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6冠の“帝王”ヨッヘン・ハーンが待望の今季3勝目も、王者キスがハットトリック/ETRC第6戦

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6冠の“帝王”ヨッヘン・ハーンが待望の今季3勝目も、王者キスがハットトリック/ETRC第6戦

 昨季は週末に4人の異なる勝者が誕生し、チャンピオンシップの順位を大きく変動させたベルギーはゾルダーにて、2023年ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ第6戦が開催された。

 約2週間ぶりとなったレースウイークでは、依然としてシリーズ独走を続ける王者ノルベルト・キス(レベス・レーシング/マン)が、開幕からの連続ポールポジション獲得記録をさらに更新して週末3勝を飾ったものの、オープニングとなるレース1では選手権6冠の“帝王”ことヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)が意地の勝利を挙げ、待望の今季3勝目を手にしている。

今季無双の王者キスが早くも年間13勝到達も、地元ラッコが意地のホームレース制覇/ETRC第5戦

 今季2023年すべての予選ポールポジションを獲得し、ここまでの20戦中14勝を挙げたキスは、9月9~10日のゾルダーでも上位5台が秒差圏内で並ぶETRCとしては近接したセッションでも優位を保つと、スーパーポールセッションで1分56秒688と唯一の56秒台を叩き出した。

 そのキスと並んでフロントロウからスタートを切ったハーンだが、コース上での勝負でも直接対決ではマンに分があるのは明白で、ジリジリと離される展開に。しかし3周目にレベス・レーシングの真紅のトレーラーがターボチャージャーの故障に見舞われ、まさかのペースダウン。ディフェンディングチャンピオンはラップペースを落として走り続けようとしたが、メインストレートでコンポーネントが故障し、ここでリタイアを余儀なくされた。

 その際にはFCY(フルコースイエロー)やセーフティカーの状況を避けようと、キスはピットウォールの開口部で停止し、トラックをバックさせて本コースから避ける位置で停車、レース2に向けクルーがパドックに戻せるよう配慮する冷静さも見せる。

 このトラブルについて聞かれた王者キスは「とても残念だ」と、不慮の事態に肩を落とした。「この週末の幕開けでもこうしてセーフティーに先頭に立ちギャップを築いたところ、ターボチャージャーが止まってしまったようだ。 こんなかたちで勝利を逃したのは明らかに残念だが、トラックレースではよくあることだね」

 これでリードを引き継いだハーンは、クリーンなレースを展開して週末初勝利。サッシャ・レンツ(SLトラックsポーツ30/マン)とプロモーターズ・カップ登録のホセ・エドゥアルド・ロドリゲス(ロボコノーテ・レーシング・トラックチーム/マン)が総合の表彰台を獲得した。

■“帝王”も、勢いがとどまることない現王者にお手上げ状態

 だが現地時間16時40分から始まったレース2以降、懸命の修復作業でスタートに間に合わせたキスがいつもどおりに席巻する展開となり、復調したマンはオープニングラップですでに最後尾から7番手までジャンプアップしてくる。

 その前方ではバトルによる接触アクシデントも発生し、複数台がグラベルトラップに沈むなど、王者キスにとってはオーバーテイクするトレーラーヘッドの台数が減る幸運も重なると、10周目突入時点でアントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)を仕留めたキスが首位に浮上する。

 しかしこの直前、ターン5でステファン・ファース(タンクプール24レーシング/スカニア)がコースアウトし、タイヤバリアの奥深くで停止したことでレッドフラッグ。バリアの修復作業が必要だったこともあり、レースは3周を残して早期終了を迎える。

 本来、赤旗が出されている場合は最後に完了したラップの終了時点に基づいてリザルトが確定するため、首位攻防は流れが逆転し、0.050差でアルバセテが勝利の暫定結果となった。

 しかしレース後、アルバセテがスタート手順に従わなかったとする5秒のペナルティと、決勝中の「走路外走行により不当なアドバンテージを得た」とする5秒のペナルティが加算され、最終的にキスの今季15勝目が確定した。

 これで完全復調となったハンガリー出身の4冠ドライバーは、明けた日曜も予選ポールからの“サンデー・ダブル”を完成させ、週末3勝、今季17勝まで勝利数を伸ばしてゾルダーを後にした。

 一方、日曜日の夜に週末を振り返った“帝王”ハーンも「金曜日には小さな問題があったが、この素晴らしい結果には十二分に満足している」と喜びを語った。「最初のレースで優勝したことに加えて、表彰台を2回獲得し、チャンピオンシップで2位を固めることができたからね」と、今季も猛威を振るうマンのライバルに『お手上げ』といった様子のハーン。

 今季も残すは2戦となったETRC第7戦は、今月早くも3戦目となる9月23~24日の週末に、シリーズ恒例ル・マンのブガッティ・サーキットで争われる。

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みんなのコメント

1件
  • こんなので走ってるのみても、楽しいとは思えない。
    毒ガスディーゼルを直管にして走らせて、何の意味がある?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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