2019年のジュネーブ国際自動車ショーで、もっとも未来的かつもっとも現実的だった展示がフォルクスワーゲンであった。
展示の目玉は「ID.(アイディー)バギー」と呼ぶコンセプトモデルだ。「愛と自由がさかんに口にされた1960年代へのホメッジ(オマージュ)」と、フォルクスワーゲン説明する、ちょっとレトロスペクティブな雰囲気のデザインだ。
新型208は205の再来だ!──ジュネーブ国際自動車ショー2019リポート【第6弾:プジョー】
1960年代、ビートルのプラットフォームとエンジンを使い、バスタブ型の合成樹脂ボディと太いタイヤを組み合わせて、砂浜などを走っていた「デューンバギー」を想起させるデザインだ。
ちなみに、今回のデザインディレクションはフォルクスワーゲンが米西海岸に持つスタジオの仕事だったという。元気のいいおもしろいスタイルだ。ショー会場で記者たちの前に姿をあらわすと、みなが笑顔になったのが印象的だった。
もうひとつ、このクルマには大きな特徴がある。同社が「MEB」とよぶ(基本的には)電気モーター搭載を前提としたモデュラー型プラットフォームを採用している点だ。MEBは2020年販売予定の「ID. NEO」にも使われる。ほぼおなじタイミングでアウディがショーで発表した「e-tron Q4 concept」もMEBのファミリーだ。
フォルクワーゲンは(アウディもおなじだ)今後、EUをはじめとする世界の先進地域で厳しくなる排ガス規制に対応するため、「動力の電気化は不可避」(ストラテジー担当役員のミヒャエル・ヨスト氏)と考えている。だからこそ、MEBの開発を進めたのだ。
個性的なスタイルを持つ「ID.バギー」には、さらにフォルクスワーゲンの企業戦略が込められている。MEBの開発コストを回収するため、プラットフォームをグループ内で共用するばかりか、自動車製造に参入しようと計画するベンチャー企業などといったサードパーティにも販売していく予定という。
クルマをゼロから自製する場合、自動車製造のさまざま経験が必要だ。クルマづくりに新規参入するハードルは、相当高い。MEBの販売は、サードパーティにとって、クルマ開発への垣根をあきらかに低くするはずだ。
今後の自動車ビジネスは、完成車の販売は言うまでもなく重要であるが、ほかにもさまざまな方法で利益を上げていく必要がある。なるほど、MEBプラットフォーム販売はフォルクスワーゲンにとって大切なのだ。
会場に姿を見せたフォルクスワーゲンのCEOを務めるドクター・ヘルベルト・ディースは、MEBの紹介に続けて、より現実的なニューモデルをいくつもお披露目した。
ひとつは、マイナーチェンジによって安全運転支援機能が充実した「パサート」である。最大の特徴は、210km/hまでの部分自動運転を可能にした点だ。「トラベルアシスト」と呼ぶシステムは、ドライバーがステアリングホイールを握っているかどうか(安全に気を配り、いざというときに自ら操縦制御するため)の新しい検知機能が備わる。
従来、フォルクスワーゲンのモデルではACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を起動させている場合、ときどきステアリングホイールを左右に動かし、ドライバーが運転にかかわっているかどうか車両が判断していたが、新しいACCでは、それが不要になったという。
また、マルチファンクションカメラによって、道路の地形や交通標識を読み取り、アダプティブクルーズコントロールと連携するほか、より緻密に制御するレーンキープ機能も注目だ。これらは「IQ. DRIVE(アイキュードライブ)」と呼ぶ、運転支援システムに統合される。
もうひとつは、欧州でも人気が高まっているクロスオーバーSUVのセグメントに、パワフルな「T-Roc R」を投入したこと。ハイパフォーマンスモデルを手がける「フォルクスワーゲンR」が開発したスポーツモデルだ。
ベースモデルは4.23mの全長に1.57mの全高を持つ「T-Roc」だ。コンパクトなボディに最高出力221kW(300ps)、最大トルク400Nmの2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載する。
「2025年までに販売されるフォルクスワーゲン車の半分はSUVになるでしょう」と、ディースCEOが言うように、今後EVが多くなるとはいえ、それでも半数以上を占めるであろう”守旧派”のユーザーにとって、走りの楽しいSUVはたいへん重要なモデルであるのだ。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
レクサス新型「最上級セダン」に大反響! 「デザインに驚いた」「“V8”の方がいい」「流麗でカッコイイ」の声も! “24年後半”発売の「LS」米国で登場!
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?