はじめに フォルクスワーゲンTロックとは
text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
【画像】海外にはすでに派生車種 Tロック・カブリオレ/R【バリエーション】 全120枚
7月15日、フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンは、新型のコンパクトクロスオーバーSUV「T-Roc(Tロック)」を発表した。
Tロックは、フォルクスワーゲンのSUVラインナップではティグアンとTクロスの間に位置する。
ドイツ本国やヨーロッパでは2017年に発表されていたが、日本では諸般の事情で2018年に発表された弟分のTクロスのほうが先に導入されていた。
Tロックという車名の「T」は、ティグアンやトゥアレグなど、フォルクスワーゲンのSUVは頭文字が「T」で始まることから、ロックはSUVが活躍するフィールドである岩場のロック(Rock)や、このクルマが時に激しく、時に静かにセグメントをロックする(揺り動かす)存在を目指していることに由来している。
コンパクト/スモールSUVセグメントの新たなベンチマークを目指すというフォルクスワーゲンTロック。その概略を紹介していこう。
フォルクスワーゲンTロック 外観
Tロックのサイズは、全長4240×全幅1825×全高1590mm、ホイールベースが2590mm。
先に述べたようにフォルクスワーゲンのSUVラインナップの中ではティグアンとTクロスの間に位置するが、サイズ的にはTクロスを少し大きくしたという印象だ。
ゴルフの車高を高めてSUV化したようなTロックだが、Cピラーを少し寝かせたクーペSUV風のスタイルが特徴的だ。
フロントまわりでは、デュアルヘッドライトと一体化した幅の広いラジエターグリル、その上に設置された幅の狭いクロームストリップ、さらにグリル下には太いクロームアクセントなど、直線基調で存在感のあるフロントマスクを構成している。
ヘッドライトはほとんどのグレードでLEDを採用している。
サイドビューでは、Aピラーからサイドルーフ全体にわたって延びてCピラーへと繋がる、印象的なクロームエレメントがサイドのプロフィールを強調している。
Cピラーは、クーペのように弧を描きながら下方へ向かい、「タルガバー」を連想させる視覚的アクセントとなっている。
また、TロックではフォルクスワーゲンのSUVとして初めてルーフセクション(Aピラーとドアミラーのハウジングを含む)にコントラストカラーを使った2トーン仕様を選ぶことも可能だ。
これらの効果で、Tロックの全高は実際より低く見える。
リアエンドは、リアウインドウを含むルーフセクション/テールライトやエンブレムなどが装着されたミドルセクション/バンパーエリアの3つのレベルから構成されている。
この構造により、フロント同様に水平基調でまとめられ、より低く、より幅広く、よりスポーティに見える。
フォルクスワーゲンTロック 内装
インテリアもエクステリア同様に水平基調を特徴としている。
インパネは表示系/操作系/そしてインフォテインメント・システムから構成され、その位置はエルゴノミクスを最適化するために比較的高く設定されている。
8.0インチ・ディスプレイのインフォテインメント・システムを備えたバージョンでは、表面が大型ガラスパネルに覆われて、タブレットのような外観となっている。
メーターパネルとインフォテインメント・システムは、インストゥルメントパネルを左右に横断する装飾トリムに一体化されている。
センターコンソール周辺も、インストゥルメントパネルのアクセントと同じカラーが採用されている。
コンソールも3つの水平レベルに分割され、一番上にはスタート/ストップ・システムやESC、ハザードランプなどクルマの重要な機能と空調コントロールのスイッチが配されている。
全長は4.2mあまりとコンパクトなTロックだが、2.6m近いロングホイールベースを有効活用し、5人の乗員に対する広い室内スペースを生み出している。運転席と助手席は高めの位置に設定され、視界を向上している。
ラゲッジスペースも、5名乗車時でもリアシートのバックレスト上端まで荷物を積載すると445Lと、同じセグメントの中ではトップクラスの容量を誇る。
60:40の分割可倒式リアシートバックを活用すれば、このクラスのSUVとしては最大級の1290Lにまで拡大する。
フォルクスワーゲンTロック シャシー
Tロックは、兄貴分のティグアンや弟分のTクロスと同様に、フォルクスワーゲンのFFとFFをベースとした4WD車用のアーキテクチャー、MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)をベースとしている。
サスペンション形式は、フロントがマクファーソンストラット(スタビライザー付き)、リアがトレーリングアーム。
これは、ゴルフVIIIの標準仕様と基本的に同じ形式(ゴルフの上級仕様はリアがマルチリンクとなる)。
つまり、今回日本に導入されるTロックの駆動方式は、2WD(前輪駆動)なのだ。
さらに、アダプティブ・シャシー・コントロール(DCC)を採用した。これは、電子的に調整可能なダンパーにより、サスペンション特性を非常にスポーティな設定から快適性重視の設定に変化させることができるものだ。
なお、このDCCはTロックの最上級グレードであるTDI Rラインのみに標準装備される。(グレードに関しては後述する)
ブレーキは、フロントがベンチレーテッドディスク、リアがソリッドディスク。タイヤサイズはグレードによるが、215/60R16、215/55R17、215/50R18、そして225/40R19の4種が設定されている。また最小回転半径は5.0mと小さく、街中や駐車場などでも扱いやすいだろう。
フォルクスワーゲンTロック パワートレイン
本国仕様のTロックにはガソリンエンジンも設定されているが、今回、日本に導入されるTロックのパワーユニットは、2L(1968cc)の直列4気筒DOHCターボディーゼル(TDI)のみとなっている。
最高出力は150ps/3500-4000rpm、最大トルクは34.7kgm/1750-3000rpm。このエンジンは、日本仕様のティグアンなどにも搭載されて定評のあるものだ。ティグアンのものとは、パワースペックや発生回転数も同じだ。
組み合わされるミッションは、7速のデュアルクラッチ・トランスミッション(DCT)であるDSG。低速域からトルクフルなTDIエンジンとの相性は良く、SUVらしい走りを堪能できる。
しかも、燃費もWLTCモードで18.6km/Lを達成しており、低燃費と高性能を両立したパワーユニットだ。燃料タンク容量は50L。もちろん軽油を使用する。
ガソリンエンジン車の日本導入に関してはアナウンスされてはいないが、4WDモデルの導入も含めて、将来的には十分に可能性は高いだろう。
フォルクスワーゲンTロック 装備
Tロックは、フォルクスワーゲンの上位モデルに匹敵する、充実した先進安全装備を備えている。
たとえば、「ACC」アダプティブ・クルーズコントロール(全車速追従機能付き)、「レーンアシスト」レーンキープ・アシストシステム、デイタイム・ランニングライト、ブラインドスポット・ディテクション(後方死角検知機能)、リヤトラフィック・アラートシステム(後退時警告・衝突被害軽減ブレーキ機能)、そして「フロントアシスト」プリクラッシュブレーキシステム(歩行者検知対応シティエマージェンシーブレーキ機能付き)が、全車に標準装備されている。
その他にも、エアバッグなどの衝突安全やポストコリジョンブレーキシステムといった二次被害を防止する技術なども採用されており、高い安全性を実現している。
快適装備でも、LEDヘッドライト(一部を除く)、インフォテインメントシステム「ディスカバー・プロ」、デジタルメータークラスター、モバイルオンラインサービスなど、充実した内容を誇っている。
フォルクスワーゲンTロック 価格
日本仕様のTロックは、4グレードが設定されている。グレード名と車両価格(消費税込み)は、「TDI スタイル」が384万9000円、「TDI スタイル デザインパッケージ」が405万9000円、「TDI スポーツ」が419万9000円、そして「TDI Rライン」が453万9000円となっている。
全車とも、ステアリング位置は右、ミッションは7速DCT、駆動方式はFFのみとなっている。グレードの違いは装備の違いのみで、パワートレインのスペックは共通だ。
フォルクスワーゲンTロック スペック
全長×全幅×全高:4240(TDI Rライン:4250mm)×1825×1590mm
ホイールベース:2590mm
車両重量:1430kg
パワートレイン:1968cc直4ディーゼルターボ
ギアボックス:7速DCT
最高出力:150ps/3500-4000rpm
最大トルク:34.7kgm/1750-3000rpm
駆動方式:FF
使用燃料:ガソリン
タイヤサイズ:215/60R16~225/40R19
フォルクスワーゲンTロック 公式動画
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みんなのコメント
ナビは販売店の店員が嘆くほどおバカ。残念。