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必要条件はしっかりクリア シャオペンG9へ試乗 BEVの大型SUV 巻き起こす激しい競争

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必要条件はしっかりクリア シャオペンG9へ試乗 BEVの大型SUV 巻き起こす激しい競争

ハイブランド化を目指す新型SUV

中国の振興自動車メーカー、シャオペンは運転支援システムの開発に注力している。空を飛ぶクルマにも意欲的で、ドバイでは初飛行に成功した。

【画像】必要条件はクリア シャオペンG9 競合するBEV SUVと写真で比較 同社の各モデルも 全150枚

欧州にも進出を始めており、徐々に販売エリアは拡大中。バッテリーEV(BEV)への変革期に、存在感を増しつつある。

今回試乗したG9は、そんなシャオペンの最新モデル。全長4891mm、全幅1937mmの大型SUVで、ライバルとしてはBMW iXやテスラ・モデルXなどが合致する。

2023年前半には欧州市場の一部で販売が始まる。コンパクト・クロスオーバーのG3iと、大型サルーンのP7というモデルラインナップを強化することになるだろう。このP7は同社のベストセラー・モデルで、新しいG9はプラットフォームを共有している。

当初からグローバルモデルとして開発されており、従来のモデル以上に高級に仕立てられているのが特徴。シャオペンは多くの中国メーカーと同様に、ハイブランド化を目指している。アウディ、BMW、メルセデス・ベンツのドイツ御三家に伍するべく。

スタイリングはなかなかハンサム。奇をてらった処理もない。スムーズでシンプルな面構成を持ち、フォルムはボクシー。ホイールベースはサルーンのP7と同値で約3mある。2本のルーフレールには、先端に5G通信用のアンテナが埋め込まれている。

インテリアは、ソフト加工されたプラスティックがふんだんに用いられ、P7と比較して明らかに高級。製造品質も高く、標準装備にも驚かされる。

ゆとりのある車内空間に充実の装備

前席にはマッサージ機能を内蔵。試乗車は上級のマックス・グレードで、後席にも追加されていた。助手席の正面には、エンターテインメント用モニターが据えられる。運転の邪魔にならないよう、ガラス面には斜めから見えにくい加工が施される。

センターコンソールの前面には、スマートフォンのワイヤレス充電機能が備わる。肘掛け部分の小物入れの蓋は両側から開き、なかにはフレグランス・ディスペンサーが仕込まれていた。

このフレグランス機能は、フロントシート内の送風口とスピーカーに連動している。ドルビー・アトモスと呼ばれるサラウンドシステムに対応したメディアを再生すると、香りで臨場感をアシストする。映画の5D体験を、移動中でも楽しめる。

シートに内蔵されたスピーカーから響く重低音には少し違和感があったものの、助手席側には展開式のフットレストも装備される。フラットにリクライニングすれば、走るプライベート・シアターの完成だ。

後席側も電動で角度調整でき、背もたれは60:40に分割して倒せる。試乗車にはオプションのエアベットも搭載されていた。

シートレイアウトは2名+3名の2列。乗員空間も荷室空間も、かなりのゆとりがある。パノラミック・ガラスルーフが開放的な雰囲気を生み出すが、開閉はしない。

センターモニターで表示されるナビゲーションは、自車の位置がステアリングホイールで隠れて確認しにくかった。メーター用モニターへ表示させることもできない。

コンフォートという表現がハマる走り心地

さて、G9を発進させてみよう。試乗車のボディはエアサスペンションが支えており、乗り心地は至って快適。ドライビング体験の全体でも、コンフォートという表現はぴったり当てはまる。

試乗車のG9 650という仕様では、前後に駆動用モーターが載り、0-100km/h加速は3.9秒とシャオペンの量産モデルでは最速。とはいえ、一部の高性能BEVほどの鋭さはない。低グレードのG9ではフロントモーターが省かれ、後輪駆動となる。

ステアリングホイールの感触は淡白で、軽く回せる。回生ブレーキの効きは、ワンペダル・ドライブが可能なほどではないものの、かなり強く扱いやすい。

シャオペンの他のモデルと同様に、G9も無線で車載ソフトウエアがアップデートされる。試乗した限り、いくつかの不具合が残っていたようだから必要なシステムともいえる。特にオート・ハイビームは上手く機能していなかった。

G9の最大の売りといえるのが、ライダーというレーザー光センサーを用いた運転支援システム。実用化されれば、中国国内の都市部と高速道路で自律運転が可能になる予定。欧州市場で売られるクルマが、どうなるのかはわかっていない。

またG9は、電圧800Vという高性能な電動アーキテクチャを採用している。急速充電能力は480kWまで対応し、最速なら5分で200kmぶんの電気を蓄えられる計算になる。実際の電費効率にもよるけれど。

求められる能力や品質の条件を満たす

欧州へ上陸することになる、シャオペンG9。BEVの大型SUVとして、求められる能力や品質といった条件を満たしていると感じた。つまり既存の自動車メーカーが、ますます厳しい競争に巻き込まれることを意味している。

自律運転を含めて、試乗車はすべての機能が万全に動く状態ではなかった。最終的な評価を下せる完成度ではなかったものの、G9が身につけるであろう可能性は小さくない。

シャオペンG9 650 マックス(中国仕様)のスペック

中国価格:41万9900元(約797万円)
全長:4891mm
全幅:1937mm
全高:1680mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:3.9秒
航続距離:650km(CLTC値)
電費:6.6km/kWh(CLTC値)
CO2排出量:−
車両重量:2355kg
パワートレイン:ツイン非同期モーター
駆動用バッテリー:98kWh
最高出力:238ps(フロント)/312ps(リア)
最大トルク:29.2kg-m(フロント)/43.7kg-m(リア)
ギアボックス:シングルスピード・リダクション

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みんなのコメント

6件
  • ベンチャーにとってEV化の流れは
    参入しやすくて好都合だな
    信頼性とアフターフォローがネックだが、今後どうなっていくのか?
    テスラのように急成長しても不安定要素だからでは
    市場に混乱を生むだけだからね
  • 例え100万だったとしても中華の車が日本国内でバカスカ売れる日は絶対に来ない
    韓国製はさらに国民感情の影響で売れる事は絶対に無い
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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