■どんなクルマ?
変わったのは、目に見える部分
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フィアット500Lは、2012年の発売以来、43万台以上を販売したヒットモデルである。しかしながら、その大半は欧州本土で、英国では伸び悩んでいる。
導入直後は大きな関心を呼んだが、500X投入の余波ですっかり勢いを失った。クロスオーバーが人気ということもあるが、より500らしさが際立つルックスに注目を奪われたことも否めない。
そんな、ちょっと悲運な500Lの改修版が、スタイリングの手直しに重点を置いたことは納得できる。
主にフロント周りを「チンクエチェント」に似せることに注力したのは明らかで、フィアットではコンポーネンツの40%以上を更新したというが、顔つき以外にはインテリア程度にしか違いを見出せない。
実際、メカニズムに関しては手付かずなのだ。
バリエーションは3タイプ
バリエーションが3タイプ用意されるのもこれまで通り。販売の主力であるスタンダードな500Lアーバン、従来はトレッキングと呼ばれていたオフローダー風の500Lクロス、そしてロングボディ/7座の500Lワゴンである。
価格は未発表だが、従来モデルに近い値付けになるのは確実で、£15,000(213万円)~22,000(313万円)といったところに収まるだろう。
今回の試乗車は英国での売れ筋になると予想される500Lアーバンの1.6ℓディーゼルで、仕様は上級グレードであるラウンジだ。
■どんな感じ?
よくないところも、そのまんま
メカニズムが変わらないのだから、走りにも際立った変化は見られない。当然ながら。
つまり、市街地での走りは当たり障りないといった印象。ハンドリングは予期しやすいもので、街乗りに適した軽いステアリングと、不快でない程度に硬いダンピングを備え、不整路面では落ち着きのなさを見せる。
エンジンは、街乗りには十分にパワフルで、より速度域の高い道路や、もう少しスピードを出したいドライバーの希望にも十分に答えてくれる。
ただし、スロットルのレスポンスは緩慢で、速度上昇も遅い。低回転域ではペダルを踏み込んでも動きが鈍く、パワーの盛り上がりは2500rpm辺りに差し掛かるのを待たねばならない。
乗員も荷物も多くなると、長距離を走るには力不足だと痛感させられる。エンジンをハードに回すと、予想通りノイズは大きくなる。
しかし、アイドリングや街乗りのペースであれば、実に静かで洗練性されていると思える。風切り音やロードノイズも小さい。
車体は高さがあるが、コーナリング時のロールは抑えが利いている。とはいえ、敏捷性には乏しく、荷重移動が激しくなると苦戦する。
デリケートさにかけるブレーキと軽いステアリングもあって、自信を持ったコーナリングは難しい。シフトレバーはチープな感じが拭えないプラスティック剥き出しだが、ギアボックスの作動は精確で滑らかだ。
もっとも、この手のクルマのユーザーは、激しく攻めたときの運動性より、市街地でのマナーやインテリアのクオリティの方が重要性は高いだろう。
日常における使い勝手はどうだろう?
あくまでルックスこそ500Lの存在価値
その点、この改良版500Lは、既存モデルより内装の質感を大幅に高めた。スイッチ類はややプラスティッキーではあるものの、見た目は上々。ラウンジ仕様には「Uコネクト」インフォテイメントシステムの最新版と、7.0インチのタッチパネルが装備される。
前席のスペースはかなり広い。ドライビング・ポジションは直立気味で、誰もがしっくり来るスタイルとは言えないが、全方位とも視認性は良好だ。
後席もまた、レッグルームには余裕があり、しかも前後スライドが容易にできる。ただし、ラウンジ仕様に標準装備されるパノラミックサンルーフは、後席のヘッドルームをかなり侵食し、背が高いと背中を伸ばして座るのに苦労しそうだ。
ライバル車の多くがそうであるように、500LはミニバンとSUVの中間的なスタンスのクルマだ。ピープルムーバーに徹するほど大きくはなく、SUVの領域に踏み込めるほどオフロードに強くもない。
オペル/ヴォグゾールがクロスランドXという、似たような新型車を発売したが、ラゲッジルームの広さではそちらが上回っている。しかし走りと、なんといってもキャラクター性では、フィアットが圧勝している。
■「買い」か?
走りに興味がなければ「買い」
スタイリングをアップデートしたとはいえ、500Lはハンサムな部類ではない。とはいえ、フィアット500のサイズアップ版というテイストを強めたルックスは、ファッションを意識するファミリー層を引きつけるに違いない。
実用性では、よりサイズの大きいMPVに一歩譲る。たとえば400ℓの荷室容量は、ルノー・セニックの572ℓ辺りと比べると物足りない。
しかし、セニックは価格帯も500Lより上だ。となると、ライバルは先に述べたクロスランドXや、あとはシトロエンC3ピカソあたりだろう。とくにピカソならば、実用性は申し分なく、価格も多少安い。
今回のマイナーチェンジで惜しまれる点は、とにかく走りの面で改善が図られなかったことに尽きる。
それを除けば、レトロスタイルのチャーミングさは健在で、インテリアは大きな前進を実現している。これで価格設定が魅力的であれば、下降した人気を盛り返すだけの効果が期待できそうだ。
フィアット500L 1.6マルチジェット 120 ラウンジ
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