9月15日、2024年F1第17戦アゼルバイジャンGPの決勝レースが行われ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が今季2勝目/キャリア2勝目を飾った。2位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続いた。角田裕毅(RB)はリタイアとなった。
例年4~6月の開催だったアゼルバイジャンGP、2024年は初めてサマーブレイク明けの9月開催となった。スタートタイヤは20台中14台がミディアムタイヤ(C4/イエロー)を選択。
ルクレール、0.321秒差でポール「FP1からマシンをほぼ変えていない。この好調さを確実に勝利につなげたい」フェラーリ
一方、9番グリッドのアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、14番グリッドのダニエル・リカルド(RB)、15番グリッドのランド・ノリス(マクラーレン)を含む後続の6台がハードタイヤ(C3/ホワイト)をチョイスした。
気温27度、路面温度44度、湿度39%となるなか、51周の決勝レースはスタートを迎えた。ルクレールが首位、ピアストリが2番手を守る一方、4番グリッドスタートのセルジオ・ペレス(レッドブル)が1周目のターン2でサインツのインに飛び込み、3番手の座を手にする。
一方、後方ではターン4で角田とランス・ストロール(アストンマーティン)が接触。ストロールはパンクを喫し、緊急ピットインを強いられる。
2周目からDRS使用可能となると、11番手の角田を先頭にノリス、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、リカルド、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)らが数珠繋ぎとなる。
なんとかポジションを守りたい角田だったが、10番手のオリバー・ベアマン(ハース)からは4秒近く離れており、隊列の中で角田はDRSが使えない状況だった。そんななか、3周目にノリス、ヒュルケンベルグが角田を攻略する。
その翌周の4周目、ホームストレートで角田のペースがガクッと落ちると、背後につけていたリカルド、ガスリー、ピットスタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)に先行され、角田は16番手に後退する。
先述したストロールとの接触でサイドポッドにダメージを負っていた角田は、チームメイトのリカルドからも2秒近く遅いペースでの周回が続いたが、その後ガレージにマシンを収めリタイアとなった。
8周目、ノリスがベアマンを攻略し入賞圏内の10番手に浮上。一方、ルクレールに2秒差をつけられた2番手ピアストリに対し、チームから「プランBで行くよ」という無線が飛んだ。対するルクレールはファステストを更新する走りでピアストリを引き離しにかかる。
11周目に真っ先に8番手のフランコ・コラピント(ウイリアムズ)がハードタイヤに交換。続けて5番手につけていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、メルセデス勢の2台が13周目に。3番手のペレスが14周目にタイヤを履き替えた。
これでピアストリはペレスにアンダーカットされるリスクを抱えることになり、16周目にハードに履き替えることに。ステイ組のノリスがペレスを蓋するアスシストもありつつ、ピアストリはペレスの前でコース復帰が叶った。
ミディアムタイヤで他を圧倒するペースを見せたルクレールだったが、ハードに履き替えてからは思うようにペースが上がらない。一方で、ハードタイヤに履き替えてからはピアストリが好ペースを見せた。
DRSの後押しもあり、20周目のターン1でルクレールのインに飛び込んだピアストリがトップに浮上する。さらにペレスも2台の戦いに続き、3台が1.5秒以内を走る接戦が続いた。
ピアストリ、ルクレール、ペレスの3台は後続に6秒以上のギャップを築いてトップグループを形成するが、3台ともハードタイヤを温存したい、リスクを抱えたくないこともあり、積極的にオーバーテイクを仕掛けることもなく周回が続いた。
29周目、33周目のターン1でルクレールが仕掛けるも、ピアストリは巧みなブロックラインを取り、ルクレールの飛び込む隙を与えない。ルクレールもペレスを従えつつという状況であり、リスクの伴うオーバーテイクを仕掛けられず、近づいては離れという状況が続く。
一方、ハードタイヤスタートからステイし続け、5番手につけるノリスは34周走ったタイヤで自己ベストを更新する巧みなタイヤマネジメントぶりを見せる。
ノリスは38周目にミディアムに履き替え7番手でコース復帰を果たすと、チェッカーまでに13秒先を走る6番手フェルスタッペンをかわわすべく、ハードプッシュを開始すると、42周目には1分45秒255というこのレースのファステストをマークした。
残り10周という終盤を迎えると、2番手ルクレールと3番手ペレスのギャップは2秒近く広がり、トップ争いはピアストリとルクレールの一騎打ちになったかと思われた。しかし、接近戦を続けたピアストリとルクレールのタイヤが徐々に限界に近づくなか、再びペレスがルクレールのDRS圏内に入る一進一退の状況に。
そんななか、44周目には4番手のカルロス・サインツ(フェラーリ)がペレスの後方に接近するなど、最終盤まで結末が予測できない状態が続いた。
手に汗握る大接戦の最中、47周目にルクレールがピアストリから1秒以上離れてしまい、ルクレールはDRSが使えなくなる。その間にペレスがルクレールのDRSに入ると、さらにサインツもペレスのDRS圏内に入る。
ピアストリは2秒差を築いて逃げに出るなか、ルクレールは「リヤタイヤがなくなった」と無線を飛ばす。一方。49周目のターン1でノリスがフェルスタッペンをオーバーテイクし、6番手に浮上する。
そうして迎えた50周目、ターン1でペレスがルクレールにしかけた。2台がサイド・バイ・サイドとなるなか、間隙をついたサインツがペレスをかわし3番手に浮上する。続くターン2立ち上がりでサインツとペレスが並走するなか、2台は接触し、揃ってウォールにヒット。表彰台を争う2人がここでレースを終えるまさかの展開に。
このアクシデントでバーチャルセーフティカー(VSC)導入となり、VSCのままピアストリがトップチェッカーを受けた。2位にルクレール、3位にラッセルが続いた。
15番グリッドスタートのノリスは4位に入り、ファステストラップポイントの1点も手にした。5位フェルスタッペン、6位アロンソ、7位アルボン、8位コラピント、9位ハミルトン、10位ベアマンまでがポイント獲得となった。なお、コラピントはデビュー2戦目での初入賞となった。
マクラーレン勢が優勝と4位、ファステストとポイントを重ねるなか、レッドブルはペレスが完走扱いのノーポイントに終わったこともあり、マクラーレンがレッドブルを20ポイント上回り、ついにコンストラクターズランキング首位となった。
次戦となる2024年F1第18戦シンガポールGPは、マリーナ・ベイ市街地サーキットで9月20~22日に開催される。
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