フェラーリの最新モデル「SF90 XX(エックスエックス)」は、公道もサーキットも走れる先進のプラグインハイブリッド車。頼もしいモーターのパワーをフェラーリらしいパフォーマンスの実現のために活用している一方で、電気だけで走れるモードも備えるエコな一面をもちあわせている。フィオラノが送り出す新しいPHEVはどんなクルマなのか。自動車ジャーナリスト・小川フミオが解説する。
SF90以上のパワーとダウンフォース
フェラーリ SF90 XXはピュアEVへの架け橋となるか。跳ね馬の最新PHEVを徹底解説
フェラーリが2023年6月29日に発表したプラグインハイブリッド「SF90 XX(エックスエックス)」。
特徴をひとことでいうと「公道も走れる初のXX」(フェラーリのスポークスパースン的役割も務めるマーケティング統括のエンリコ・ガリエラ氏)。
SF90 ストラダーレをベースに(4L V8に3つのモーターというドライブトレインや基本シャシーは共通)、パワーをアップしつつ、ダウンフォースを中心に空力を徹底的に見直している。
「XX」とは、フェラーリのサーキット専用車プログラム。XXの名をもった限定モデルを販売し、コルセ・クリエンティと呼ばれる専任部門が、サーキット走行のノウハウを伝授する。
これまでに「FXX」(2005年)、「FXX エボルツィオーネ」(2008年)、「599XX」(2009年)および「599XXエボ」(2011年)、「FXX K」(2014年)、それに「FXX K エボ」(2017年)と、高性能モデルがごく少数作られてきた。
SF90 XXの場合は、パワーをSF90 ストラダーレの735kWから797kWに引き上げると同時に、車体の空力を徹底的に見直し、「1ミリも空力的に無駄なデザインはない」(エンジニアリング担当のジャンマリア・フルジェンツィ氏)というほど。
空力の主目的はダウンフォースの増大。ノーズ、側面、そしてリアのウィングとシャットオフ・ガーニーにいたるまで徹底的に磨きあげ、結果、「SF90 ストラダーレに対して最大値で2倍」(フェラーリのプレスリリース)にまで増大させている。
高速において車体と車輪を路面に強く押しつけるダウンフォース増大によって、「車輪のグリップを強めるとともに、ラップタイムでより速くなっている」(プレスリリース)とする。
フィオラノのラップタイムを0.25秒短縮
「e(イー)マネッティーノ」と呼ばれるハンドルのスポークに備わったドライブモードセレクターも、クルマのキャラクターを大きく左右するそうだ。
「eDrive」は前輪をモーターで駆動するだけのピュアEVモード。「ハイブリッド」ではエンジンが作動するが、可能な限りバッテリーから使う。「パフォーマンス」はつねにエンジン優先。さらに「レース」がある。
じつはもうひとつ、SF90 XXでは「クオリファイング」なるモードも選択できるようになっている。こちらは最大限のパワーを引き出すモードだ。
クオリファイングモードでは、今回初搭載という「エクストラブースト」機能が使用できる。クオリファイ(スタート順位を決めるためのタイムアタック)の名のとおり、サーキットでの周回タイム短縮をめざすモードだ。
作動させるのはコーナーの出口。アクセルペダルを強く踏み込むと、一瞬トルクが増し積みされる。
バッテリーがフル充電状態だと30回、エクストラブースト機能を使えるという。ブレーキングやアクセルの戻しで回生がより多く(より長く)行なえるコースだとより恩恵に浴しやすい、とエンジニアリング統括のフルジェンツィ氏は言う。
フェラーリのテストドライバーであり開発責任者であるラファエレ・デ・シモーネ氏も、記者発表の場に姿を見せ、「フィオラノ(のテストコースの周回)でコンマ25秒短縮できました」と語った。
Vol. 3へ続く
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