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【ディスカバリー・スポーツの好敵手】メルセデス・ベンツGLB 220dへ試乗

掲載 更新 10
【ディスカバリー・スポーツの好敵手】メルセデス・ベンツGLB 220dへ試乗

プラットフォームはAクラスと共有

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)

【画像】GLBとディスコ・スポーツ、X1 全106枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


欧州ではランドローバー・ディスカバリー・スポーツと真っ向勝負となる、新しいコンパクトSUVのメルセデス・ベンツGLB。

これまで小さなディスカバリーは、7シーター・レイアウトと秀でたオフロード性能で、プレミアムSUV市場の1カテゴリーを独占してきた。このGLBは、英国ゲイドンのブランドに、冷や汗をかかせることになるだろう。

小さなGLSと呼べるGLBが土台とするのは、メルセデス・ベンツ製のMFA2プラットフォーム。ハッチバックのAクラスや、一回り大きいBクラスと、基本的には同じ骨格となる。

GLBの場合、3列目のシートを載せるために、MFA2は少し伸ばされている。全長は4.6mをわずかに超え、ディスカバリー・スポーツより長い。

英国で現在選べるエンジンは、4気筒のガソリンとディーゼル。加えて、プラグイン・ハイブリッドや高性能なAMGモデル、純EVモデルも順次投入予定となっている。

今回試乗するのは、ディーゼルエンジン版ではトップグレードとなるGLB 220d。最高出力189ps、最大トルク40.7kg-mを発揮する。

トランスミッションはメルセデス・ベンツ製の8速AT。前輪駆動ベースの四輪駆動システム、4マティックが組み合わされる。

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式でリアがマルチリンク式。アダプティブ・サスペンションはオプションで選択可能だが、AMGライン・プレミアムとなる試乗車には装備されていなかった。英国価格は、4万3280ポンド(579万円)だ。

ディスカバリーよりエンジンとATは好印象

このディーゼルエンジンは素晴らしい。ディスカバリー・スポーツD180に搭載されるユニットを、余裕で越えるパワー感がある。GLBの車重がディスカバリー・スポーツより220kgも軽いことも、大きな影響を与えているはず。

洗練性でいえば、アウディQ3やBMW X1で選べる4気筒ディーゼルほどではないものの、高負荷時に荒々しさを感じることもない。8速ATも、ディスカバリー・スポーツの9速ATより好印象。AT任せでもリズム良く変速してくれる。

背の高いボックス状のボディにも関わらず、操縦性も良好。高速コーナリング時はそれなりのボディロールも許すが、SUVに期待するものとして不足はない。GLBの評価を下げるものではないだろう。

グリップ力にも優れるし、ステアリングは直感的で正確。途中での修正操舵も不必要だ。ただし、ディスカバリー・スポーツの方が、ステアリングの操舵感は好感触ではある。

GLBのステアリングは軽く、車重やボディの大きさを隠そうとしているような印象を受ける。反面、ディスカバリー・スポーツの方はレシオがやや穏やかで、ダイレクトさが強く好ましい。

アダプティブ・ダンパーでなくてもGLB 220dの乗り心地は全般的に良い。負荷がかかった時でも、車重のあるディスカバリー・スポーツほどのしなやかさを感じないが、充分に快適だ。

波打った路面や継ぎ接ぎの多い区間では、乗り心地の硬さが目立つ。しかし、舗装の剥がれたくぼみなどを通過しても、しっかり処理してくれる。

コンパクトSUVとしての総合力は高い

インテリアは、メルセデス・ベンツにおけるGLBの親戚関係を強く匂わせる。光沢の強いブラックやシルバーのプラスティック製部品が多く用いられ、視覚的には少々賑やか。より高級感を感じさせるのは、ランドローバーの方だと思う。

ドライビングポジションは、予想通り、背筋を伸ばしたコマンドポジション。2列目も充分に広い。

荷室容量は500Lで利便性も悪くはないが、ディスカバリー・スポーツの897Lと比べると明らかに小さい。3列目シートを付けると荷室はさらに減るものの、そのかわり子供2人を乗せることは可能になる。

ディスカバリー・スポーツの競合グレードと比較すると、車両価格は安い。おそらく燃費の面でも、GLBの方に分がある。新しいGLBの総合力は高いといって良いだろう。

筆者の場合、ランドローバーの方が好みではある。しかし、メルセデス・ベンツGLBを好きになる理由は、沢山あることも確かだ。

メルセデス・ベンツGLB 220d 4マティック AMGライン・プレミアム(英国仕様)のスペック

価格:4万3280ポンド(579万円)
全長:4634mm
全幅:1834mm
全高:1658mm
最高速度:217km/h
0-100km/h加速:7.6秒
燃費:16.7-17.0km/L
CO2排出量:156g/km
乾燥重量:1735kg
パワートレイン:直列4気筒1950ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:189ps/3800rpm
最大トルク:40.7kg-m/1600-2600rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

10件
  • AピラーもDピラーも立ったデザインで、クーペ風デザイン無しでスッキリした四角いクルマ。好ましい。視界良好。
    最近はピラー寝すぎデザインが主流でキャビンが狭くて運転しづらいからね。
  • 550万。期待したよりちょっと高いな。この値段なら、うーん、自分もランドローバーの方が好みだなぁ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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