スーパーフォーミュラ最終第9戦JAFGPの予選後の会見、入場したポールの野尻智紀(TEAM MUGEN)が2番手の太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の肩を叩きながら、呟いた。
「昨日はゴメンね」
野尻智紀が最速の証明。牧野任祐が沈み、3番手坪井翔は決勝10位以上で初タイトル獲得可能に【第9戦予選レポート】
太田格之進はすぐに切り返した。
「あんなに言われるとは思っていなかったっす」
そこからすぐに会見が始まり、その後のふたりが会話を交わしたり、目を合わせることは一切なかった。
太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、その後も表情は明らかに苛立っている様子で、表情は強張り、腕を組む姿多く、右足を小刻みに動かす場面が見られた。会見で決勝に向けて話す際、太田格之進は「個人的には……」と話したのち、15秒近く沈黙。会場が緊張感に包まれたのち、「いろいろ言われているので、クリーンに勝負したいと思います」と言葉を発した。
不機嫌な理由、そして、太田格之進が話す『いろいろ言われている』こと。
その理由は、昨日ポール・トゥ・ウインを飾りながら予選2番手に終わったことや、アタック中のシケインでスロットルが戻らないトラブルがあったことよりも、冒頭のコメントに関わる、前日の予選Q1の赤旗後のウォームアップでの野尻智紀(TEAM MUGEN)とのいざこざで、野尻がレース後のミックスゾーンで太田格之進に厳しいコメントを述べていたことが要因だった。
「記事を見て、びっくりしました。尊敬している先輩なので、あんなに言われるとは思っていませんでした。怒っているのなら、メディアに話す前に直接言ってほしかった。昨日の(ウォームアップの)件は駆け引きの範疇。アツくなることはいいことだと思います。チャンピオンシップを争っていると、最後はこういう事が起こりやすい。でもアツくなって言い分があるなら、俺は直接話したいです」と、日曜の第9戦予選会見後に、改めての個人の見解を話す太田格之進。
「レースになったら普通に正々堂々と勝負します。フロントロウなので、ふたりで戦えるいい機会だと思います」
チャンピオンシップ争いと共に、フロントロウに並ぶ野尻と太田、まさにふたりのドライバーとしての意地の戦いも、最終戦の大きな見どころになる。
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