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マクラーレン セナ GTR、デリバリーに向けて最終スペック確定

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マクラーレン セナ GTR、デリバリーに向けて最終スペック確定

McLaren Senna GTR

マクラーレン セナ GTR

マクラーレン セナ GTR、デリバリーに向けて最終スペック確定

F1マシン以外最速のマクラーレン・モデル

マクラーレン・オートモーティブは、昨年のジュネーブモーターショーでコンセプトカーとして公開されて以来1年の月日を経て、公道やサーキットの規制から解放された本格的なサーキット専用マシン「マクラーレン セナ GTR」の最終仕様を公開。この特別なモデルは75台限定で生産され、すでに全てが完売している。

マクラーレン・オートモーティブの全ラインナップで、最もサーキット指向の強い「アルティメットシリーズ」のマシンは、主要コンポーネントをさらに進化させ、凄まじいパワーと優れたハンドリングを実現。この結果、F1マシンを除けば、全マクラーレン・モデルで最も速くサーキットを周回できるマシンが生まれた。

オーダー受付後数週間で限定75台が完売

「セナ」や「スピードテール」と共に「アルティメットシリーズ」に加わる「セナ GTR」は、ル・マン24時間レースで勝利した1995年の「マクラーレンF1 GTR」、そして2015年「マクラーレンP1 GTR」の流れを汲むモデル。マクラーレンをドライブして3度のF1チャンピオンとなった、アイルトン・セナの記憶を伝えるために、この名前が冠された。

「セナ GTR」のオーナーは、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)が展開するボディカラーだけでなく、サーキット専用車として独自のビスポークカラーリングを選ぶこともできる。

限定生産される75台の「セナ GTR」は、カスタマーの注文に応じて、英国サリー州ウォーキングのマクラーレン・プロダクション・センターで生産。2019年9月に最初の納車が予定されている。110万ポンドという価格にも関わらず、2018年ジュネーブ・モーターショーでのコンセプト公表後、注文受け付け開始から数週間で全てが完売した。

規制・規定の枠から離れ、より軽くよりパワフルに

心臓部にはマクラーレン製4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載。電子制御ツインスクロール・ターボチャージャーを備えた「M840TR」型ユニットは、最高出力825ps(814bhp)、最大トルク800Nm(590lbft)を発揮する。エンジン制御システムの変更、そして2次触媒を取り外して背圧を減らしたことで、ベースエンジンから最高出力が25psも増加。また、触媒を取り外したことでエキゾーストノートもさらに向上している。

リヤホイールの前方のサイドパイプを通って外に出ていた、コンセプトカーのエキゾーストシステムは、後方排気システムに変更。パイプはリヤウィングの下部を通り、「セナ」と同じ位置にあるリヤデッキから排出される。この変更は純粋にエンジニアリング上の理由によるもので、車両重量の軽量化が実現している。

ドライバーは「ウェット」「トラック」「レース」という、3つのパワートレインモードから選択することが可能。新たに登場した「ウェット」の設定は、ESP(横滑り防止装置)とABS(アンチロック・ブレーキシステム)の電子システムを補助し、特にウェットタイヤ装着時の使用が想定されている。

ローンチコントロール機能を含むトランスミッションは、ベースモデルから引き継がれた、7速シームレスシフト・ギヤボックス(SSG)が採用された。

サーキット走行に特化した特別なエアロダイナミクス

今回、エアロダイナミクス面での効率性を最適化し、極端なまでにサーキット指向を強めるために、エアロダイナミクス面の全要素が徹底的に精査された。ピークダウンフォースは1000kgを超え、公道走行仕様の「セナ」が250km/h走行に記録したダウンフォースレベルの800kgを大幅に上回っている。また、ドラッグ抑制により15%も遅い速度域で同レベルのダウンフォースを確保した。

フロントスプリッターの形状が再設計され、リヤディフューザーが小型化。コンセプトからの変更点としては、車体下のエアフローを安定化させるためフロントコーナーに新設計のダイブプレーン、サイドのボルテックスジェネレーターを採用。この結果、あらゆるスピード域において、フロントからリヤまでバランスのとれたダウンフォースが発生されるようになったという。

新型フロントスプリッターは中央部分が盛り上がっており、これにより車体下を通るエアが、よりスムーズにディフューザーへと導かれる。ディフューザーの効率性も新型リヤウィングによって最適化。このリヤウィングには、LMP1スタイルのエンドプレートが採用されたことで、エアが効果的に側面からボディ後部に送られる。

「GTRコンセプト」では、標準タイプの「セナ」と同じウイングが装備されていたが、形状だけでなく設置位置をより後方に変更。「公道規制から解放された」ポジションにより、ウイングをディフューザーと直結することが可能になり、ボディ後部の上を通るエアフローを最大限に活用することが可能になった。

エアコン以外の快適装備はすべて取り外される

カーボンファイバー技術は新たな次元に引き上げられており、軽量化と圧倒的な強度を実現。マクラーレン・オートモーティブがこれまで生産した中で最軽量な車両となり、その乾燥重量は1188kgという驚くべき数値となった。

シャシーのコアとなっているのは、中央に位置する「マクラーレン・モノゲージIII-R」構造。安全性に優れたこのカーボンファイバー製セルには、ロールケージが組み合わされ、さらに剛性アップを図っている。フロントにはアルミニウム製サブフレームとアルミニウム製エンジンフレームがあり、フロントとリヤには複合素材のクラッシュビームが取り付けられた。

車高は1195mmで、公道走行用の「セナ」より34mm低く設定。フロントのトレッドは77mm拡大して1731mm、リヤトレッドは68mm広がり、1686mmとなっている。

注入式エアジャッキ、ピット無線、自動消火システム、データロガーといった、サーキット専用装備を搭載。タッチスクリーンやオーディオシステムといった快適装備は、全て取り外された。ただし、サーキットのあらゆる条件で快適さを確保するため、エアコンは搭載されている。

ウインドスクリーンと、スライド式開口部がついたサイドウィンドウは、ポリカーボネート製。燃料給油口はレーシングタイプを採用する。カーボンファイバー製エアロパーツは、標準装備ではグロス仕上げ。ホイールは「グロスブラック」「レースシルバー」「マットダークグラファイトから選択できる。ドアストラットとブレーキキャリパーのカラーは「アズーラブルー」「レッド」「マクラーレンオレンジ」から指定可能だ。

ドライバーの95%が性能の95%を引き出せるマシン

今回、マクラーレン・オートモーティブのエンジニアが設定した目標は、ドライバーの95%が、性能の95%を引き出せること。このターゲットをクリアするため、マクラーレンのGT3レースプログラムで開発されたサスペンションが採用された。

日常ユースを考慮した可変式ライドコントロール・サスペンションは、サーキットでは必要なくなったため、代わりにマクラーレンのカスタマー・レーシング・プログラム用GT3サスペンションを採用。アルミニウム製ダブルウィッシュボーン、スプリング、アップライト、アンチロールバーを採用したことで、重量を削減しただけでなく、構造の複雑さも解消された。4段階での調整が可能なダンパーとともに、ソリッドブッシュが装備されており、キャンバーも調整可能となっている。

ホイールを18インチに制限するGT3規定に適合する必要がないため、ホイールは公道走行仕様の「セナ」と同じセンターロック・19インチが採用された。ウルトラ軽量アロイホイールも、現行のGT3規定で定められている寸法よりワイドになっており、フロントは10J・リヤは13J。19インチタイヤはピレリ製スリックタイヤで、サイズはフロントが285/650、リヤが325/705となっている。

ブレーキは、フロントに鍛造アルミニウム製モノブロック・6ピストンキャリパー、リヤは4ピストンキャリパーを装備。機械加工の冷却ベーンを備えた、390mmの多層構造カーボンセラミックディスクが組み合わせられた。また、標準仕様と同様にリヤウィングにはエアブレーキ機能が備えられており、最大減速性能は約20%向上している

すべてのモデルが左ハンドル仕様で製造

製造される全車が左ハンドル仕様。これはサーキット専用車の場合はステアリング位置が大きな問題にならない事に加え、購入者のほとんどが左ハンドルの地域在住であるという事実を考慮した結果だという。

6点式ハーネス付きFIA認定軽量カーボンファイバー製レーシングシートが標準装備。パッセンジャーシートも無償オプションとなっている。キャビンにはエアバッグ、インフォテインメント、ドライバーサポート機器は装備されていない。インテリアのカーボンファイバーパーツはサテン仕上げとなり、シルはブラックのカーペット。天井部分にはアルカンターラが使用されている。

ドライバースクリーンはシンプルに主要データを表示。その上部にはギヤシフトLEDを配置した。ポッドサイドにあるLEDは、耐久仕様のレーシングカーと同じように、追突回避レーダーシステムを通じて背後の車両との距離をカウントダウン。追加のセンターディスプレイは、リヤに取り付けられたカメラの画像を表示する。

リーチと角度が調整可能なクイックリリース式ステアリングホイールはGT3仕様に準じており、シフトチェンジ用のパドルが組み込まれている。ピットとの交信用無線機とともに、前方とキャビン内を映す2基の車載カメラも搭載。エンジンスタートボタンは、標準仕様と同様にルーフに取り付けられている。

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