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〈電波×日刊自〉自動車の進化支える電子部品 人とくるまのテクノロジー展でも最新技術が目白押し

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〈電波×日刊自〉自動車の進化支える電子部品 人とくるまのテクノロジー展でも最新技術が目白押し

5月24日にパシフィコ横浜・展示ホール(横浜市西区)で開幕した自動車関連技術の専門展示会「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」(主催:自動車技術会)では、自動車の進化を支える電子部品の新製品・新技術が多数出品されている。「CASE」(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)のメガトレンドへの対応や、運転者の利便性向上などに寄与する製品・ソリューションの展示が目白押しで、来場者の関心を集めている。

村田製作所は、先進運転支援システム(ADAS)に寄与する製品として開発中の「30cm以下の近距離でも、物体を検知できる防滴型超音波センサー」を出品した。これまでの距離検知センサーの課題を解決するもので自動ブレーキや自動駐車の精度を大幅に高められるという。

〈電波×日刊自〉車載用電池の計測ソリューション EV時代に不可欠な車載電池の開発・評価 計測技術も進化

現在、自動車に搭載される近距離検知用のセンサーは様々な方式があるが、光学式センサー(カメラ)は死角が発生するのが弱点。超音波センサーも30cm以内の近すぎる距離は検知できないのが課題だった。超音波センサーは音波を発信し、その反射波を測定することで物体検知を行うが、物体への距離が近すぎると音波発信時の残響が反射波と混ざり、うまくセンシングできなくなる。開発したセンサーは、超音波センサーの素子構造を全般的に見直すことで、15cmから30cmまでの近距離でも検知できるようにした。

現在、様々な車載機器メーカーが開発している車載向け超高速インターフェース規格対応のデバイスも披露された。

日本ケミコンは、業界初となる次世代車載向け超高速インターフェース規格「MIPI A-PHY」を搭載したカメラモジュールを参考出品した。このモジュールは、自動運転やADASなどで使用される車載電子制御機器(ECU)などにMIPI A‐PHY製品が組み込まれることをコンセプトに開発した。A-PHY規格に対応したチップセットを世界で唯一製品化しているイスラエルの半導体メーカーであるバレンズセミコンダクター社のチップセットを採用した。

A-PHY規格は通常のLANケーブルよりも細くて軽く長いが、1リンクあたり8Gbpsの高速伝送を行うことができる。現在商用化されている通信速度4.8Gbpsの「GVIF規格」と比較しても高速性能に優れ、高い拡張性がある。これはMIPIアライアンスが策定している車載向け規格で、2024年から25年頃に同規格を搭載する車両の市場投入が始まると想定されている。

この技術を使うことで、車載機器の小型・軽量化が図れるため、電気自動車(EV)開発で求められる、軽量化や車室内スペースの拡大などにも貢献するものとして注目されている。

TDKは、開発中の新型の車載用コイル「Qi(チー)2対応コンセプト」を出品した。近くリリースが予想されているワイヤレス充電システム規格「Qi」の新規格「Qi2」に対応する製品で、既存Qiでのコイル規格「EPP」と、次期Qiでのコイル規格「MPP」の両方に対応する。

MPPは、米アップル社のiPhone(アイフォーン)のようにスマートフォンの裏側に磁石が埋め込まれている機器のワイヤレス充電を想定している。ただアイフォーン(アイフォーン12以降)ではそのまま使用できるが、アイフォーン以外の多くの磁石非内蔵のスマホでは、充電時の効率が大幅に低下していた。新製品は磁石非内蔵のスマホでも、MPPに対応でき、最大15Wのワイヤレス充電が行える。

このほか、電子部品メーカー各社のブースでは、自動運転車の安全な走行に不可欠なノイズ対策用部品や、電動車の1充電あたりの走行距離の向上に寄与する車載用電子部品の軽薄短小化技術、EVの高性能化をサポートするパワー系デバイスなどの新製品・新技術が多数出品されている。

(日刊電波新聞)

 

〈日刊電波新聞とは〉電機業界の発展をビジネスと技術の両面から報道。部品から半導体、製造装置、計測機器、家電、情報通信などエレクトロニクス各社の動きに流通、放送メディアまでカバーする総合専門紙です。IoTやAI、自動運転など未来を支える技術も紹介しています。

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