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アバルト生誕70周年のアニバーサリーイヤーに見せつけられたサソリ魂の原動力

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アバルト生誕70周年のアニバーサリーイヤーに見せつけられたサソリ魂の原動力

Abarth Days 2019

アバルト デイズ 2019

アバルト生誕70周年のアニバーサリーイヤーに見せつけられたサソリ魂の原動力

アバルト70周年の大フィナーレ

オーストリア・ウィーン生まれのカール・アバルトがイタリア・トリノにカルロ・アバルトとして会社を興して70年。2019年はアバルトブランドの古希を祝う節目のタイミングとして、日本でも数々の記念限定車や特別イベントが催された。そのアニバーサリーイヤーの大フィナーレを飾ったのが、富士スピードウェイで開催された「アバルト デイズ 2019」だ。

アバルトデイズは日本における最大かつ公式のアバルトイベントとして2010年から行われている。70周年を祝う2019年は初めて富士スピードウェイに舞台を移し、スケールを拡張しての大規模な催しとなった。

総勢291台のアバルト車が来場

快晴の富士スピードウェイに集まったアバルト車の数は、じつに291台。124スパイダーや500、595、695、プントアバルトなどエッセエッセなホットモデルがパドックを埋め尽くした。

富士スピードウェイのレーシングコースをはじめドリフトコースとジムカーナコースまで丸一日貸し切るという太っ腹なイベントで、レーシングコースではオーナー車によるパレードランやヒストリックモデルのデモラン、ドリフトコースとジムカーナコースではオーナー向けのドライビングレッスンが行われた。

クラシックアバルトが時空を超えて大集結

圧巻だったのがピッコロ・スーパーカーの面々。“移動博物館”とでも呼びたくなるほどのラインナップで、これだけ稀少なクラシックアバルトが一堂に介することはイタリア本国であってもなかなかないはずだ。

バブルルーフのアバルト 750 GT ザガート(1959年)やFRP製ボディをまとう1000 SP バルケッタ チュボラーレ(1966年)、OT 1300 セリエ2 ペリスコピオ(1967年)などの流麗なマシンをはじめ、カルロ・アバルトが所有していた695 SS ベルリーナ アセット コルサ(1969年)、ランチア アバルト ラリー(1981年)、フィアット アバルト 131 ラリー(1976年)、アウトビアンキ A112 アバルト(1985年)、アバルトのレーシングヒストリーに欠かすことのできない1000 TCRや最高速度215km/hを記録した1000ビアルベロGT勢などが勢揃い。

しかもいずれも“動態保存”コンディションであり、あちこちで獰猛なエンジン音が雄叫びをあげるたびにピット内が甘く苦い香りに包まれて、まるでアバルト神話の中に放り込まれたよう。

午後にはこのクラシックアバルトたちがトラック上をデモラン。快晴の空をつんざくサソリの咆哮に、まるで1960年代のイタリアのサーキットにタイムスリップしたような気持ちになった。

カルロ・アバルトが見つめる先

「どうぞ、お持ちください」

会場をそぞろ歩いていると、スタッフの方に林檎を手渡された。はて、と見るとそこにはまっ赤な林檎をどっさり積み込んだ木箱。その後ろにはカルロ・アバルトの写真が飾られている。

1965年10月20日、モンツァサーキットでアバルトはFIA世界スピード記録にチャレンジした。そこでクラス新記録を更新したドライバーこそ、57歳を目前に控えたカルロ・アバルトその人であった。彼はレコードカーの狭いコクピットに乗り込むため、林檎ダイエットで30kgの減量をした。

カルロ・アバルトの写真の前を、小さな子供やお母さんが嬉しそうに林檎片手に写真を撮り、595や500が元気よく転げるように走っていく。愛するアバルト車の前でゆったりくつろいだ表情のカルロの目は、遠い未来のアバルトファンの笑顔を楽しんでいるように見えた。

会場に訪れたアバルトファンは総勢531人。595に4人乗りでやってきた女性グループ、2代揃ってアバルトファンの親子連れなど元気はつらつでユニークな来場者の姿が印象的だった。アバルトの魅力はクルマであり、そのクルマを愛する人そのものにあるのだろう。

クルマとレース、スピードへの情熱を美しい病と呼んだカルロ・アバルト。70年を経てもなお色褪せず、これだけ多くのファンを惹きつけるサソリ魂は次の80周年にも、100周年にもきっと元気に生き続けているはずだ。

PHOTO/峯 竜也(Tatsuya MINE)

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みんなのコメント

2件
  • このブランドに電動化は似合わない。
  • 実際に会場へ行った身として、これ程までに凄いイベントは無いと思う。
    アバルトがアバルト乗りの為だけにフルコース貸切、しかも事前申請はあったにせよ入場も無料。
    もちろん、生誕祭という特別な日でもあったが、普通なら金を払って入ると思うがそれはない。
    有料イベントもあるが、無料イベントもあり、アバルトファンへのブランドの思いに圧倒された。
    一方で、偏りがあるのが寂しかった。
    記事にはプントと書かれているが、片手で足りる数だけ。アバルト=チンクという不変の公式は仕方ないが、主催側として199系プントのラリー車展示とかは欲しかったなと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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