はじめに 新型SUV、GLB日本発売
text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
【画像】ベンツGLB(日本仕様)【実車 詳細写真】 全54枚
画像・諸元値には欧州仕様の情報を含みます。
6月25日。メルセデス・ベンツ日本はGLAのフルモデルチェンジと同時に、まったく新しいSUVのラインナップとなる「GLB」を発表した。
GLBは、メルセデス・ベンツとしては9車種目のSUVとなる。日本市場では、インポーターとしてはもちろん国産メーカーも含めて、これだけのSUVのラインナップを揃えているのは、メルセデス・ベンツならではといえるだろう。
GLBは、車名からも想像がつくように「GLA」と「GLC」の間に位置づけられるモデルだ。
Aクラスから始まったMFAプラットフォームを採用している。
つまり、Aクラス(ハッチバック)、Aクラス・セダン、Bクラス、CLA、CLAシューティングブレーク、そして新型GLAと、矢継ぎ早に登場している、Aクラス・ファミリーのニューバージョンとなる。
では、その概略を紹介していこう。
M・ベンツGLB 外観 AMGラインは?
GLBの外寸は、全長4634×全幅1834×全高1706mm、ホイールベースは2829mm(欧州仕様値:GLB 200 d)。同日発表の新型GLAと比べて、全長が220mmほど長く、全幅は同じで、全高は50mm近く高い。ホイールベースも100mm長い。
メルセデス・ベンツのSUVを代表するGクラスからインスピレーションを受けたという、スクエアでパワフル、かつシンプルなデザインが、本格的なSUVであることを示している。
フロントはクローム仕上げのアンダーガードと2本のパワードームを備えたボンネットがSUVとしての存在感とパワーを表現し、グリルにはメルセデス・ベンツのSUVに共通するツインルーバーデザインを採用している。オプション設定のAMGラインでは、ダイヤモンド・グリル、シングル・ルーバーなどでスポーティさを強調する。
ボディサイドはエッジやラインを減らし、前後ドアパネルやリアフェンダーなどの面の張りで力強さを演出。
フロント&リアエンドがほぼ垂直に切り立ったスクエアなデザインとし、ボディ下部にはプロテクターも装備して、本格的なSUVであることを表現した。リアでは、上下方向に細く横に長い2分割のリア・コンビネーションランプがボディのワイドさを強調している。
M・ベンツGLB 内装
GLBクラスのインテリアは、同じプラットフォームを採用するAクラスの兄弟たちと似ており、モダンでアバンギャルドなものにまとめられている。
ダッシュボードは、通常はインパネクラスターの上にあるカウルを採用せずに、10.25インチのワイドスクリーン・ディスプレイを2枚ダッシュボードの上部にレイアウト。解放感があり、横方向のワイドさを強調するデザインとしている。これは、すでにAクラスやBクラスなどでも採用しているものと、基本的には同じだ。
5つの円形エアアウトレットは、ジェットエンジンのタービンからインスパイアされたスポーティなデザインだ。エアアウトレットの奥の部分に色のアクセントを施し、ジェットエンジンのアフターバーナーを想起させる。
アンビエントライトは全64色で、それらを10種類の色彩の世界にまとめることで、鮮やかな色の変化を伴うライティングを実現している。
また、助手席ダッシュボード中央部やセンターコンソールのスイッチの両端部などには、力強さを表現するアルミニウム調のチューブデザインを採用。標準仕様のシートバック中央部には、左右から斜めに走るステッチがひし形状の模様を作り出し、力強さだけではなく、ラグジュアリーさも表現している。
M・ベンツGLB ユーティリティ
GLBのインテリアで最も特徴的なのは、3列シート7人乗りを採用したことだ。
日本の5ナンバーサイズに匹敵する4.7m級の全長ながら、3列7人乗りを可能にしたSUVという存在は「ミニバン的にも使えるSUV」として、日本でも人気を集めそうだ。
2列目シートは60:40分割で、140mmの調整が可能な前後スライド機構を備え、後ろにスライドさせて乗員に広く快適なレッグスペースを提供したり、前にスライドさせて積載性を高めることが可能だ。バックレストは40:20:40の3分割可倒式で、8段階の角度調整ができる。
3列目シートへは、2列目シートのバックレストにあるロック解除レバーを操作すると、2列目シートが前に倒れてスライドし、ワンタッチで乗り降りすることが可能。また、3列目シートはラゲッジスペースに格納することもできる。
ラゲッジスペースはVDA方式で130L~1680Lもの容量があり、テールゲート下部のコート用フックや2段階高さ調整式ラゲッジルームフロア、バッグ用フックなども備える。テールゲートは足をバンパー下部に差し入れたり、リモコンキーやテールゲートのボタンで操作できる自動開閉式を採用するなど、使い勝手が高められている。
M・ベンツGLB パワートレイン
日本仕様のGLBのパワーユニットは、「GLB 200 d」が2.0Lの直4クリーンディーゼル・ターボ、「GLB 250 4マティック・スポーツ」が2.0Lの直4ガソリン・ターボを搭載している。
ディーゼル・ターボは最高出力が150ps、最大トルクが32.6kg-mを発生。コモンレール方式やマルチウェイ排出ガス再循環(EGR)、尿素SCRシステムなどを採用し、全域でトルクフルな加速を可能にしながら、排出ガスの浄化も図られている。
ガソリン・ターボは可変バルブタイミング機構のカムトロニックも搭載し、最高出力は224ps、最大トルクは35.7kg-mを発生する。
どちらのエンジンも、ミッションは新開発の8速デュアルクラッチの「8G-DCT」が組み合わされる。駆動方式は、GLB 200 dは2WD(前輪駆動)となるが、GLB 250 4マティック・スポーツでは4WDに。
後者はダイナミックセレクトのスイッチを操作することで、前後のトルク配分を「ECO/コンフォート(前80:後20)」、「スポーツ(70:30)」、「オフロード(50:50)」の3モードに変えることができる。
M・ベンツGLB 装備
GLBも最新のメルセデス・ベンツ車と同じように、対話型インフォテインメントシステムのMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)を搭載。
「ハイ、メルセデス」のボイスコントロールが可能な、人工知能による学習機能で、特定のユーザーに適応する個別対応能力を備えている。スマートフォンのコネクティビティ関連機能も拡張された。
また、自動運転の開発へとつながるインテリジェントドライブのシステムは、Sクラスと同等のものを採用している。歩行者・車両の飛び出しを検知した場合や、先行車両や障害物を回避できない場合の自動緊急ブレーキによる被害軽減機能、車線維持機能、斜め後ろの死角の車両との衝突回避を支援する機能などを備えている。
さらに、ステアリング・アシスト、アクティブ・レーンチェンジング・アシスト、アクティブ・エマージェンシーストップ・アシストといった安全運転支援システムも採用し、しかも、その作動が自然で機械的なぎこちなさが排除されているのも特徴的だ。
M・ベンツGLB 価格
メルセデス・ベンツの新SUVモデル、GLB(日本仕様)は、本日から予約注文の受付けを開始した。ユーザーへの納車は、今年の7月ごろを予定している。
グレードと消費税込み価格は下記のとおりとなっている。
GLB 200 d:512万円
GLB 250 4マティック・スポーツ:696万円
なお、日本仕様のハンドル位置は、いずれも右のみとなっている。
M・ベンツGLB スペック
メルセデス・ベンツ GLB 250 4マティック・スポーツ
スペックには欧州仕様値を含みます。
税込み日本価格:696万円
全長×全幅×全高:4650×1845×1700mm
ホイールベース:2830mm
エンジン:2L 直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:8速DCT
最高出力:224ps/5500rpm
最大トルク:35.7kg-m/1800-4000rpm
タイヤ:235/45R20
車重:1760kg
駆動方式:4WD
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みんなのコメント
最近はAクラスファミリーもググッと良くなったなあ