日産NMC
(翻訳者注:この記事は、前編の『知っていたらスゴイ! 奇妙で無名なOEM供給車 41選 前編 「リバッジ」されたマイナーモデル』の後編にあたります。)
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NMCは「ニュー・モビリティ・コンセプト」の略。ルノー・トゥイージーのリバッジモデルに与えられた名称だ。日産は「高齢者や単身世帯の増加、2人までの近距離移動のための自動車利用の増加に対応して開発された」としている。
日本ではごく少数が販売され、米サンフランシスコのカーシェアリングではスクート・クワッドとも呼ばれていた。
オールズモビル・フィレンザ
フィレンザは、GMの数あるJプラットフォーム車の中で、おそらく最も記憶に残っていないクルマであろう。1982年から1988年にかけて販売され、同時期のビュイック・スカイホーク、シボレー・キャバリエ、ポンティアック・サンバード、そして高価なキャデラック・シマロンとほぼ同じ部品で作られていた。
各ブランドはある程度独自のスタイリングを施したが、一見しただけではどれがどれなのか、専門家でなければ見分けがつかない。
オペル・アンペラe
最近生産終了となったシボレー・ボルトEVは、欧州市場には正規導入されなかったが、一部の国ではオペル・アンペラeとして販売されていた。どちらも米ミシガン州のGMオリオン組立工場で生産されたが、アンペラeの生産台数はほんのわずかである。
ボルトEVが2023年のモデルイヤー末に生産終了となった時点で、アンペラeはすでに市場から消えていた。後継車は2026年に登場する予定だが、オペルがGMのライバルであるステランティスの傘下に入っているため、オペルのリバッジモデルが登場する可能性は限りなく低い。
オペル・カール
GMが2017年にオペルとヴォグゾールをPSAグループに売却する前、両社がシボレーのリバッジモデルを販売するのは当然のことだった。問題のシボレーは、韓国GMが設計・生産するスパークだった。
スタイリングの変更点はかなり少ない。英国でのみ販売されたヴォグゾール・ビバ(写真)は、正確に言えばカールをさらにリバッジしたものだ。
プジョー・パース
イランの自動車メーカーであるイラン・ホドロ(IKCO)は、自社開発車と他社開発車の両方を生産してきた。後者の最も有名な例の1つがプジョー・パースで、何度かアップデートが行われたとはいえ、いまだにプジョー405と変わらない姿をしている。
IKCOはまた、プジョー207やプジョー2008の自社バージョンも生産している。
プリマス・クリケット
欧州クライスラーの短い活動期間において、通常ヒルマン・アベンジャーとして知られているクルマが、北米向けにプリマス・クリケットとしてリバッジされた。1971年のプレス・オン・レガードレス・ラリーで優勝したものの、消費者からは非常に不人気で、アベンジャーよりも8年早く1973年に生産中止となった。
その後すぐに、今度は第2世代のダッジ・コルトをベースとした新型プリマス・クリケットが登場した。
ポンティアック・トレント
フロントとリアのデザインがわずかに変わったとはいえ、2006年に発売されたミドルサイズ・クロスオーバーSUVのトレントが、前年に発売された初代シボレー・エクイノックスと大差ないことは見るからに明らかだ。
エクイノックスは第4世代に突入したが、トレントは1世代で絶えた。2010年、GMが74年の歴史を持つポンティアックを閉鎖したことで、後継車が現れる可能性は消えた。
プロトン・ペルト
三菱ランサー・エボリューションの一部の世代は、マレーシアのプロトンに供給されていた。「ペトロナスEONレーシングチーム」(EONは1984年に設立されたプロトンの販売代理店」の頭文字をとってペルト(Pert)と名付けられた。
ペルトは、マレーシア人ドライバーのカラムジット・シン(1962年生まれ)が2002年のプロダクション世界ラリー選手権で、ランサー・エボリューションVIIを破ったことでも有名である。
プロトン・ティアラ
20世紀に生産・販売されたプロトン車は、何らかの形で三菱車をベースにしているのが通常だが、ティアラはシトロエンベースというレアケースだ。
具体的にはシトロエンAXで、1990年代後半にティアラが登場したときには生産終了を迎えていた軽量小型車だった。プロトンはもう少し長生きしたが、2000年を越えることはなかった。
ルノー・アラスカン
生産終了したメルセデス・ベンツXクラスと同様、アラスカンはデザインに若干の変更がある以外は、第3世代の日産ナバラである。2016年に登場し、少なくともXクラスよりは長く生き残っている。
ロエベ750
750は、中国の上海汽車がローバー25とローバー75の権利を買い取った後に生産した最初のモデルである。しかし、ローバーの名は使われていない。ローバーはBMWが所有し、その後フォードに売却され、タタ・モーターズの手に渡った。
スタイリングに違いはあれど、750はローバー75と基本的に同じものだった。2006年に登場し、2016年11月まで丸10年間生産された。
ローバー・シティローバー
2003年に発表されたシティローバーは、細部を除けばインドのタタ・モーターズによって設計・生産されたインディカと同じである。タタ・モーターズはその後、ジャガー・ランドローバーの親会社となり、現在に至る。
国によって消費者の要求は異なる。インディカはインドでは成功を収めたが、英国ではMGローバーの事業継続を図るための稚拙な試みだと酷評された。AUTOCARも当時は「低価格では会社を救うには十分ではなかった」と書いている。
サーブ・ランチア600
かつて「サーブの黒歴史」と評された600は、ランチア・デルタにほとんど手を加えずに販売された小型車だ。フロントグリルにはランチアのバッジがそのまま残されるなど、異彩を放っていた。
1980年にスウェーデン、フィンランド、ノルウェーで発売されたが、現地の道路が凍結した際に撒かれる塩の悪影響を受けやすいという評判が広がり、わずか2年で引退した。
サターン・リレー
GMの「異色の自動車会社」であるサターンの25年の歴史が終わる頃、リレーというミニバンが発売された。デビューは2005年で、ビュイック・テラーザ、シボレー・アップランダー、第2世代ポンティアック・モンタナと同時期だ。これらはすべて同一のクルマだが、フロントエンドの処理がわずかに異なる。
ビュイックとサターンは2007年までに廃止されたが、シボレーとポンティアックは若干長く存続した。サターンブランド自体は2010年に閉鎖された。
スバル・ジャスティ
欧州でのみ販売された第2世代のジャスティは、第2世代のスズキ・スイフト(カルタス)とほとんど同じだった。日本企業が販売する2車種でありながら、どちらもスズキのハンガリー工場で生産された。
両車の外見は大きく異なる。また、1990年代にはスバルは四輪駆動車で世界中に名を馳せていたこともあり、ジャスティにも4WDが標準装備された。
スバル・プレオ
スバルは1958年に軽自動車の生産に着手し、以降2009年の初代プレオの生産終了まで続いた。ダイハツとスバルに多額の出資をしているトヨタは、2つのブランドが別々に軽自動車を開発する意味はないと判断した。
そのため、第2世代のプレオはダイハツ・ミラに六連星を冠しただけのものとなった。どちらも2018年まで販売されていた。
スバル・ソルテラ
スバルとトヨタの提携により、電動クロスオーバーのソルテラが誕生した。トヨタbZ4Xをベースに、マイルドな設計変更を加えた量産EVだ。
bZ4Xの名前の由来はすぐにはわかりづらいが、「ソルテラ(Solterra)」はラテン語の「太陽」と「地球」を意味する言葉に由来する。「自然との共存を目指した初のグローバルEV」というスバルの理想を表したものだ。
スズキ・キャラ
マツダが開発したガルウィングドアの軽スポーツカー、オートザムAZ-1。これをベースにしたのがスズキのキャラだ。
単なるリバッジではない。AZ-1の歴史は、実はスズキのプロトタイプから始まる。このプロトタイプはやがてカプチーノに取って代わられたため、設計はマツダに引き継がれ、AZ-1に発展したのだ。量産型ではカプチーノと同じ657ccの3気筒ターボエンジンが搭載された。
トヨタ・グランツァ
初代スズキ・バレーノは2015年にインドで発売され、その4年後にはトヨタからグランツァが誕生した。中身は基本的に同じ。両車は2022年に第2世代(写真)に移行した。
「グランツァ(Glanza)」はドイツ語の「Glanz」に由来し、「明るさ」、「輝き」、「きらめき」などさまざま意味に解釈できる。トヨタは以前、日本で第5世代スターレットのスポーティバージョンにこの名を使用していた。
バンデンプラ・プリンセス
コードネーム「ADO16」と呼ばれたブリティッシュ・モーター・コーポレーションのクルマは、1.1Lまたは1.3LのAシリーズ・エンジンを搭載し、1960年代の英国で人気を博した。また、リバッジが盛んに行われた典型例でもあり、オースチン、イノチェンティ、MG、モーリス、ライリー、バンデンプラ、ウーズレーの各ブランドで販売された。
今日、バンデンプラはこれらの中でも特に忘れ去られているかもしれない。プリンセスは、豪華なクロームメッキのフロントグリルが特徴的だが、構造的にもメカニズム的にも他のブランド車と同じであった。磨き上げられた木材をふんだんに使ったインテリアが魅力的で、フロントシートのバックにはピクニックテーブルが付いている。
ヴォグゾールVXR8
VXR8はヴォグゾールで2世代にわたって使われた名前だが、実際にはシボレー製V8エンジンを搭載したホールデンだ。オーストラリアから地球の裏側の英国に輸入されていた。
GMは2017年にホールデンの生産をすべて中止し、VXR8も終わりを告げた。
ウーズレー6/99
1959年に発表されたオースチンA99ウェストミンスターをベースに、ウーズレーのリバッジモデルが生まれた。機械的な部分(2.9L直6エンジンを含む)とピニンファリーナがデザインしたボディは同一だが、オースチンよりも高級なブランドであったため、豪華に見えるように作られた。
同様の戦略は1961年にも採用された。全長が延長され、それぞれオースチンA110ウェストミンスターとウーズレー6/110となった。
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