2023年SCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”の第2戦が4月22~23日にインテルラゴスで開催され、王者ルーベンス・バリチェロ(フルタイムスポーツ/トヨタ・カローラ)とともにこのF1トラックを得意とするドライバーのひとり、2021年チャンピオンのガブリエル・カサグランデ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)が復調のポール・トゥ・ウインを達成。続くレース2では同じくサンパウロ・マイスターの“3冠”リカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)が同トラック最多勝となる7勝目を手にしている。
ブラジルにおける『モータースポーツの殿堂』として不動の地位を築くホセ-カルロス・パーチェは、SCBに参戦する現役ドライバーの多くも「大好きなトラック」と称して得意コースに挙げるが、なかでも昨季ここで自身2度目のタイトルを決めたバリチェロや、2年前にチャンピオンを確定させ、この週末を前に通算6度の表彰台、3回のファステストラップを刻むカサグランデは、その筆頭候補に挙げられる。
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さらに、インテルラゴス最多勝記録を保持する“帝王”カカ・ブエノ(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)や、開幕勝者チアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)らが持つ7勝まで“あとひとつ”と迫ったマウリシオなど、今季導入された新要素(ハンコックタイヤ、幅広リヤウイング)も絡んで、週末の戦況はさらに熾烈になることが予想された。
その想定どおり全31台が出走した予選Q1では、上位20台が秒差圏内にひしめく勝負となり、バリチェロを筆頭にセザール・ラモス(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)、開幕ポールシッターのブルーノ・バプティスタ(RCMモータースポーツ/トヨタ・カローラ)らがQ3でも上位を占めていく。
その布陣を撃破したのがカサグランデで、通算7回のキャリアポールのうち、ここ得意のインテルラゴスで4回目の最前列を獲得してみせた。
「予選最速はいつだって特別だし、この場所はさらに特別な“国民の聖地”でもある。これまでも多くの良いことをここで体験できたし、僕自身も含めてまだ若手と言える年齢だけど(笑)、インテルラゴスにはすでに素晴らしい思い出がある」と、王者バリチェロを退けてのポール獲得を喜ぶカサグランデ。
「ここにいる機会を与えてくれ、ポールを争う素晴らしいクルマを用意してくれたチームや支援者に感謝したい。(開幕の)ゴイアニアですでに良いシーズンになる手応えはあったが、今日は最前線で戦える時間が少し残っていた。明日は勝利を目指しつつ、多くのポイントを獲得するのが目標だ」
■優勝も「まだタイトルに挑戦するのに良い時期ではない」とカサグランデ
その言葉どおり、明けた日曜の現地12時10分に開始された30分+1ラップ勝負は、カサグランデが盤石のレース運びで席巻。なんとか首位に食らいつき2位でフィニッシュしたラモスが、ピットストップでの違反行為により20秒加算のペナルティを受け、代わって9番手発進のギリェルメ・サラス(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)とバプティスタが表彰台に食い込んだものの、元王者は後続の波乱とは無縁のドライブで今季初勝利を飾った。
「本当にうまくいった。ふたたび勝って表彰台にカムバックすることができてとてもうれしい。センセーショナルなクルマを与えてくれたチームに感謝しかないよ」と、改めて謝意を述べたカサグランデ。
「僕らはチャンピオンシップで10位から2位に浮上した。2021年のレースで持っていたリズムに戻った感覚があるけれど、まだタイトルに挑戦するのに良い時期ではない。それでも、ここから前線で戦い続けられると確信しているよ」
続いて前戦トップ10リバースで争われたレース2は、予選13番手からポジションを上げて9位フィニッシュを果たしていたマウリシオが好機を活用。「僕らのクルマは昨日(予選日)まではさほどうまく機能していなかった」と語った“3冠”の元王者だが、「別のセットアップを施し(レース2に向けた)グリッドへの試走のアウトラップで、良い改善を感じた」と、さすがのアジャストを披露。
後方30番手スタートから義務ピットの戦略を大きく可変させて浮上してきたラファエル鈴木(ポール・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)や、25歳のガエターノ・ディ・マウロ(ホットカー・コンペティソイス/シボレー・クルーズ)らを従え、インテルラゴス7勝目、キャリア通算36勝目を達成した。
「チームはつねにレースに向けて非常に優れたクルマ、競争力のあるクルマを作り続けてくれている。他に道を譲ることはなかったね」
これでマウリシオとカサグランデがランキング上位に躍り出た2023年のSCBシーズン。続く第3戦は直近にも開催地がアナウンスされた約3週間後の5月20~21日に予定され、カテゴリーが44年前に初めて開始されたポルト・アレグレのヴィアマンにある発祥の地、アウトドローモ・デ・タルマンに戻ることが決まっている。
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