幕張メッセで年始に行われる『東京オートサロン』。初日にあたる金曜日は出展する自動車メーカーが相次いでプレスカンファレンスを行い、新型モデルやパーツ、そしてモータースポーツ活動体制発表などを行うのが通例だ。
これらのプレスカンファレンスは例年、朝9時30分スタートのトヨタGAZOO Racingが皮切りとなる。2024年のそれは、モリゾウこと豊田章男会長の『新年のご挨拶』が中心となった。熱のこもったそのスピーチの内容は別記事で報じたとおり。
モリゾウこと豊田章男トヨタ会長、東京オートサロン2024で新たなエンジン開発プロジェクトに言及「未来のために仲間を守る」
今年はモータースポーツ活動に関連する新たな発表はなかったが、ここでひとつ気がかりなのは、ちょうど2年前のオートサロンで姿を現した『GR GT3 コンセプト』のその後、つまりRC F GT3の後継となるトヨタ/レクサスの次期GT3車両だ。既報のとおり、当該車両と思われる新型レーシングカーが、2023年には国内サーキットで走行する様も目撃されている。
コンセプトモデル発表から2年というタイミング、そしてWEC世界耐久選手権を含め世界のGTレースにおいてGT3のプレゼンスがさらに上がっていることなどを考慮すると、2024年のオートサロンこそトヨタ/レクサスの新型GT3車両発表にふさわしい場ではないか──そんな見方もあった。
これについて1月12日、東京オートサロンの現場で加地雅哉TGRモータースポーツ担当部長/技術室室長に聞くと「開発は順調に進んでいます」と現状を説明した。
「ですが、こういった場(イベント)でのお披露目というよりは、現場(サーキットなど)でいろいろ……と考えていまして。しっかりと開発をして、みなさんにお披露目できるようにと着々と進めています」
現状、トヨタは開発中のこの車両の詳細を一切明かしていないが、「GT3なので、量産車両と一緒に(開発・発表)、という部分もあります。そのあたりも含めて、しっかり開発をして披露したいと考え、進めています」という加地氏のコメントからは、ベースとなる量産車両の名称や仕様などが確定していない状況で、レーシングカーだけの披露はできない……といった種類の事情もあものと推測できる。
国内で走行テストをしていることを認めた加地氏に、海外でのテストについて話を向けると、「これからですね」との答え。北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権ではバッサー・サリバン、そしてフランスのアコーディスASPを通じて2024年からWEC/LMGT3でレクサスRC F GT3を走らせることから、欧米での開発テストを担う“拠点”も構築できている。この点も、今後の開発にはポジティブに作用しそうだ。
気になるデビュー時期について加地氏は明言を避けたが、現時点の進捗やホモロゲーション取得、そしてIMSAのシーズンが毎年1月に始まることなどを考慮して推測すると、2025年初頭からの投入は考えにくい。2025年後半ないしは2026年シーズンから、といったあたりが妥当なところだろうか。詳細が判明する日を待ちたい。
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