ダカールラリー2024はステージ7までを終えて、カルロス・サインツSr.(アウディ)とセバスチャン・ローブ(プロドライブ)の一騎打ち状態となっているが、サインツSr.の将来については不透明な状況となっている。
2022年に電動SUVのRS Q e-tronでダカールラリーへの挑戦を開始したばかりのアウディ。まだ公式には発表されていないが、今回のダカールラリー後に撤退するとの見方が強い。
■休息日挟んで再開のダカールラリー、ステージ7はローブが制し総合首位サインツSr.に接近。エクストロームはトラブルで後退
ダカールはアウディ・スポーツに残された最後のワークス・プロジェクトだったが、2026年からザウバーと共にF1に参戦する上ですべてのリソースを集中させるため、他のプロジェクトと同様、ダカール参戦も終了するのではないかと見られているのだ。
そのため、サインツSr.やステファン・ペテランセル、マティアス・エクストロームの3人のファクトリー契約ドライバーの将来が不透明になっている。
その点、ローブは大きく状況が異なる。ルノー傘下のダチアが来年、プロドライブと提携してダカールラリーに参戦する予定となっており、そのドライバーのひとりに名を連ねているのだ。ダチアは他にナッサー・アル-アティヤ、エクストリームEドライバーのクリスティーナ・グティエレスと契約している。
サインツSr.にとって、トヨタは選択肢のひとつとなるはずだ。フォルクスワーゲンでダカール2勝、プジョーとミニで1勝ずつ収めているサインツSr.は、まだトヨタからダカールに出たことはない。しかもトヨタは彼が1990年と1992年にWRCでタイトルを獲得した際の所属チームであり、良い思い出も持っているだろう。
アル-アティヤとダカールを連覇したトヨタだが、アル-アティヤ離脱に伴いスタードライバーが不在に。代わりに若手の育成に力を入れている。
ダカール初挑戦となった2023年に3位を獲得したルーカス・モラエスやセス・キンテロらがそうであり、今回のダカールでも印象的な走りを見せているものの、トヨタがダカールを3連覇するチャンスはラリー中盤までに失われてしまったように見える。
モラエスはステージ3を制し、ステージ7を終えた段階で総合3番手につけているものの、サインツSr.から1時間以上離されている。
とはいえ、トヨタ・ハイラックスは非常に競争力のある車両であり、どのドライバーから見ても魅力的なシートだろう。
motorsport.comを含む一部メディアとのインタビューで、トヨタのダカール・ラリー・ディレクターであるアラン・デュジャルダンは、来年サインツSr.との契約を検討するかどうか尋ねられ、次のように答えた。
「W2RC(世界ラリーレイド選手権)と同様に、ダカールでのパフォーマンスも注意深く評価するつもりだ。だが我々TOYOTA GAZOO Racingは常に自分たちの視点に立って物事を見ている」
「アウディの後、カルロスはどうするのか? それはビバークで誰もが抱く疑問だろう」
「彼は我々にとって偉大なブランド・アンバサダーだった。彼が我々に教えてくれたことは非常に多いが、彼のレガシーがTOYOTA GAZOO Racingの次のドライバーたちにも受け継がれていくようにしたい」
「ナッサーとは2年連続で素晴らしい旅をした。W2RCでの勝利にもとても感謝しているが、彼が新たな旅に出ることを決めると同時に、彼の後任をどうするか考えた」
「我々は意識的に次の世代を探すことにした。だからこそ、W2RCでのエントリーを増やし、ルーカスとセスを雇ったのだ。そして、彼らはすでにその意思を表明したと思う」
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