ」
他のポルシェチームのような全体的なスピードには欠けているとはいえ、初めてル・マンでトップクラスに挑むプロトンには、他にも活用できる強みがあるとジャニは感じている。
「(表彰台に上がることは)夢だろうが、それが目標でなければならない」とジャニは語った。
「ル・マンでは、不可能なことなんて何もない。僕はこれまでに、そこにあるすべてを見てきた」
「僕らには、僕、ハリー、ジュリアンという非常に優れたドライバーラインアップがある。僕らは、いつ、どのような状況やトラックのコンディションで、誰が速いのかを知っている。僕らは、誰でも運転できるクルマの作り方を知っているんだ」
「これらは僕らが最大化したい強みであり、チームとしてうまく機能している部分でもある。耐久テストをしに行くことはできないので、何事も効率的に行う必要があるんだ」
「僕らは弱者だが、皆を驚かせるチャンスはある。ル・マンは、昨年出場した(LMP2の)デュケインでやったように、サプライズのチャンスがもっともあるレースのひとつだからね(※ジャニの加わったデュケイン・チームの30号車はクラス3位)」
「彼らのような1台体制のチームがそのポジションにいるとは誰も予想していなかったが、僕らはその位置で戦っていて、ある段階ではレースをリードしていたんだ」
ジャニはまた、プロトンがシーズンの残りの期間、プライベートテストを実施できないという事実を受け入れていると付け加えた。
「結局のところ、僕らは小規模なプライベートチームであり、(オーナーのクリスチャン・)リード家がこれに費やしている努力はすでに膨大なものであることを考慮する必要がある」
「僕らの目標は、僕らが持っている状況と可能性の中で、チームの結果を最大化すること。だから本当に、目標はル・マン(でパフォーマンスを発揮すること)なんだ」
5月11日に行われるWEC第3戦スパでは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権とのバッティングによりティンクネルを欠くプロトンは、ジャニとアンドラウアーの2名で6時間レースを戦う。
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