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メルセデス・ベンツの7人乗り電気自動車「EQS SUV」が日本上陸。ショーファードリブンとしてもファミリーカーとしても万能な、マルチタレントぶりに驚いた

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メルセデス・ベンツの7人乗り電気自動車「EQS SUV」が日本上陸。ショーファードリブンとしてもファミリーカーとしても万能な、マルチタレントぶりに驚いた

2023年5月29日、メルセデス・ベンツ日本はラグジュアリーSUV電気自動車「EQS SUV」を発表し、販売を開始した。メルセデスEQシリーズの第6弾は、電気自動車専用のプラットフォームを用いた初のSUVモデル。さっそく実車を確認する機会があったので、その印象をレポートする。

メルセデス・ベンツのEQシリーズ第6弾は、全長5mを超える7人乗りのフルサイズSUV
メルセデス・ベンツが送り出す電気自動車には、先頭に「EQ」という名前がつく。そして各モデルには、それに続いてクラスを表すアルファベットが刻まれる。このたび日本に上陸したのはEQ“S” SUV。Sと名付けられるから、これは最上級のクラスであることがわかる。EQSはすでに、セダンタイプが2022年9月に日本発売を開始しているが、そのSUVモデルが上陸したというわけだ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

EQS SUVのサイズは全長5130(5135)×全幅2035mm×全高1725mmとかなり立派(カッコ内はオプションのAMGラインパッケージ装着車)。このサイズは、メルセデス・ベンツのフラッグシップSUV GLSと比較すると全長が90(85)mm短く、全幅は80mm広く、全高は100mm低い。つまりGLSと比べてよりローアンドワイドなフォルムであることがわかる。

実車を目の当たりにすると、7人乗りのSUVというのにあまり背は高くない印象だった。けれど、5mを超える全長と2mを超える全幅によって、威風堂々とした王者の風格が漂っていた。

そして目を引くのは、エンブレムであるスリーポインテッドスターが散りばめられた大型のグリル。特徴的なデイタイムランニングライトと相まってEQS SUVの個性を際立たせている。パワードームを備えたボンネットフードはSUVらしさを強調させる一方で、大きく伸びやかなボディにはキャラクターラインがなく、全体にすっきりして見える。

5ナンバーコンパクトカー並みの小回り性能
それにしてもEQS SUVの迫力には圧倒された。ダイヤモンドホワイトのボディカラーをまとった450 4MATIC SUVが2台と、マヌファクトゥーアアルペングレーの580 4MATIC SUV スポーツが2台展示されていたが、迫力は同じでもテイストが少し違う。前者はエレガントな雰囲気を存分に漂わせ、後者は引き締まったスポーティな印象だった。

EQS SUVのボディーカラーは全部で7色。18万7000円の有償カラーとなるダイヤモンドホワイトとマヌファクトゥーアアルペングレーに加えて、無償カラーのオブシディアンブラック、ソーダライトブルー、ハイテックシルバー、エメラルドグリーン、セレナイトグレーを用意する。

フルサイズのSUVだから、日本の道路環境を走るにはオーバーサイズではないか、と心配する人もいるだろう。しかし、メルセデス・ベンツの特徴のひとつである取り回しの良さはEQS SUVでも健在で、なんと最小回転半径は5.1m。5ナンバーコンパクトカー並みの小回り性を持っている。これは最大操舵角が10度におよぶリア・アクスルステアリング(後輪操舵システム)を標準装備しているおかげだ。

また全車4MATIC(4輪駆動)のため、悪路走行に適したオフロードモードや、カメラを用いて車体の下を擬似的にディスプレイに映し出すトランスペアレント機能を搭載。道を選ばず安心してドライブを楽しむことができる。

大人7名がゆったり過ごせる室内空間を確保。MBUXハイパースクリーンも用意
インテリアは、EQSと共通のデザインを採用する。違いは、EQS SUVに用意されたアルミ製のスリーポインテッドスターが散りばめられた大きなウッドトリムと、前席のドアポケットが大きく広げられている点。ドアポケットが大きいのは、セダンと比べてSUVは車高の高さに合わせてドアが大きくなっているためである。

そしてEQSと圧倒的に異なる点が、3列目シートが用意されているところだ。EQS SUVは7人乗りで、EQSと同様のホイールベースは3210mmと長く、後席の広い室内空間と開放感の良さは約束される。

実際に中を覗いてみると、大人7名が快適性を犠牲にすることなくドライブを楽しめそうだと感じた。運転席のヘッドクリアランスはEQSと比べて5cm高く、2列目シートはシートヒーターに加えて前後130mmの電動スライド、電動リクライニング機能が標準で装備される快適仕様。そして3列目シートにもシートヒーターが標準で備わるというからすごい。

インテリアはEQSにも採用された「MBUXハイパースクリーン」を用意する。これは、3枚の高精細パネル(コクピットディスプレイ、有機ELメディアディスプレイ、助手席用有機ELフロントディスプレイ)とダッシュボード全体を1枚のガラスで覆うワイドスクリーンで構成されているというもの。助手席用にも大型のディスプレイを用意しているところが最大の特徴で、そこではゲームをしたり、動画視聴できる機能を備えている。さらにインターネット接続を行えば、ネット検索もできる。

このMBUXハイパースクリーンは、580 4MATIC SUV スポーツという上級グレードに標準で装備され、450 4MATIC SUVにもオプションで装着することができる。このスクリーンを備えると、車内の過ごし方がまた大きく変わりそうだ。

航続距離は最大593km。安心してロングドライブができる性能を確保する
気になるEQS SUVの一充電走行距離は、WLTCモードで450 4MATIC SUVは593km、上級グレードの580 4MATIC SUV スポーツは589kmだ。バッテリー容量はEQSと同じ107.8kWhで大容量。450 4MATIC SUVのシステム最高出力は360ps、最大トルクは800Nmで、580 4MATIC SUV スポーツ
のシステム最高出力は544ps、最大トルクは858Nmを発揮する。

Cd値は0.26を記録しており、EQSの0.20には及ばないものの空力性能は依然として優秀で、航続距離の長さに大きく寄与している。またEQS SUVはV2H/V2L(外部給電機能)も備えており、キャンプなどのレジャーや、災害などの非常時に活躍する。

EQS SUVは、最大6.0kWの200V普通充電と、最大150kWの急速充電(CHAdeMO規格)に対応する。150kWの急速充電を使用すれば、わずか49分でバッテリー残量を10%から80%まで増やすことができる。

この強力な電力に耐えうるバッテリーを安全に使用するために、メルセデス・ベンツはEQケアという保証サービスを用意している。これにより、10年もしくは25万kmの性能を保証しているため、安心してメルセデス・ベンツの電気自動車を堪能することができる。

そのフルスペックを活かしきるためにも、日本の自動車向け急速充電インフラがさらに充実することを期待したい。

1542万円から、という競争力の高い価格設定に「本気」を感じる
EQS SUVの価格は、450 4MATIC SUVが1542万円、580 4MATIC SUV スポーツは1999万円だ。EQS が1563万円からであると考えれば、非常に競争力の高い価格設定だとわかる。ちなみに納車は2023年5月29日から始まる。

メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長によると、EQS SUVのメインターゲットは50代のファミリーだという。親子3世代で旅行へ行ったり、休日に荷物をたくさん積んでレジャーへ出かけたり、幅広いニーズに応えているのがEQS SUVの魅力だ。

“S”の名が与えられるEQシリーズの最上級SUVは、メルセデス・ベンツの気合いが入ったラグジュアリーSUVであることは間違いない。今回は試乗体験こそ叶わなかったが、今後試乗する機会があれば、ぜひその極上体験もレポートしたいと思う。

メルセデス・ベンツ EQS 450 4MATIC SUV 主要諸元  ※()内は580 4MATIC スポーツ SUV
●全長×全幅×全高:5130(5135)×2035×1725mm
●ホイールベース:3210mm
●車両重量:2880(2900)kg
●蓄電池種類:リチウムイオン電池
●モーター:交流同期電動機×2
●システム最高出力:265(400)kW/360(544)ps
●システム最大トルク:800(858)Nm
●バッテリー総電力量:107.8kWh
●WLTCモード航続距離:593(589)km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:265/50R20(275/45R21)
●車両価格(税込):1542(1999)万円

[ アルバム : EQS SUV はオリジナルサイトでご覧ください ]

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