6月1日、2024年MotoGP第7戦イタリアGPのスプリントがムジェロ・サーキットで行われ、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が優勝を飾った。
午前に行われたフリー走行2回目は、初日最速のバニャイアがトップタイムをマークした。2番手はマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)、3番手はフランコ・モルビデリ(プリマ・プラマック・レーシング)となった。
【順位結果】2024MotoGP第7戦イタリアGP 予選総合
■マルティンが新たにオールタイムラップ・レコードを樹立し、今季3度目のポール獲得
予選Q1は気温20度、路面温度34度のドライコンディションで始まった。序盤は、FP2で好調だったモルビデリが1分45秒465でトップに立つ。2番手には0.029秒差でファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPチーム)が続いていた。
残り5分を切ると、各ライダー達が再びアタックに入っていく。3番手につけていたラウル・フェルナンデス(トラックハウス・レーシング)がトップタイムを塗り替えると、ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)も2番手に続く。
しかし、その後モルビデリがオールタイムラップ・レコードを更新する1分44秒726で再びトップに浮上し、2番手のフェルナンデスとともに予選Q2進出を決めた。
続く予選Q2では、序盤からホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)がオールタイムラップ・レコードを更新する1分44秒504を叩き出す。2番手に続いたバニャイアは、セッション中盤も単独でアタックを遂行し、トップから0.043秒差まで縮めることに成功していた。
残り5分を切ると、マルク・マルケスが最後のアタックに入り、セクター1から2まで全体ベストのペースを刻んでいたが、10コーナーで転倒を喫してしまう。それによりイエローフラッグが振られ、数名のライダーがタイム更新を阻まれる展開に。
それでも、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)はセクター3まで全体ベストを刻んでいた。しかし、わずかに届かず3番手にとどまった。その結果、新たにオールタイムラップ・レコードを記録したマルティンがポールポジションを獲得、2番手はバニャイアが続いた。
ただし、バニャイアはプラクティスでアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)の走行を妨害したとし、決勝では3グリッド降格ペナルティが科されることになる。また、スプリントには適応されず、2番グリッドからスタートすることが出来る。
転倒があったマルク・マルケスは4番手、2戦連続での予選Q2ダイレクト進出を決めたアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)は、トップから0.792秒差の10番手という結果となった。予選は1秒以内に16台がひしめき合い、非常にタイムが拮抗した接戦が繰り広げられた。
■バニャイア、トップ快走でスプリント今季初勝利
午後も青空が広がる天候の下、ドライコンディションでスプリントレースがスタート。タイヤ選択は全ライダーがフロントにミディアムタイヤ、リヤにソフトタイヤを選択した。
まずは、好スタートを切ったバニャイアが1コーナーへ先頭で進入していく。2番手にエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)、3番手にマルティンが続く。4番手には13番手スタートのビンダーが順位を上げていた。
2周目に差し掛かる頃には、ややスタートで出遅れたマルク・マルケスがビンダーを早々に捉えて4番手に浮上。さらに、マルティンも2番手に順位を上げる。後方では、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)とミゲール・オリベイラ(トラックハウス・レーシング)が10コーナーで接触転倒。さらに翌周には、マルティンと接触したバスティアニーニが、1コーナーで転倒を喫した。序盤から転倒が相次いだ。
レース折り返し時点で、トップのバニャイアは後方に約0.7秒のリードを広げていた。接近戦で2番手争いを繰り広げるマルティンとマルク・マルケスの後方には、ペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)が徐々に迫ってきていた。
8周目、ここまで2番手を死守していたマルティンが1コーナーでまさかの転倒。これにより、マルク・マルケスが2番手、少し後方にアコスタが3番手というオーダーへと変わった。バニャイアとマルティンとの差は1秒以上あったが、マルク・マルケスは徐々にその差を埋めて、じわじわと詰め寄っていた。
残り2周、バニャイアとマルク・マルケスとの差は付かず離れずの距離を保っていた。わずかに射程圏内には捉えることができず、トップのバニャイアが母国GPとなるこの地で、スプリントとしては今季初勝利を飾った。2023年の第10戦オーストリアGP以来のスプリントでの勝利となった。マルク・マルケスは惜しくも、3戦連続の2位を獲得。3位にはアコスタが入った。
モルビデリは今季ベストタイの4位、ビニャーレスは5位に続いた。日本メーカートップは13位のリンス、ホンダ勢最上位は15位のヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)となった。チームメイトの中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は、16位で終えている。
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