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「車高の高いEクラス」に進化した3代目メルセデス・ベンツMクラス【10年ひと昔の新車】

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「車高の高いEクラス」に進化した3代目メルセデス・ベンツMクラス【10年ひと昔の新車】

2010年6月、現行のGLEへと繋がる3代目メルセデス・ベンツMクラスがワールドプレミアされて登場した。当時、3代目MクラスはプレミアムSUVとしてどんな評価を受けていたのか。ここではオーストリア・キッツブールで開催された国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2011年11月号より)

北米現地生産で大成功を納めたMクラスの3世代目
1997年、メルセデス・ベンツは当時最盛期を迎えようとしていた北米SUV市場に、どの海外メーカーよりも早く現地生産という武器で先制攻撃を仕掛けた。そしてそのMクラスの作戦は功を奏し、2005年にフルモデルモデルチェンジを受けて2世代目となっても販売は好調で、2011年4月までの14年間におよそ120万台を世界に向けて出荷するなど、このセグメントにおいて大成功を納めたのである。

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そして今回その3世代目が誕生し、オーストリアの保養地キッツブールで試乗会が開催された。ニューモデルは特徴的なCピラー、そしてリアのラップラウンドウインドウなど基本的な外観には大きな変化はなく、だれがどこから見てもMクラスに見える。

しかし新旧並べて観察すると、ヘッドライトやラジエータグリル、バンパーなどの形状が変わったのをはじめ、サイドパネルのオーバーフェンダー状のプレスラインが消えていることがわかる。またリアのコンビライトも横長の台形に変わった。

加えて、このリデザインによって、Aピラー、フロントバンパー、ルーフスポイラー、アンダーフロアの空力特性が改善されて、Cd値はこのセグメント最良と言える0.32へと向上している。もちろんこれは、後述するように燃費の低減にも繋がっている。

サイズは全長4804mm(従来比プラス24mm)、 全幅1926mm(同プラス15mm)、全高1796mm(同マイナス19mm) とわずかに大きくなったが、ホイールベースは2915mmと変わっていない。しかしラゲッジルーム容量は通常で690L、リアシートのバックレストを倒せば2010Lと従来よりも若干大きい。

充実した装備とクオリティはまるでEクラスのSUV版だ
アイポイントの高い典型的なSUVドライビングポジションからインテリアを見渡すと、従来と比べて一層高級な印象を与えていることがわかる。とくに丹精込めて作られているレザーのステッチはまるで工芸品のようで、さらにアルミやウッドのアプリケーションで豪華さも演出している。MY COMANDも充実しており、14.7cmのモニターは上方の見やすい位置に移っている。

ニューML350ブルーエフィシェンシーに搭載されるV6エンジンは、3498ccと排気量こそ従来と変わらないが、内容は大きく進化し、最高出力は306ps/6500rpm、最大トルクは370Nm/3500-5250rpmとそれぞれ向上している。またガソリンエンジンでもっとも厳しいと言われるユーロ5をクリアしている。

組み合わされるトランスミッションはエコ・スタートストップ機能を持った7Gトロニック プラスで、燃費低減コンバーター、フリクション低減ベアリング、トランスミッションオイルサーマルマネージメント システムなどを新たに採用、欧州新ドライビングサイクルで100km走行あたり8.5L(11.8km/L)、実に25%も燃費を低減し、カタログ上の性能は0→100km/hが7.6秒、最高速度は235km/hを発揮する。

走り出すとまず路面、そしてエンジン及びボディ、駆動系からノイズが非常に小さくなっていること、そして様々な条件での距離をこなしていくうちに乗り心地が一段と洗練されていることが感じられた。さらにアンチカーブシステムが効果的にロールを抑えるので、山間のワインディングロードでもリラックスして駆け抜けることができた。

一方、4マティック、4ETSを中心としたオフロード性能は少しもスポイルされておらず、このテストデイに用意された「まさか、ここを走るんではないでしょうね!」と叫びたくなるような急斜面を軽々と登り降りすることができた。もちろんこのようなシーンを体験するにはオプションのオン&オフロードパッケージが必要となる。このシステムではスペシャルオフロードモードを含む6種類のドライビングモードが選択できる。また標準でもPRESAFEをはじめ安全装備の充実ぶりは類を見ないほどだ。

新しいMクラスは、静粛性と乗り心地を中心とした快適性、目覚ましい燃費低減を達成した環境性能、そしてインテリアに見られる高い品質など、正常進化を果たしたものとなった。それはひと言で表現すれば「ドライビングポジションの高いEクラス」と言っていいだろう。 

ドイツでの価格は5万6763ユーロ(約600万円)で、従来からの価格上昇はML350ブルーエフィシエンシーでわずか50ユーロ(約5200円)と良心的な範囲に収まっている。ドイツでは11月からデリバリーが開始される。(文:木村好宏)

メルセデス・ベンツ ML 350 4マティック ブルーエフィシェンシー主要諸元
●全長×全幅×全高:4804×1926×1796mm 
●ホイールベース:2915mm
●車両重量:2130kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3498cc 
●最高出力:225kW(306ps)/6500rpm
●最大トルク:370Nm(37.7kgm)/3500-5250rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:4WD
●最高速度:235km/h
●0→100km/h加速:7.6秒
※EU準拠

[ アルバム : 3代目メルセデス・ベンツMクラス はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Webモーターマガジン編集部
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