現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ポルシェ963、WEC最終戦への参戦は見送り。開発は「やや足踏み状態が続いている」

ここから本文です

ポルシェ963、WEC最終戦への参戦は見送り。開発は「やや足踏み状態が続いている」

掲載 1
ポルシェ963、WEC最終戦への参戦は見送り。開発は「やや足踏み状態が続いている」

 ポルシェは、開発中のLMDh車両『ポルシェ963』でのWEC世界耐久選手権第6戦バーレーン8時間レース参戦を見送ることを明らかにした。現在進めているアメリカでのテストプログラムに集中する、としている。

 ポルシェは2022年6月、2023年からWECとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に投入する963を正式に発表し、開発テストを続けてきた。FIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブは、2023年の正式導入に先立ち、LMDh車両の“レース・バイ・レース”での2022シーズン参戦を認める条項を設けており、ポルシェはこれを利用して11月のバーレーンでの最終戦へ参加することを積極的に検討していた。

アウディ、LMDhプログラム中止を正式発表。2022年3月、テストデビュー寸前で中断表明か

 バーレーンへの参戦断念という決定は、8月末に下されたものとみられる。

 ポルシェLMDhファクトリー・モータースポーツ・ディレクターのウルス・クラトレは、「テストの計画が変更になった」と説明した。

「かねてから、何が我々にとってもっとも理に適ったものかを確かめると言ってきたように、我々はそれらを評価した。そして、バーレーンに行くことが最大の意味を持たない、と判断した。だから、我々はそこへ行かないことにした」

「我々は、北米でのさまざまなテストについて議論しているところだ。(バーレーンに行かないことによって)加えられた時間をどう使うか、検討していく」

「移動時間や物流など、フライアウェイでのテストやレースで消費されるものは多かったはずだ。その時間を、いかに有効に使うかだ」

「そのレース(最終戦)でテストをするのはいいことだと思う。クルーやオペレーション全体にとって、レースの環境はいつもとは違うプレッシャーがかかるので、良いことだ。だから(以前は)、参戦を考えていた」

「だが、あらゆる可能性を検討した結果、やらないことにしたんだ」

 クラトレはまた、10月3~5日にロード・アトランタで行われるIMSA公認テストにはポルシェ963が参加しないことも明らかにした。このテストは12月にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで予定されている公認テストとは異なり、LMDhマニュファクチャラーへの参加義務付けはされていない。

「最初から、10月のテストへの参加は計画されていないかった。それは常に、我々の計画には沿わないものだったのだ」とクラトレは語っている。

 ポルシェは先週、デイトナでの2日間のテストを終えており、ここにはアキュラとキャデラックのLMDh車両も参加していた。このテストは、7月にセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われた5日間の走行に続く、アメリカでの2回目の走行となった。

 この間963は、8月にはモンツァでのテストと、ポルシェのバイザッハでのテストトラックでのさらなるシェイクダウンを経てアメリカへと戻っていた。彼らは共通MGUの問題の解決にあたっていたのだ。現在、そのマシンはポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの完全なるレース・カラーリングをまとっている。

「サプライチェーンの問題と、あるサプライヤーからの技術的な問題に悩まされ、やや足踏み状態が続いてるんだ」とロジャー・ペンスキーは語っている。

 クラトレによると、2台のテストシャシーの走行距離は1万6000kmを超えており、2023年1月のIMSA開幕戦デイトナ24時間レースでのデビュー前には、3万kmを達成することが目標だという。

「テストの計画は、常に何らかの理由により変更されるものだ」とクラトレ。

「今年のはじめに、少し計画を変更していたのだが、現在はもともとのスケジュールに戻っている」

 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージング・ディレクターであるジョナサン・ディウグイドは、12月6~7日にデイトナで行われるIMSA公認テストを含め、11月までに2台の車両を用意するため、アメリカでのテストを強化する予定だと述べている。

 ポルシェはこれまで3台の963シャシーを製造しており、1号車はFIAのクラッシュテストとスタティックテストのために割り当てられ、2号車と3号車はそれぞれ主に欧州とアメリカでのテストに使用されてきた。この2台のテスト車両は、後日レース用のシャシーへと置き換えられる予定となっている。

「12月に新しい(シャシーの)レースカーを手にできるかどうかは分からないが、来年には間違いなく新しいシャシーができるだろう」とクラトレは付け加えている。

こんな記事も読まれています

アストンマーティンの高性能SUV『DBX707』、F1モチーフの「AMR24」仕様発表
アストンマーティンの高性能SUV『DBX707』、F1モチーフの「AMR24」仕様発表
レスポンス
悔しさと感謝に包まれた初のル・マン。耐久とスプリントの違いとレーシングギア【宮田莉朋“三刀流“コラムLAP 6】
悔しさと感謝に包まれた初のル・マン。耐久とスプリントの違いとレーシングギア【宮田莉朋“三刀流“コラムLAP 6】
AUTOSPORT web
エイドリアン・ニューウェイ、アストンマーティン入りに一歩前進か? 契約の発表は9月まではない模様
エイドリアン・ニューウェイ、アストンマーティン入りに一歩前進か? 契約の発表は9月まではない模様
motorsport.com 日本版
「911にあらずんばポルシェにあらず」なんて笑止千万! SUVでもセダンでもEVでもポルシェが作ればポルシェ感は宿る!!
「911にあらずんばポルシェにあらず」なんて笑止千万! SUVでもセダンでもEVでもポルシェが作ればポルシェ感は宿る!!
WEB CARTOP
中国製EVへの追加関税、ドイツ自工会が「反対」声明を発表
中国製EVへの追加関税、ドイツ自工会が「反対」声明を発表
レスポンス
F1第12戦木曜会見:ノリス「フェルスタッペンと十分に話し合った」レース後の厳しい態度から一点、謝罪は不要だと語る
F1第12戦木曜会見:ノリス「フェルスタッペンと十分に話し合った」レース後の厳しい態度から一点、謝罪は不要だと語る
AUTOSPORT web
巨匠が生んだ「初代パンダ」はどう活かされている? 画像が公開された「グランデ・パンダ」をデザインのプロが斬る!
巨匠が生んだ「初代パンダ」はどう活かされている? 画像が公開された「グランデ・パンダ」をデザインのプロが斬る!
WEB CARTOP
“爆速ターボ”も搭載!? マツダ新型「最強ハッチバック」実車公開! ド迫力&シャコタンな「MAZDA3」登場
“爆速ターボ”も搭載!? マツダ新型「最強ハッチバック」実車公開! ド迫力&シャコタンな「MAZDA3」登場
くるまのニュース
「究極の空力タイヤ」をコンチネンタルが発表、プロサイクルライダー向け「AERO 111」
「究極の空力タイヤ」をコンチネンタルが発表、プロサイクルライダー向け「AERO 111」
レスポンス
FIA F3シルバーストン、スプリントレースは大雨により延期に。レコノサンスラップでコースオフ続出
FIA F3シルバーストン、スプリントレースは大雨により延期に。レコノサンスラップでコースオフ続出
motorsport.com 日本版
スズキが新型コンパクトSUV「フロンクス」の先行情報を公開、今秋発売へ
スズキが新型コンパクトSUV「フロンクス」の先行情報を公開、今秋発売へ
@DIME
日本ミシュラン、全国のホテルや旅館を格付けする「ミシュランキー」を発表 最上級に6軒選定
日本ミシュラン、全国のホテルや旅館を格付けする「ミシュランキー」を発表 最上級に6軒選定
日刊自動車新聞
トムトムとマレリが提携、次世代車載インフォテインメント共同開発へ
トムトムとマレリが提携、次世代車載インフォテインメント共同開発へ
レスポンス
人気のアクセサリー2点を装備しつつ価格を据え置いたプジョー408GTの特別仕様車が日本デビュー
人気のアクセサリー2点を装備しつつ価格を据え置いたプジョー408GTの特別仕様車が日本デビュー
カー・アンド・ドライバー
電脳交通がライドシェアの実証実験開始…新たに東京・高知・愛媛で、タクシー業界のドライバー不足解消へ
電脳交通がライドシェアの実証実験開始…新たに東京・高知・愛媛で、タクシー業界のドライバー不足解消へ
レスポンス
トヨタの「“最強”ライトバン」登場20年超でもなぜ売れ続ける? 使い勝手最強の“営業マン”マシン「プロボックス」一体何がスゴい?
トヨタの「“最強”ライトバン」登場20年超でもなぜ売れ続ける? 使い勝手最強の“営業マン”マシン「プロボックス」一体何がスゴい?
くるまのニュース
今週、話題になったクルマのニュース3選(2024.7.6)
今週、話題になったクルマのニュース3選(2024.7.6)
@DIME
白いボックスシートが広くて快適! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
白いボックスシートが広くて快適! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村