■サイズ感がおかしい「ヴェルファイア」とは
日本の新車市場では、軽自動車のワゴン(バン)タイプや普通車のミニバンなど、スクエアなデザインのクルマが一定数の人気を誇っています。
そうしたなかで、とある自動車専門学校がダイハツ「ハイゼット カーゴ」とトヨタ「ヴェルファイア」を融合させたようなカスタムカーを制作しました。
【画像】朱色の壁が個性的! 和風キャンピングトレーラーの中身がスゴイ!(16枚)
ダイハツの「ハイゼットシリーズ」は、1960年に誕生。2020年で60周年を迎える歴史ある商用車です。
1965年に登場した2代目においてワゴン(バン)タイプが登場。現在の「ハイゼット カーゴ」という名称は1999年に登場した9代目から使用されています。
一方のヴェルファイアは、2002年に登場したトヨタ「アルファード」の姉妹車として、アルファードが2代目にフルモデルチェンジするタイミングで初代モデルが発売されました。
2015年にはアルファードと共に3代目へとフルモデルチェンジ(ヴェルファイアとしては2代目)。2020年4月末までは、ヴェルファイアはネッツ店、アルファードはトヨペット店で取り扱われていましたが、2020年5月以降は全店で併売されています。
ハイゼット カーゴは、ビジネスシーンで活躍する商用車、ヴェルファイアはトヨタの高級ミニバンと異なるジャンルですが、どのような融合を経てカスタムカーが誕生したのでしょうか。
このカスタムカーの名前は「CAMP FIRE」といい、千葉県にある日本自動車大学校(通称NATS)が2016年に開催された東京オートサロンに向けて制作したモデルです。
カスタムカーとして制作されたのは、ミニヴェルファイア風の軽自動車とけん引されるキャンピングトレーラーのふたつです。
制作コンセプトは、「軽自動車枠で維持しやすいだけではなく、見た目をヴェルファイア風にすることで高級感を両立させたキャンピングトレーラーです。内装は『和』をテーマとして統一させ、落ち着いた大人の空間を演出しました」といいます。
外観デザインにおいて、けん引する側となるトレーラーヘッドのミニヴェルファイアは、ハイゼット カーゴをベースにヴェルファイアの顔面を移植することで、軽自動車ながら高級感を演出。
車体自体では、ホイールベースを240mm短縮する加工をおこなうことで小回り性能を向上。さらに、ピックアップ化するなど大きく手が加えられています。
またけん引される側となるキャンピングトレーラーの内装は、朱色の壁紙、ミニ襖、格子状の和紙風の照明、そして床面には畳を配置するなど、和のテイストをふんだんに盛り込んだ仕様となっています。
NATSの担当者は、次のように制作エピソードを語ります。
「このカスタムカーは、ひとつのチームで2台のカスタムカーを製作しているのと同じであることと難しいカスタムだったので、オートサロン直前まで学生皆でハードワークでした。
そして、やっとの思いで東京オートサロン2016に出展し、おかげさまで優秀賞を獲得することができました。
車検は、トレーラーヘッドの部分のみ小型貨物で取得(テストランキャラバン時、学生による牽引の運転は非常に難しいため、トレーラー部は取得せず)でした」
※ ※ ※
ミニヴェルファイアと純和風なキャンピングトレーラー。異色ともいえる融合はまさに見ているだけでも楽しいカスタムカーといえそうです。
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