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GT-RやフェアレディZだけじゃなかった!「カルソニックブルー」をまとったレーシングカー3選

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GT-RやフェアレディZだけじゃなかった!「カルソニックブルー」をまとったレーシングカー3選

この記事をまとめると

■日本のモータースポーツでは欠かせない存在■チームインパルを長年サポートしている■海外にもカルソニックカラーが存在

「グループA」を席巻した伝説の「カルソニックスカイライン」! 現存する「本物の3台」が辿った数奇な「運命」

レース界では世界最長のスポンサー期間を今なお更新中!

 モータースポーツの世界で「カルソニック」といえば、日産を代表するトップドライバー・星野一義氏と同氏が運営するチームインパルを長年にわたり支えてきたスポンサー。マシンは1989年からカルソニックブルーと呼ばれる鮮やかな青を全身にまとい、グループAやスーパーGTといったトップカテゴリーで数多くの伝説を残すなど第一線で活躍してきた。

 スポンサーの変更が日常茶飯事のなかで、30年以上サポートを続けるのは異例中の異例だ。世界最長のタイトルスポンサー記録を毎年更新するとともに、カルソニックブルーと星野氏(とGT-R)はレ―ス界のアイコンとして君臨。今もなお多くのファンに愛され続けているのは、自動車好きならば周知の事実である。

2019年にカルソニックからマレリに社名変更している

 ちなみにカルソニックブルーは、明るいカリフォルニアの太陽の下で映える色として選ばれたカルソニックのコーポレートカラー。レース車両の色は年によって調合が変えられており、すべての車両が同じではない。

 ただし、会社としてのカルソニック(最終名称はカルソニックカンセイ)は現在は存在しない。1938年に日本ラジエーター製造株式会社として創業。長年、日産自動車との結びつきが強く、市販車、モータースポーツ分野に熱交換器を提供、供給していた。

 だが、2017年に投資会社のCKホールディングスの傘下となり、日産グループから離脱。2019年にはフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の自動車パーツメーカー「マニエッティ・マレリ」と合併する。社名を「マレリ」に変更し、世界第7位の自動車総合パーツメーカーとなっている。

 それにともない、2019年シーズンでスーパーGTのカルソニックブルーが見納めになるのではないか、とモータースポーツ界では噂になったが、2020年、2021年もカルソニックのロゴとブルーのカラーは継続されている(2022年のマレリ社の上場によって、マレリカラーとなる噂もある)。

 ただし、カルソニックカラーをまとったのは前述した星野一義氏がドライブするマシン(GT-RやフェアレディZ、グループCカー)やチームインパルだけではない。「星野選手以外」の歴代マシンを紹介することにしよう!

カルソニック・ブルーバード(U12)

ラリーでも強さを発揮し1988年と1990年にシリーズを制覇

 1988年、日本ラジエーターからカルソニックへの社名変更により、サポート車両のスポンサーロゴもNICHIRAからCALSONICに切り替えられた。1987年まではシルエットフォーミュラ→グループC(プロトタイプスポーツカー)カテゴリーのみのサポートであったが、この年から2年間、全日本ラリー選手権にも参入。1987年にニスモ/オーテック/日産工機の3社のコラボで誕生した日産のラリーウェポン「U12ブルーバードSSS-R」で戦う綾部美津雄/森哲也選手、伊藤雅之/乾哲司選手にスポンサードしている。

 1.8LのSSS-R前期型は専用チューンのエンジン(10ps/1.5kg-mアップの185ps/24.5kg-m)、クロスミッション、ロールケージ、ふたり乗りというスパルタンな仕様で、オプションも豊富だったため即ラリーに参戦できる実力を持っていた。

 カラーリングは翌年からなじみ深いオールブルーにホワイトのロゴとなったが、1988年は数少ないホワイトとブルーの2トーン仕様であったのが特徴(このカラーはそのほかに1993年のGT選手権のカルソニックGT-Rがある)。

 デビューイヤーは綾部選手が最高峰のC部門チャンピオンに輝くなど最高のスタートを切っている。翌年もC部門に参戦。綾部組はそのままスポンサードを継続したが、もう1台は前年の伊藤組に代わって、神岡政夫/中原祥雅組をサポートしている。前年チャンピオンの綾部はギャランVR4にスイッチした桜井幸彦に後塵を期してしまったが、1990年には8戦4勝でブルーバードを2度目の栄冠に導いた。

パルサーGTI-R(N14)

わずか1勝で終わったがブルーバードに続き1991年までサポート

 1990年の全日本ラリー選手権は8戦開催されたが、カルソニックのサポートを受けた綾部選手は6戦を終えた時点で、ブルーバードでC部門のチャンピオンをほぼ手中に収めた。そこで残り2戦、WRC(世界ラリー選手権)に先駆けてデビューしたばかりのパルサーGTI-Rを実戦投入した。

 ブルーバードよりもコンパクトなボディを持つパルサーに、ブルーバード譲りの4WDシステムとGT-R譲りの多連スロットルを組み込んだ専用のSR20DETエンジンを搭載。当時のWRCにおける勝利の方程式ともいえる、コンパクトでハイパワーな4WDというパッケージを盛り込んだ期待のマシンだった。

 カルソニック・パルサーはブルーバードと同じく、ブルー×ホワイトロゴのカラーリングを採用。成績は振るわなかったが、来るべきシーズンに向けての熟成は着々と進んでいた。

 1990年の好成績もあって、1991年もカルソニックは綾部選手のスポンサードを継続したが、パルサーはボディが小さすぎることによるさまざまな悪癖が露呈。初期トラブル続きでリタイヤが多く、この年は1勝を挙げるのみに終わってしまった。日産ワークスによるWRCチャレンジはわずか1年で見切りを付けて撤退したが、国内ラリーは継続して使用され、1994年まで日産系チームの主力マシンとして活躍した。

アルティマ(L33)

オーストラリアのスーパーカーレースに1度だけ登場

 2017年、オーストラリアで開催される、市販車に大排気量V8エンジンを搭載するFR車で争われるレース「ヴァージン・オーストラリア・スーパーカー・チャンピオンシップ(現在はRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップに名前が変更)」。この第10戦サウンダウンに、カルソニックカラーに彩られた日産アルティマ(3代目ティアナの兄弟車)が登場している。市販車は2.5Lの直4と3.5LのV6であったが、レース車両は5.6LV8エンジンを搭載し、650ps/67kg-m以上を発揮。最高速は300km/hに到達するマシンだ。

 これはスポンサードではなく、1964年にオーストラリアで初めて開催された耐久レースの歴史を祝うために、毎年耐久レースの開幕戦となるレースが「レトロラウンド」と呼ばれ、各チームがお祭り的要素として、そのメーカーのヒストリーにちなんだオリジナルのレトロカラーを施している。この年は北米で戦ったダットサンカラーのほかに、日本のモータースポーツで長い歴史を持つカルソニックカラーが選ばれたというわけだ。

 カラーリングは1990~1993年にグループAレ―スに参戦したカルソニック・スカイラインのものがベースとなっており、黄色いフロントウインドウのハチマキや楕円形のNISMOステッカーなど、当時の雰囲気を採用するなどレトロチックに仕立てられていた。なお、このカテゴリーにおける日産ワークス活動は2018年で終了している。

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