メルセデスにとって、F1カナダGPは実に複雑な週末となった。ジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得したものの3位フィニッシュ。4位だったルイス・ハミルトンはレースでミスが続き、「お粗末だった」と振り返った。
しかしライバルたちからしてみれば、カナダGPのメルセデスは今季これまでとは異なり、警戒すべき最速チームのひとつだった。もしコンディションが完全ドライだったら……結果は大きく変わっていたかもしれない。
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マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、少なくともドライコンディションではメルセデスがマクラーレンの手が届かないようなマシンを持っていたと考えている。
「私は木曜日にすでに何人かの同僚にこう言っていた。『メルセデスは最も速いチームのひとつだと思う』とね」
「モナコや以前のイベントで彼らが出したラップタイムのいくつかは、我々にとって週末のその段階で手が届かないようなタイムだった。燃料を少なくして、エンジンのパワーを上げたとしても我々には出せないようなタイムだったんだ」
「彼らはポテンシャルを持っていたし、その使い方を学び始めていると思う」
ステラ代表が言うようなタイムのひとつが、カナダGPのFP3でハミルトンが出したトップタイムだろう。これは2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を0.374秒上回る圧倒的なものだった。
このギャップは、ソフトタイヤを1セット多く使用したことによる恩恵かもしれないが、このタイムがメルセデスの真のポテンシャルを示していないと考えるのは間違いだろう。
メルセデスのトト・ウルフ代表は週末を振り返り、チームが期待を抱いたのは、ハミルトンのアタックだけではないと語った。
「FP3でルイスは、この世のものとは思えないラップをした。あれはとても速かった」
「それから彼のロングランは”銀河的”なかなり驚異的なものだった。かなりペースが良かったんだ」
FP2でのロングランが天候によって満足に行なえなかったとはいえ、FP3でロングランをしたチームはそれほど多くなかったが、その中からハミルトンとフェルスタッペンのペースを比較してみよう。
ハミルトンのロングランにおけるラップタイムを並べると、1分18秒224から18秒278、17秒969、17秒533、そして17秒559、18秒490と続いた。
その少し後にロングランしたフェルスタッペンのタイムは、18秒777、18秒419、17秒980、17秒884、17秒982、17秒935、18秒334、18秒889、18秒327と推移していった。
このデータだけを見れば、ハミルトンの方が少し優勢には見えるが、ウルフ代表が言うほど突き抜けて良いペースだと言い切れない。
しかしもちろん、我々には各車がどれだけ燃料を積んでいたかが分からない。もし内情を知っているウルフ代表が驚くほど燃料を積んだ状態で走っていたのだとしたら、そうした感想が出てもおかしくない。
またカナダでメルセデスがライバルにインパクトを与えたのは、ラップタイムの面だけではない。メルセデスの好調ぶりがより顕著に見える証拠が他にあったのだ。
シーズンを通して、メルセデスのW15はポテンシャルがある兆しを見せてはいたものの一貫性がなく、特に低速コーナーと高速コーナーの両方でマシンの能力を最大限に引き出すことに苦労してきた。
低速コーナーでのアンダーステアを改善しようとすれば、高速コーナーではオーバーステアが出てトリッキーなマシンになり、高速コーナーでリヤエンドを安定させようとすれば低速コーナーではターンインしづらい回頭性の悪いマシンになってしまっていたのだ。
しかしメルセデスが新しいフロントウイングを始めとした、一連のアップデートがマシンバランスの問題解決に大いに役立っているようだ。そして以前からマシンが持っていたポテンシャルを最大限に発揮できるようにするために必要な最後の一歩が、カナダGPで踏み出されたのかもしれない。
マクラーレンのステラ代表は、オンボード映像を見てもメルセデス勢のパッケージが強力なことに疑いの余地はないと語っている。
「メルセデスがフロントウイングを改良することで、いくらかパフォーマンスを引き出すことができたとしても驚かないよ」
「以前のフロントウイングが抱えていた問題を解決した可能性もある。もしかしたら実験的すぎたか、期待通りの性能を発揮できていなかっただけかもしれない」
「でもフロントウイングを開発したことで、彼らのフロントエンドはとても強くなったように見える」
「メルセデスのドライバーたちのオンボードを見ても、ノーズをコーナーのエイペックスに合わせるためにステアリングを切る必要がほとんどなかった。これは良い時に見られる兆候だ!」
次戦スペインGP以降、メルセデスがどんなパフォーマンスを見せるのか、カナダでのパフォーマンスを維持できるのかは注目すべきトピックだと言えるだろう。
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