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【新時代への挑戦状】日本撤退のホンダ・シビック・セダン アメリカで売れるか? 50年の歩みを回顧

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【新時代への挑戦状】日本撤退のホンダ・シビック・セダン アメリカで売れるか? 50年の歩みを回顧

なんと、eスポーツチャンネルで発表

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】新型ホンダ・シビック、歴代との違いは?【過去モデルと比較】 全242枚

ホンダ・シビックが2021年に11代目へと進化する。

といっても、これはアメリカのセダンの話だ。

一方で、日本でのシビック・セダンは2020年8月に生産が終了している。やはり、シビックは、ホンダの主戦場であるアメリカで未来への道を歩む。

その方向性について、今回のプロトタイプ登場の方法から見え隠れしてくる……。

ホンダの北米法人であるアメリカンホンダは、日本時間の2020年11月17日深夜、ゲームチェンネルであるTwichを使って新型ホンダシビック・プロトタイプを世界初公開した。

同チャンネルの日当たりビューワー数は1750万人を数える。

いわゆるeスポーツが近年、急激に事業規模を拡大しているとはいえ、そこを新車発表の場に選ぶとは、古くからのアメリカ自動車メディア関係者はかなり驚いた。

と同時に、アメリカ社会におけるシビックの立ち位置が大きく変わらぜるを得ないことを再確認した自動車業界関係者が多い。

筆者(桃田健史)もその1人である。

アメリカでは2020年11月に入り、カリフォルニア州ではレストランやスポーツジムは屋外のみ営業となるなど、新型コロナウイルス拡大の影響が再び大きくなっている。

そんな時期に登場した、次世代シビック。

今後の歩みについて、過去を振り返りながら考えてみよう。

ホンダのアメリカ進出を支えたクルマ

アメリカンホンダの本社機構がある、カリフォルニア州トーランス。ロサンゼルス国際空港(LAX)からクルマで15~20分ほどという利便性が良い地域だ。

トーランスには戦後、日系人の居住者が増えた地域だ。

企業としては、ホンダの他、現在はテキサス州プレイノへ移転してしまったトヨタ、またトーランスに隣接するガ―ディナには現在はテネシー州ナッシュビルに移転した日産がいた。

そんなアメリカンホンダ本社のメインエントランス付近には、同社の歴史がパネルとなって展示されている。当初は小さな母屋が二輪車販売の拠点だった。

大きな転機となったのが、1970年代の初代シビックである。

言わずもがな、アメリカの排ガス規制マスキー法の影響で、アメリカ自動車業界はエンジンの大幅なダウンサイジングを余儀なくされる中、初代シビックは手軽に買えるクリーンなクルマとして販売を一気に伸ばした。

その当時の状況を、筆者はリアルタイムでは知らないが、80年代中盤以降にアメリカンホンダ関係者と直接話すようになってから、70年代のシビック伝説についていろいろ聞いた。

初代シビックは、アメリカにとって、そしてホンダにとって、エポックメイキングな1台であった。

C/Dセグメントのベンチマークに

80年代から90年代、4代目(EF)や5代目(EG)はアメリカで「一家に1台」というイメージにまで普及が進んだ。

「日本車は壊れない」という、アメ車に対する反語的な商品イメージの代表選手のような存在だった。

アメリカでシビックは、小型車(Cセグメント)、中型車(Dセグメント)を融合させたC/Dセグメントに属する。

シビック、さらにシビックよりひと回り大きなアコード、これら2台がC/Dセグメントのベンチマークとなった。

ライバルは当然、トヨタのカローラとカムリである。

そんなシビックに世紀末、大きな異変が起こる。

映画「ワイルドスピード(原題:ザファーストアンドザフューリアス)」で描かれた日系チューニングカーの爆発的ブームだ。

その中で、シビックは80~90年代に「安心安全」を好んで購入した世代から、10代後半から20代の子ども世代にクルマを払い下げた。

そうした元手ゼロで手に入れたシビックを、彼らはドレスアップやストリートドラッグレース仕様に改造したのだ。

このトレンドを、アメリカンホンダは「ホンダブランドの維持」を理由に積極的に受けようとはせず。一方で、トヨタは今はなきサイオンブランドの一部に取り入れた。

ホンダにとってシビックは「聖域」なのだ。

当時のブームの変遷をアメリカで実体験しながら、そう思った。

迷いつつシビックの未来の可能性探る

2010年代に入ると、アメリカ市場におけるシビックの立ち位置が徐々に変わり始める。

象徴的な出来事は、2011年登場の9代目(FB)だが、スタイリングやパッケージングに対して市場から厳しい声が出たため、急遽2年目の2013年にビックマイナーチェンジをおこなうに至る。

さらに2010年代中盤になると、北米市場全体でのSUVシフトがC/Dセグメントでも鮮明化するようになり、アメリカ人にとって「シビックが定番」という旧来型の感覚がどんどん薄れていった。

一方、日本ではミニバンと軽自動車シフトが進み、セダン離れやクーペ離れの中、シビックは日本から撤退。

その後、2017年に復活するも、セダンは2020年8月に国内向けは生産中止となった。

日本では貴重なセグメントとなった、5ドアハッチバック、そしてハイスペックなタイプRという個性が、シビックの特長となっている。

そうした中、日本では未導入の11代目セダンがアメリカでプロトタイプとして登場。

過去の実績を見ると、プロト発表翌年の量産化が定石にて、2021年夏(米2022年モデル)として登場するだろう。

コロナ禍という、ニューノーマルでの登場ということだけではなく、11代目は明らかにニューシビック時代への挑戦状に見える。

eスポーツチャンネルでのデビューを拝聴しながら、そう感じた。

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