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序盤から軽量化に励む。終盤も2台に新パーツ投入、選手権6位を掴んだアルピーヌ【覚えておきたい2024アップデート】

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序盤から軽量化に励む。終盤も2台に新パーツ投入、選手権6位を掴んだアルピーヌ【覚えておきたい2024アップデート】

 2024年シーズンのF1は、前年王者であるレッドブルの優位性が崩れ、最終戦までコンストラクターズ選手権のタイトル争いが繰り広げられる1年となった。シーズン中は7人の勝者が生まれ、上位勢にはどのチームにも優勝のチャンスがあった一方、中団チームは数少ない入賞のチャンスを確実にものにしなければならず最終戦まで熾烈な争いが続いた。

 そんな2024年シーズンに開発されたF1マシンを振り返るこの企画では、今回はコンストラクターズ選手権6位のBWTアルピーヌF1チームの『A524』を取り上げる。

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■A524/BWTアルピーヌF1チーム


 2018年9月にチーフデザイナーとしてルノーに加わり、2022年からアルピーヌのテクニカルディレクターに就任したマット・ハーマン。2023年に投入したA523に根本的な問題があったことから、マシンの開発をシーズン終盤に2024年に向けてシフトしていた。

 しかし、2024年型マシンの『A524』のモノコックが長身のエステバン・オコンに合わないことが判明。再設計したものの、今度は国際自動車連盟(FIA)が義務付けているクラッシュテストに通らず、チームは開幕までに間に合わせるために重量を度外視して強度を上げるという急場凌ぎを行った。そのため、開幕戦に登場したA524は、少しでも軽量化させるためにカラーリングが必要最小限にとどまり、モノコックはカーボン素材剥き出しとなっていた。

 重量オーバーの責任をとらされる形でテクニカルディレクターだったハーマンが更迭されたアルピ―ヌは、第4戦日本GPには軽量化されたノーズ&フロントウイングを投入。カラーリングもカーボン剥き出し部分が少なくなった。メインフラップとアッパーフラップを接続するセパレーターの数が減っている。

 日本GPからリヤウイングを支えるビームウイングも変わった。これまではビームウイングの斜め前方にロワーウイングが1枚あったが(写真上/オーストラリアGP時点)、日本GPからは同じ形状のビームウイングが2枚(写真下/エミリア・ロマーニャGP時点)に変更されていた。

 第14戦ベルギーGPに、フロントウイング、コーク/エンジンカバー、リヤコーナー、ビームウイング、リヤウイング、ミラーと6アイテムものアップデートコンポーネントを持ち込んだアルピ―ヌ。カラーリングは再び必要最小限にとどまり、カーボン剥き出しとなったものの、決勝レースでオコンが9位入賞を果たした(写真はオランダGP)。

 第19戦アメリカGPに投入された新しいサイドポンツーンとフロア。アンダーカットをより大きくし、フロアエッジのデザインを変えたことで、床下の空気の流れの質が向上し、床下で発生するダウンフォースが増加した。

 アメリカGPではエンジンカウルの後端がより絞り込まれ、リヤウイングへ流れる空気のボリュームも増加。さらにリヤウイングのアッパーフラップのデザインにも改良が加えられた。アメリカGPでは結果が出なかったものの、2戦後のサンパウロGPで運も味方してダブル表彰台を獲得。コンストラクターズ選手権で6位にシャンプアップした。

 残り2戦となった第23戦カタールGPで、ショートノーズをピエール・ガスリーのマシンのみに投入。新ノーズに合わせて、フロントウイングのすべてのフラップのプロファイリングも一新してきた。ガスリーが5位に入賞して結果が出たアルピーヌは最終戦アブダビGPで新しいチームメイトとなったジャック・ドゥーハンにも新しいノーズ&フロントウイングを投入。ガスリーが7位に入り、コンストラクターズ選手権6位を確定させた。

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