運動性能の高さを漂わせるCLAクーペ
text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
【画像】AMG CLA 35とシビック・タイプR 全114枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
もしメルセデスAMGの35シリーズで、ハッチバックやサルーンが物足りなく見えてしまうのなら、新しいCLA35クーペを選ぶと良いだろう。標準のCLAであっても、なだらかに傾斜するルーフラインとシャープなフォルムは、それ以外のAクラスより格好いい。
アッファルターバッハを拠点とするAMGにより、高性能化が図られ、ボディにも専用のキットが施されたCLA35クーペ。一層の惹き付ける力を獲得していると思う。
メルセデスとしては、スポーティなボディは、ハッチバックやサルーンのA35よりドライビング面を重要視するユーザーに選ばれると考えているようだ。筆者としても、その理由は良くわかる。
スタイリッシュなボディをまとうCLA35だが、それ以外の部分はハッチバックと大きな違いはない。エンジンは2.0Lの4気筒ターボエンジンで、M260型と呼ばれるユニット。306psと40.7kg-mを発生するから、35シリーズとして歓迎できる共通点といえる。
7速デュアルクラッチATを介して、通常の路面条件では基本的に前輪駆動。だが電子制御されるマルチプレート・クラッチによって、必要に応じて最大50%の駆動力を後輪へも伝達することができる。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式で、リアがマルチリンク式。今回の試乗車、プレミアム・プラス・グレードの場合、メルセデスAMG製のアダプティブダンパーが装備される。
歯がゆい7速デュアルクラッチAT
通常のパッシブダンパーの場合、低速域での柔軟性に欠いていたことが記憶にある。アダプティブダンパーが、CLAと一緒の時間をさらに楽しいものにしてくれるのか、興味が湧くところだ。
眠気を誘うような英国南部、オックスフォードシャーの郊外の道を走らせてみると、CLA35は楽しい相棒に感じられる。AMGダイナミック・セレクトで、最も過敏な設定を選択してみる。アクセルペダルの反応は食い付くように高まり、M260ユニットは積極的に回りたがる。
CLA35クーペは、一般的な水準で考えればかなり速い。サウンド面では人工的な味付けが明確ながら、悪くはない。アクセルペダルを話すと、破裂音のようなサウンドが響く。ちょっとした魔法じかけのようだ。
ただし、よりハイパワーで魔法の度合いが強いA45 Sと比べると、加速時は額面ほど速くは感じられない。不思議なことに。加えて、7速デュアルクラッチATは少し歯がゆい部分となっている。
とっさのスロットル入力にも、WLTP対応後のフォルクスワーゲンやアウディの高性能モデルが搭載するデュアルクラッチATより、充分素早く反応はしてくれる。だが、優れた部分としてはその程度。
停止状態からの加速時は、ややつながりが尖すぎる。フルスロットルでレッドゾーン近く回すと、ATが自動的にシフトアップするのだが、その仕草も少しぎこちない。マニュアルモードを選ぶと、想像より簡単にレブリミットに当ててしまう。
3000rpmから4000rpm前後でシフトパドルを弾けば、とても滑らかに変速をこなしてはくれるのだが。
ゴルフRより活発さを感じるCLA35
アダプティブダンパーをコンフォートにすれば、英国郊外の走行ペースに合わせても充分な柔軟性が得られる。固定式ダンパーのA35で感じた、低速域での不安定さが改善しているようだ。
高速道路では、ロードノイズがやや大きいものの、充分に快適な移動手段になる。それでも、フォルクスワーゲン・ゴルフRと比較しても、CLA35の方が衝撃の丸め方には少し角が残ってしまう。
そんな不満を街なかで感じつつ、郊外の開けた道へ出れば、メルセデスAMGの機敏な操縦性を味わうことができる。スポーツ・モードを選ぶと、CLA35のアダプティブダンパーは姿勢制御と柔軟性とがほどよく調和する。
ステアリングは少し重めだが、クイックに反応。確かな前輪のロードホールディング性を感じながら、自信を持ってクルマの向きを変えていける。
気持ちが燃え上がるような操縦性、とはいい過ぎかもしれない。だが、かなりシリアスなゴルフRと比べても、CLA35の方がさらにエネルギッシュに感じられるだろう。
見た目にそぐわない活発な走りのCLA35だが、同じ活発さはハッチバックのA35でも味わえることは覚えておきたい。荷室空間はハッチバックの370Lに対し、クーペは460Lで広い。しかし、大きく傾斜するルーフラインのおかげで、後部座席の空間が広いのは間違いなくハッチバックの方だ。
実用的なハッチバックか流麗なクーペか
スタイリングに惹かれてCLA35クーペを選んだとしても、費用の面で心配はいらないだろう。ボディタイプでの価格差は意外と小さい。
ハッチバックのA35の英国価格は3万8020ポンド(543万円)からだが、CLA35クーペの方は3万9970ポンド(571万円)からとなる。今回のCLA 35プレミアム・プラスの場合、4万5970ポンド(657万円)に上昇してしまうけれど。
メルセデスAMG CLA35クーペがまとう流麗で目を引くスタイリングは、ハッチバックのA35と比べると価値のある選択に思えなくもない。だが、ジュニア・パフォーマンスモデルの分布図の中で、かなり高価格帯側にあることも間違いない。
もしブランドにこだわらず、実用性も兼ね備えたスリリングな4ドア・ドライビング・マシンが欲しいのなら、ホンダ・シビック・タイプRという選択肢も実はある。しかも大幅に予算は抑えられる。筆者なら、ホンダを選ぶかもしれない。
メルセデスAMG CLA35クーペのスペック
価格:4万5970ポンド(657万円)
全長:4690mm
全幅:1830mm
全高:1430mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:13.7-13.8km/L
CO2排出量:167g/km
乾燥重量:1590kg
パワートレイン:直列4気筒1991ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:306ps/5800rpm
最大トルク:40.7kg-m/3000-4000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?