元F1ドライバーで現在はインディカー・シリーズに参戦するロマン・グロージャン。彼がデータ分析で役立つトリックを持っていることが明らかとなった。
レーシングドライバーは誰しも自分の武器となるようなツールやトリックを持っているものだが、グロージャンの場合はステアリングホイールにあるドリンクボタンをとある形で活用している。
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グロージャンの所属チームであるフンコス・ホリンジャー・レーシングのチームメンバーはmotorsport.comに対し、オフシーズンのテスト中にグロージャンがマシンにドリンクを搭載していないにもかかわらずドリンクボタンを押していたことに気付き、そこで初めて彼の独特なアプローチを知ったと明かした。
グロージャンはマシンを降りた後にエンジニアに対してセットアップに関するフィードバックをするため、特定のコーナーでドリンクボタンを押し、それをデータ上で記録させることでマーカー代わりにしていたのだ。
今季からフンコス・ホリンジャーに移籍したグロージャンはチーム史上最高の4位を皮切りに、ここまで5度のトップ10フィニッシュを記録。予選でも2度ファスト6に進出するなど、印象的なパフォーマンスを見せている。そんな彼はmotorsport.comにこう語った。
「ドリンクボタンに関しては、ドリンクが入っていない時でもデータ上にマークされるから、後々のミーティングでエンジニアと『4周目のターン3で~』といった話がしやすくなる。周回数やコーナーの場所を覚える代わりに、ボタンを押しておけば良いんだ」
「データ上にマーキングされていれば、たくさんのデータを開いた時もどこに印が付いているかハッキリ分かるし、場所を思い出す手間も省けるんだ」
「僕の脳みそは小さいけど、これなら簡単にできると思ったんだ!」
このシンプルかつ効率的なコンセプトの起源についてはグロージャンも正確には覚えていないと言うものの、F1キャリアの初期に始まったものだという。
「F1では確か、ピットインを確認するボタンがあった。ピットインの指示があった時に確認ボタンを押せば応答しなくても良いというものだ。そして僕は『よし、このボタンを合図か何かに使えるぞ』と思ったんだ」
これはヨーロッパではよくあることなのかと尋ねられたグロージャンは、少し考えてこう答えた。
「チームにもよるけど、そんなことはないと思う。僕はできるだけ楽をしようとしているだけさ」
またグロージャンは、チームが将来的にこのアイデアを活用することになりそうだと述べた。
「もし僕が何かで注目されるなら、それはそれで歓迎するよ。それはインディカーのいいところだと思う。僕たちはベストドライバーになろうと懸命に努力しているし、他のドライバーに隠し事をしているわけでもない」
「僕はただ自分の経験を活かしただけだけど、彼らはそれをクールなアイデアとして受け入れてくれた。だから彼らは将来的にもこのアイデアを使うことになるだろうね。
「でもとにかく、僕は20年以上もこの仕事を続けてきたし、もちろん毎年学ぶこともある。それがスポーツの美しいところだし、老け込むことなく歳をとることができる」
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