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メルセデス・ベンツの安全性の追求と品質管理

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メルセデス・ベンツの安全性の追求と品質管理

メルセデス・ベンツの安全性への飽くなき探究、それを裏付ける品質管理はどのように行われているのか大いに気になるところだ。それを確認するべく日本の輸入元であるメルセデス・ベンツ日本豊橋新車整備センターを訪れた。

久し振りにメルセデス・ベンツ日本の豊橋新車整備センターに取材する機会を得たので、その取材を通じてメルセデス・ベンツの品質管理についてレポートする。なかでも一番目に付くボディの塗装面の品質管理がどのようになっているのか見てみよう。

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現在、メルセデス・ベンツ日本の新車整備センターは、愛知県豊橋市と茨城県日立市にある。特に、豊橋新車整備センターは陸揚げする三河港から、新車整備センターまで自走できるくらい近いところにある。その三河港に適用された規制緩和を活かし、デリバリーコーナーという専用ラウンジで、新車をご購入いただいたお客様に車両を引き渡すセレモニーも行っている。そのまま新車をお持ち帰りいただけるため、日本で輸入車を最短距離で納車できるサービスだ。また工場見学ツアーも大人気のイベントだが、2020年以来コロナ禍においては、納車式とともに開催を見合わせている。

今回の取材では、メルセデス・ベンツ日本の管理課の八木英行さんがセンターの役割から各パートの説明、新車整備の流れについて懇切丁寧に説明をしてくださった。この場を借りてお礼申し上げたい。

メルセデス・ベンツ日本の新車整備センターの役割

世界各国の生産工場から輸入されたメルセデス・ベンツを日本のお客様の厳しい品質要求水準を満たすために入念な点検と整備を行い、日本の法的要件を満たしている事を検査したうえで、タイムリーに全国の正規販売店に届けるのが新車整備センター(Vehicle Preparation Center)の役割である。略してVPCと呼ばれている(以下VPCと呼ぶことにする)。

ちなみに日本仕様はドイツ(ジンデルフィンゲン工場/ブレーメン工場/ラシュタット工場)の各工場のみならず、モデルによってオーストリア(グラーツ工場)、スペイン(ヴィトリア工場)、ハンガリー(ケチケメート工場)、フィンランド(ウーシカウブンキ工場)のヨーロッパや北米(タスカルーサ工場)、メキシコ(アグアスカリエンテス工場)、南アフリカ(イーストロンドン工場)等世界8カ国の生産工場で生産されている(2023年1月現在)

車両供給の流れと主な整備と検査の内容

メルセデス・ベンツが世界の生産工場から海上輸送され日本のお客様へ納車されるシステムを図式化して説明すると次の様になる。

発注:正規販売店はメルセデス・ベンツ日本に対してモデル別に最終的な仕様でオーダーする。出荷(船積):日本向けの車両は、各生産工場より鉄道またはトラックで積出港(ドイツ北部のブレーマーハーフェン、スペインはバルセロナ、北米はジャクソンビル)まで輸送され自動車専用船で運ばれる。入荷・通関:船積みされた車両は、自動車専用船で例えばドイツのジンデルフィンゲン工場で製造された車両は、ブレ―マーハーフェン港から40日以上かけて豊橋港/日立港に陸揚げされる。その後、通関手続きのために保税エリアに搬入され、通関後豊橋VPC/ 日立VPCへ搬入される。所定の内外装及び機能の検査、添付品(整備手帳等)の搭載を行った後、輸送中のダメージがある場合は必要に応じて修正を行い、完成検査証を発行したうえで、各正規販売店に向けて陸送会社の手に渡る。その後、正規販売店は陸送会社より車両を受け取り、車両の最終点検、洗車等を行い、納車前の点検をして顧客へと納車される。

豊橋VPCの工場見学

上記のように、VPCの役割は6つあることがわかった。品質/機能検査、日本仕様対応、補修作業、完成検査、品質管理、国内物流である。豊橋VPC工場見学で分かった一連の流れを紹介してみよう。

デリバリーコーナー

まず、案内されたのは豊橋VPCに併設されたデリバリーコーナー、そこには1886年にカール・ベンツが発明した世界初のガソリンエンジン付き自動車ベンツパテント・モトール・ヴァーゲン3輪車(レプリカ)と見事にフルレストアされた1953年製170Sがあった(懐かしい限りである)

ロードテスト

まず、世界各国の生産工場から40日以上かけて自動車専用船で豊橋港に到着した車両は通関後、そのまま自走してVPCまで搬入される。それから走行テストで走行時の車両状態や各機能、異常な振動、雑音がないかチェックされる。VPCに入ると、ボンネット、ドアなどすべての開閉部分の機能チェックなどが行われる。

その次は洗車工程。ここで輸送中の汚れを落とすこととなるが、その前に特殊な溶剤がボディに散布される。これは生産工場から積み出し港まで、鉄道等で輸送される時に付着した鉄粉を除去するためのものである。鉄粉が付いたまま自動洗車機に入れてしまうと、微細なキズの原因になってしまうからだ。洗車後は、色で識別された布で各ボディの水滴をきれいに拭く。例えば、ウィンドウ専用布やドア専用布等が色ごとにきちんと並べてある。

検査/日本仕様対応

きれいにボディの水を拭き取った後は、ベルトコンベアラインに車両が等間隔を置いて並べられゆっくりと流れていく中で外装、内装、各機能等の検査が入念に行われる。特に、日本市場は世界一高い品質が求められるため、検査ラインに並ぶ車両には、検査で指摘された箇所にピンクの付箋が貼られていく。これらの指摘箇所は素人目には全く分からない微細なものもある。マークされた部分は全てパソコンに記録される。今回施設の案内をして頂いた管理課の八木英行さんは「指摘箇所の修正が完了するまで車両が次の工程に進まないように管理している」との言葉には正直驚いた。また、この工程では日本語コーションラベルの貼付や一部の日本専用装備品の取り付けを行っていた。地下ピットからは車両の足回りの点検も行っていた。そして仕上げは熟練作業員によるボディ磨き作業であるが、非常に高い技術力が必要とされる職人技である。

完成検査

品質の検査が終了した後は、法定の完成検査が実施される。ここでは車両が日本の法規に適合しているかどうかチェックされ、合格した車両に新車登録に必要な完成検査証が発行される。

保護フィルム貼付/配車

そして、最後に車両に保護フィルムが貼付されて全行程が終了する。そして、各正規販売店に向けて陸送される。

修正が必要な車両はどのくらいあるのか?

年間数万台の最高品質のメルセデス・ベンツを正規販売店に届けている豊橋VPCだが、修正が必要な台数はどのくらいあるのだろうか。とても気になっていたので八木さんに聞いてみたところ、ほぼ筆者の想像通りであった。修正の必要がないクルマがほとんどだそうだ。ちなみに、修正が必要なパートはメカニカルなところよりもボディの塗装面の割合が多いとのことだった。

筆者が以前に豊橋VPCを訪問した時とは、かなり様変わりしていたのには驚かされた。近代設備が整い、半導体工場のような施設になっていた。実に広大な敷地は、フロアがグリーン色に塗られ、清潔で、すれ違う多くの作業者たちが元気に挨拶してくれたのが印象的であった。加えて、この日の工場見学では導入されたばかりのSL、売れ筋のCクラス/Gクラスが多く見られたし、電気自動車「メルセデスEQ」や、メルセデス・マイバッハ GLSもあった。

昭和のメルセデス・ベンツ輸入奮戦記

昨年は、ヤナセが1952年にメルセデス・ベンツを取り扱って70周年であったが、筆者は元メルセデス・ベンツ輸入元であったウエスタン自動車に籍をおき、その後ヤナセでメルセデス・ベンツの販売も経験したので、メルセデス・ベンツ新車整備状況を先輩から聞かされた話や自分自身が経験したことを今回の豊橋VPC取材で思い起こした。

最初のメルセデスは1952年に輸入されたメルセデス・ベンツ170だが、戦後の国産車保護政策の一環で乗用車輸入販売は制限され、1965年に完成乗用車輸入自由化実施を迎えるまでには正式に営業活動が出来なかったと聞かされた。日本は左側通行なので、ドイツとはヘッドライトの照射向きが反対、高温多湿の気候による日本特有の対応すべき技術的課題も発生した。実に最初に取り付けられたエアコンはヤナセ製だった。湿気に弱いラジオアンテナ、手作りのオーバーヒート防止対策等、現場の知恵でなんとか凌いだものは数えきれないほどあったという。やがて、アメリカに発生した排気ガス規制も日本の市街地の大渋滞に合わせた結果、世界中で最も厳しい規制値が求められ、酷暑のなか、延々と排ガス規制装置の耐久テストが行われた。これらの難問題を的確に判断して、当時のダイムラー・ベンツ社と共に日本仕様の新型車を造り上げる苦難の日々が続いたのだった。とにかく、ダイムラー・ベンツ社が日本仕様を造るまでの間、現場の試行錯誤、手作りで対応した苦労がダイムラー・ベンツ社に伝わり、日本仕様開発の後押しとになった。それにしても、輸入初期はサンプルカーも少なくて、大変貴重だったため宝物のように大切に扱ったとよく聞かされたものだ。やっと陸揚げされた車両を引き取ったメカニックは一時をも惜しんで整備に取り掛かった。驚いたことに、白いタイヤのビニールカバーが取れ難くて随分往生したほど念入りに輸送用保護装備が施されていた。特にボディには保護ワックスを塗り、グリルなどメッキ部分のプロテクトも強固だった。幸い、日本人は元来ドイツびいきでドイツ製品には強い憧れを抱いており、その代表的なものが「メルセデス・ベンツ」、「ライカ」、「ヘンケル」だったから他国の輸入品より有利であり、お客様に納車までずいぶんと長く待って頂いたものだった。

一方、我々が発見したトラブルや改善点を当時の日本駐在のドイツ人に言ってもなかなか理解してもらえず苦い経験をしたのがありありと思い出された。そんな当時の歯がゆい思いが今日のメルセデス・ベンツの品質やサービスの向上に生かされていればと願っている。

豊橋VPCでのペイント工程の役割

先述通り、日本市場は世界で一番厳しい目で外装品質が求められるため、検査ラインに並ぶ車両には、各部位に要修正を意味するピンクの付箋が貼られていく。特に、気になるのがボディの塗装面だが、厳しい目でチェックされ修正が必要なところには、メルセデス・ベンツの認定塗料であるBASFのプレムアムブランドR-Mの塗料でマイスターの手によって塗装ブースで修正塗装が実施される。

例えば、修正が必要な車両は、塗装部門に運ばれてくる。そして、塗装マイスターがよく確認して、その部分の修正に取りかかる。下地作りから塗装を念入りに行う。調色はBASFの特徴であるデジタル技術を駆使して、データベースの調色データを参考にしながら合わせていく。特に、塗装の吹き付け作業はマイスターの神業で慎重に行なわれる。そして、最後は塗装マイスターの厳しい目と測定器を使ってチェックを行い、合格すると元の検査ラインに戻って行く。

最高の仕上がりが実現できるからである

「【お洒落な安全】メルセデス・ベンツのボディカラー」でも書いたようにメルセデス・ベンツが認めている補修塗料はBASFの自動車補修塗料のプレミアムブランド「R-M」と米アクサルタコーティングシステムズ社の「スタンドックス」である。なぜ豊橋VPCはR-Mを使用するのか八木さんにお聞きしたところ「早く、確実に、無駄なく最高の仕上がりが実現できるからです」とすぐさま答えが返ってきた。 【R-Mを使う理由】 ・生産工場の半分以上がBASFの塗料なので、VPCで使用する塗料もBASF(R-M)であるべき。 ・環境、作業者にやさしい水性塗料である。 ・正しい色の再現性が容易に確実にできる。 ・経験の浅い作業者でも簡単に扱うことができる。

BASFの認定塗装工場になるということ

昨年、豊橋VPCはBASFのアドバンスト・ビジネス・ソリューションの基準に即した厳しい工場監査を経てBASFの認定工場となった。日本では3社目、新車整備センターの認定はアジア太平洋地域では初のことだ。これは塗装工場として塗装の知識、塗装技術、設備、環境などトータルで高い基準をクリアしたことになり、メルセデス・ベンツの高い品質を維持、向上することを可能にすることにつながる。八木さんは「BASFの認定工場になったことで、豊橋VPCがトップレベルの塗装工場であることを自負しています。最高の仕事環境を整備することで、優れたスタッフを育てることができて、ひいては高い品質の製品を作ることが可能になり、メルセデス・ベンツブランドをお客様に体験してもらえることにつながっているのです。後戻りは絶対にできません」と自信を深めるとともに、今後も続く挑戦に意気込んでいた。

認定のための基準

認定監査はR-Mの世界基準に基づいて以下の項目を中心に行われる。 ・メーカーの基準に沿って作業が行われているか。 ・規定塗料や規定の工具を使って正しい量を使って作業しているか。 ・トレーニングプログラムを受けているのか。

認定工場に求められるものは?

認定されたからには認定工場に相応しい環境づくりをしていく必要がある。その主なポイント。 ・塵ひとつなくクリーンな工場。 ・高い塗装技術を持っているスタッフ。 ・整備された業務環境。 ・塗装工場としての作業プロセスの最適化。

ペインターのスキルは?

自動車補修塗装技術者(以下、ペインター)には、基本的なスキルだけでなく、素質、スキルを磨く努力が求められる。たとえば、色彩に敏感に反応し、その色の特徴を素早く把握すること、真摯に仕事に向き合う姿勢だ。豊橋VPCにはR-Mが主催する「ベストペインターコンテスト」の前回国内チャンピオン松山拓也さん(五島海運)がいる。

環境対策(仕事環境、資材の選定)は?

これから時代のニーズに即して変化するであろう豊橋VPCだが、その環境作りにおいて常に気にしていることを八木さんに聞いてみた。 ・塵もなくクリーンな工場であること(作業時に不純物が付着しない)。 ・環境にやさしい水性塗料を使用していること。 ・作業時には防塵マスクなどの保護具を必ず着用すること/塗装従事者に必要な健康診断を受診させること(作業環境測定証明書)。 ・資材や道具も常にクリーンにしておくこと。

各素材の部位に塗装の違いはあるのか?(アルミ/カーボン/プラスチック/マット塗装等)塗装面の素材によって、塗装方法に違いはあるのか聞いてみたところ、素材の特性を知ることが重要でそれによって対応していると聞いた。スチールとアルミの違い、最近よく目にするマット塗装は従来のクリヤー塗装と違って、ポリッシュできないので特にゴミ/不純物の混入や付着がないように塗装する。

R-Mベストペインターコンテスト国内大会チャピオン松山拓也さんへのインタビュー

・ペインターになるきっかけは? ペインター歴18年、クルマいじりが好きで、板金に興味が湧き、板金工になりたくて板金塗装会社に入るも、会社の都合で塗装部門に配属されて以来塗装一筋です。豊橋VPCの求人を見て、新車塗装という特殊な業務に携わりたいと思い入社しました。

・塗装の仕事をどう感じていますか? とてもやりがいがある仕事だと思います。当センターは完璧でハイクオリティなメルセデス・ベンツをお客様にお届けることが当たり前となっているので、当たり前を実現するという簡単なようで簡単ではない業務に携わっています。センター全員のチームワークがなければ実現できません。塗装部門では分業制をしいていることもあり、だれひとり欠けるわけにはいきません。皆が高い目標に向かって一丸となり作業に励んでいます。

・どうしてベストペインターコンテストに出たいと思いましたか? 当時社内の塗料ブランドをR-Mに替えるという一大イベントがあり、R-Mの水性塗料ONYX HDを半年でマスターしなければならず、その過程で火がつきました(笑) 去年フランスで行われた国際大会には、オーバーエイジのため参加できませんでしたが、八木さんとともにアウトビルトジャパンの記事や動画を見て日本代表の片岡さんを応援していました。

・R-M製品の良いところ とっつきやすい、経験の浅い人でも使いやすく、仕上がりの品質を担保できる。またR-Mはしっかりしたトレーニングプログラムやマニュアルがあるので、作業者が無駄に試行錯誤しなくても確実な仕事ができる点でしょうか。同時に八木さんは、使いやすい塗料は品質管理における負担が軽減されるので管理者側からもR-Mを使うメリットがあると言っていた。

味のある旧車が大好きで、自身国産旧車オーナーである松山さん。デリバリーコーナーに置かれていた見事な170S(1953年)は松山さんが全塗装を手掛けたものだ。R-Mの水性塗料ならハイクオリティなレストアが可能だと言う。今後もレストアに関わりたいという夢を持つ松山さんだった。編集長が自分のオールドメルセデスの補修塗装をしてもらいたいと言っていたのはここだけの話にしておこう。

あたりまえを実現するということ

メルセデス・ベンツは“単なる高級車”ではないと筆者は思っている。非常に高いレベルで、人が安全に、快適に移動できる極めて品質の高い乗り物である。安全性を含めた高品質をメルセデス・ベンツは求められており、高品質なメルセデス・ベンツ車がオーナーに届くのは当たり前のことなのである。だが、その当たり前の裏側にはかくも厳しい品質チェック工程があり、ハイレベルな技術者たちの努力によって実現されていたのである。

環境変化への対応

今やCO₂削減「カーボンニュートラル」に全世界の企業が取り組んでいる。自動車の電動化が進むのは、脱炭素社会を実現するためだ。それは、130年に一度と言われる次世代自動車革命の開幕であると言われている。総合化学会社の老舗であるBASFはいち早く、有害物質が少なく環境にやさしい水性塗料の開発、環境づくりを行っている。その塗料は、塗装プロセスで、パウダースラリープロセスによるクリヤー塗装ではVOC(塗料が塗膜になる過程で大気中に蒸発していく有害溶剤)の排出を完全に抑えることができ、環境にやさしいものになっている。さらに、電着塗装からパウダースラリープロセスによるクリヤー塗装までは乾燥させずに重ねて塗装が可能なため、エネルギー使用量を抑えることもできる。

自動車業界の老舗であるメルセデス・ベンツは、2016年10月のパリモーターショーで発表したコンセプト「CASE」に今も革新技術で積極的に取り組んでいる。CASEとは、Connected(インターネットを介して外とつながる)、Autonomous(自動運転)、Shared(所有せず共有する)、Electric(電動化)の頭文字をとったもので全自動車業界の基準となっている。メルセデス・ベンツがEQブランド・革新的電動化モデルで環境性能を追求しEQモデルを次々と発表している。

自動車というモノがインターネットに繋がると自動車を取り巻く世界が大きく変わり、モビリティの概念と街の様相を変えると言われている。最適な移動を提供する「MaaS」(Mobility as a Service)が各国で急激に台頭し、自動運転技術の進化やクルマがつながることにより、オンデマンドでモビルティサービスを提供できる範囲が急速に広まっていく。

自動車のボディが従来の金属に加えてプラスチックが使われるようになると「塗装」も変わっていくのだろう。

昔の人が凄いことを言っていたのを思い出す。環境の変化に最もよく適応したものこそが生き残れると!ドイツにある歴史ある企業、自動車業界のメルセデス・ベンツと総合化学会社のBASFがお互いの革新技術でタッグを組めば、包括的で持続可能な画期的なモビリティの世界が実現できそうでこれからもクルマの進化から目が離せない。

TEXT:妻谷裕二 PHOTO:アウトビルトジャパン、妻谷コレクション 取材協力:メルセデス・ベンツ日本、BASFジャパン

【筆者の紹介】妻谷裕二(Hiroji Tsumatani)1949年生まれ。幼少の頃から車に興味を持ち、1972年ヤナセに入社以来、40年間に亘り販売促進・営業管理・教育訓練に従事。特に輸入販売促進企画やセールスの経験を生かし、メーカーに基づいた日本版カタログや販売教育資料等を制作。また、メルセデス・ベンツよもやま話全88話の執筆と安全性の独自講演会も実施。趣味はクラシックカーとプラモデル。現在は大阪日独協会会員。

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