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第3世代の「e-POWER」を搭載した日産キャシュカイが欧州で発表

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第3世代の「e-POWER」を搭載した日産キャシュカイが欧州で発表

 日産自動車は2025年6月26日、第3世代となる独自のハイブリットシステム「e-POWER」を搭載した新型キャシュカイ(QASHQAI)を欧州で発表した。

 キャシュカイは日産がワールドワイドでリリースするCセグメントのクロスオーバー車で、初代のJ10型は2006年にデビュー。以後、2013年には2代目のJ11型に、2021年には3代目のJ12型に切り替わり、2024年のフェイスリフトを経て現在に至る。日本では「デュアリス」の車名で、2007年から2014年にかけて販売された。

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 今回発表された新型キャシュカイには、エンジンを発電専用とし、駆動は電気モーターのみで行うシリーズハイブリッドシステムの「e-POWER」の新世代が搭載される。e-POWERは電気モーターのみで駆動するため、力強くレスポンスの良い加速と高い静粛性が特徴。複雑な機構を必要とする他のハイブリッドと比べても、より滑らかでEVのようなドライブが楽しめる。また、EVと同様に回生ブレーキにより減速エネルギーを電気に変換してバッテリーに戻すことが可能だ。

 第3世代の「e-POWER」は、この特性をさらに進化。燃費性能は4.5リットル/100km(WLTP)に向上し、セグメントトップクラスとなる最大航続距離1200kmを実現する。また、CO2排出量は116g/kmから102g/kmへと12%削減し、さらに静粛性は第2世代比で最大5.6dB低減。そして、スポーツモード選択時に10kW出力を上げる機能を採用し、よりスポーティな走行を具現化した。

 パワートレイン自体は、モジュール化した新開発の5-in-1 e-POWERパワートレインユニットを採用。このユニットはモーター、発電機、インバーター、減速機、増速機といった5つの主要部品をコンパクトで軽量な1つのケースに統合し、軽量化や小型化、高剛性化を達成する。また、モーターの最高出力は従来比11kWアップの151kW、バッテリー容量は2.1kWhと従来と同様のスペックを維持しながら、ユニット自体の高剛性化と軸構造の最適化により、走行時の音や振動を大幅に低減した。

 組み合わせるエンジンには、e-POWER専用に新設計した1.5リットル3気筒のターボエンジンを採用する。日産の独自技術であるSTARC燃焼コンセプトを導入することで、シリンダー内燃焼の安定化を実現し、熱効率42%を達成。これにより、低速時でも静かで効率的なドライブを可能とする。また、効率を最大化するための大型ターボや最終減速比の変更によって、高速走行時のエンジン回転数を従来より約200rpm低くすることで、騒音の抑制にも寄与。e-POWER専用設計とすることで従来搭載していた可変圧縮比技術は不要となり、合わせて潤滑油を0W16にすることで、エンジン内部の抵抗を低減した。さらに、オイルメンテナンスの距離を従来の1万5000kmから2万kmに延長し、ユーザーベネフィットを高めている。燃費面に関しては、ADAC(ドイツ自動車連盟)の燃費評価に基づく独立試験で、現行のキャシュカイに比べて実走行条件で最大16%の燃費向上、高速道路では14%の向上を確認している。

 第3世代のe-POWERを搭載した新型キャシュカイの発表に際して、日産自動車の赤石永一チーフテクノロジーオフィサーは、「第3世代e-POWERは、日産のハイブリッド技術を再定義するものであり、あらゆる状況で滑らかで応答性の高い走行を提供します。約10年にわたる開発における知見を集約し、より効率的で洗練された、競争力のあるシステムを実現しました。キャシュカイでの導入は始まりに過ぎず、2026年度には日本と北米の市場への投入を予定しており、その他の市場にも順次投入していきます」とコメントしている。

 なお、新世代のe-POWERを搭載した新型キャシュカイは、英国サンダーランド工場で生産され、本年9月に欧州市場での発売を予定する。以後、アフリカおよびオセアニア市場にも順次展開していく見込みだ。日本市場への導入は現在のところ未定だが、新世代e-POWERについては2026年度の発売を予定する新型エルグランドに採用する計画。北米市場においては、2026年度中に発表予定の新型ローグに搭載する予定である。

文:カー・アンド・ドライバー 大貫直次郎
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